グリューミオ・ハスキルのモーツァルト ヴァイオリンソナタから、後期三大ソナタ K.454,K.481K.526(1956年録音)を聴く。
第40番 変ロ長調 K. 454は、ウィーンのブルク劇場の名ヴァイオリニストのレジーナ・ストリナサッキのために書かれ、演奏会(ウィーンのケルントナートーア劇場)当日までにはヴァイオリンのパートしか完成しなかった為にモーツァルト自身がピアノを即興演奏したことで有名だ。
ご存じ、この時代は「ヴァイオリンを伴うクラヴィーア・ソナタ」というジャンルが主流である。モーツァルトもK.404(39番)までは、ピアノが主でヴァイオリンが伴という構成になっている。ところが、この40番で初めて2種類の楽器の対等性が強調されている。但し出版された、楽譜はあいかわらず「ヴァイオリンを伴うクラヴィーア・ソナタ」であった。
第41番 変ホ長調 K.481は、ジュピター音型が登場することで有名だ。Adagioは、一音一音が美しく紡がれ、晩年のモーツァルトが持つ特有の陰影が見られる。
第42番 イ長調 K.526は、ケッヘル番号に注目してもらいた。あの有名な「アイネ・クライネ・ナハトムジークk.525」と「ドン・ジョバンニK.527」に挟まれた曲だ。生き生きとした6/8拍子のアレグロから、心に沁みるアンダンテ、スリリングなプレストに至るまで、このソナタは、古典的ソナタ形式にオペラ的な温かみと華やかな妙技を吹き込むモーツァルトの真骨頂。のちのヴァイオリンソナタというジャンルの先駆けとなったと言っても過言ではないだろう。
























