ドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調 Op.88 , B. 163、ビエロフラーヴェク(C)チェコフィルハーモニー(1992年録音)で聴く。
チェコフィルが持つ素朴でシルキーな温かみのある音色(特に木管楽器のさえずりや、厚みのある弦楽器の響き)が最大限に活かす。少々「おとなしい」と感じられることもあるが、ドヴォルザーク特有の郷愁を美しく描き出しているといえよう。
第1楽章(Allegro con brio) 冒頭のチェロによるト短調の主題は、重くなりすぎず、深い呼吸で始まる。木管群は森の中の鳥のさえずりの様に瑞々しさを際立たせる。
第2楽章(Adagio)、冒頭の弦楽の優しさがたまりません。
第3楽章(Allegretto grazioso)、3/8拍子の哀愁のワルツともいうべき独特のリズム、変に甘くなりすぎず気品ある演奏。中間部の民族舞踊風の旋律への移行もスマートにこなす。名手イジー・ミフレの艶やかで温かみのある音色が全体を引き立てる。
第4楽章(Allegro ma non troppo)冒頭のトランペットのファンファーレ、もどとなく優しくそれでいて輝かしく鳴り響く。白眉は、朗々としたチェロの深さからの怒涛の終焉へ向けての高揚感もお見事。首席指揮者就任期間も短いがチェコフィルの良さを最大限に発揮させ、節度と美しさへのこだわりを表現したビエロフラーヴェクに感服。

