モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑬
弦楽四重奏曲第11番 変ホ長調 K. 171,バリリ弦楽四重奏団で聴く。6曲ある『ウィーン四重奏曲』のうちの4曲目。ハイドンの作品17・20「太陽四重奏曲」をダイレクトに吸収しようとした時代です。まず第1楽章に序奏(アダージョ)を置く試みは、そのハイドンにもない。モーツァルトにしても、のちの19番「不協和音」とこの曲だけである。白眉は、第3楽章、すべての楽器が弱音器(ミュート)をつけて演奏します。オペラのアリアを思わせる、美しくも切ない情感に満ちた楽章です。これぞモーツァルトという、ハ長調の明るくもどこか儚い憂鬱感。一番のお気に入りは、ハ短調(同主調)へ転調し、第1ヴァイオリンの先導に対して、第2ヴァイオリンやヴィオラが細かく動きながら応える、対位法的な「掛け合い」。バリリの第1ヴァイオリンは、決して音を張り上げず、第2ヴァイオリン(クロチャク)やヴィオラ(モラヴェッツ)が、ウィーン・フィル特有の柔らかくふくよかな音色で、まるでお互いを目で合図し合っているかのように自然な息遣いで絡み合う、この「歌の受け渡し」の滑らかさよ。Good Job!!
























