前回紹介の4番のつづき。マーラー 交響曲第6番イ短調「悲劇的」、セル:クリーブランド管(1967年ライブ録音:セヴェランスホー)を聴く。こちらは、マイ・コレクションの2楽章アンダンテ盤ではなく、メジャーのスケルツォ盤である。
第1楽章冒頭から決然とした分厚い低弦群と打楽器群の強打がこの曲の重々しい曲想を際立たせる。アルマの主題の弦楽は美しく歌う。木管のアンサンブルもぴったり。セルは、やはり感傷的にならずそれでいて穏健さと推進力のバランスが絶妙だ。ちなみにライブだからか、提示部の反復はない。第2楽章スケルツォは重厚な響きだ。リズムの切れも良く、軍隊的で凄味のある響きだ。トリオのあとの木管の哀調のあるメロディが好きです。第2楽章アンダンテは美しく深淵に歌いながら感傷的にならずセルならではの抑制のきいた構成が自然の呼吸の域で神秘的な雰囲気を作り上げているのか。(この楽章は好みが分かれるところかも)第4楽章は、低弦群のド迫力、極上のアンサンブル、圧倒的なエネルギー感に満ちた演奏。ちなみにハンマーの数は2回です。(1960年代は、国際マーラー協会の全集版(1963年刊行)が2回ハンマーを採用していたこともあり、多くの演奏で2回が採用されています)そして強烈なイ短調の和音のパンチ!!やられました!!