ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」を聴く。(ドラティ:ロンドン交響楽団 1962年録音:マーキュリー)。ジャケットは5の文字が大きすぎるが「6」の方が秀逸な気がする。マーキュリーの録音も相俟って明瞭にきびきびとした速度ですすむ。そして、この時期のロンドン響の木管群はクラリネットの名手、ジェルバーズ・ドゥ・ペイエをはじめ素晴らしいではないか。これが重要だ。「田園」はとりわけ木管群の活躍抜きには語れないからだ。2楽章、フレーズを何気に浮かび上がらせる巧さ。弱音器付きの弦楽群も美しい。特にパートから独立した2人のチェロが甘い。木管群:夜鳴き鴬(フルート)、ウズラ(オーボエ)、カッコウ(クラリネット)、お見事!!スケルツォ楽章、オーボエ、クラリネット、ホルンの主題のリレーの巧みさ、低弦群の見せる布石感、続く4楽章での激しい音捌きと厚み!面白いことにドラティは決して金管群やティンパニーに寄らず、弦楽群の力で押しまくる。素晴らしいバランス!これでこそ、クライマックスのトロンボーンの付加が生きてくるというもの。フィナーレは、もう少しフレーズに優しさがあってもよかったような気がするが、この一環した端麗さがドラティの良さかもしれない。
クラシック音楽ブログ 音の洪水
旧ブログ「アマデウスで朝食を!」と合体しました。クラシック音楽鑑賞の参考にしてくだされば幸いです。{カラヤン}はありませんよ!
2025年2月22日土曜日
2025年2月15日土曜日
ベートーヴェン 交響曲第2番_レイボヴィッツ
ベートーヴェン交響曲第2番ニ長調 Op.36、ルネ・レイボヴィッツ(C)ロイヤルフィル(1961年録音)、久しぶりに聴く。3番はクレツキ、8番はイッセルシュテットなどなどあるが、2番のMY定番と言えばコレ。史上初めてメヌエットでなくスケルツォを3楽章にしたベンちゃんの意図を理解したレイボヴィッツならではの快速の棒運びにやられました・・・とさ。強めのトゥッティ、ティンパニのアクセントも尖りまくって素敵です。
2025年2月8日土曜日
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ5番「春」_シュナイダーハン&ケンプ
「春」にはほど多いが一足早く、ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ5番ヘ長調OP.24「春」を聴こう。(シュナイダーハン;ケンプ、1952年録音)。『不滅の恋人』の伯爵令嬢のジュリエッタに恋をしていた時期に作曲されただけあって、ヴェンちゃんには珍しく甘く美しくとろけるようなメロディ。シュナイダーハンの美音がマッチしています。
2025年1月25日土曜日
ピアノ 友人の演奏会
昨晩は、大学時代に入団していた合唱団の往時の「指揮者」のY.H氏が、ピアノをずっと続けており、久しぶりに東京でジョイントコンサートを開くというので、愛知から一人アェウイで辛いだろうと応援と視聴に駆けつけました。場所は、すみだトリフォニーホール(小ホール)。大ホールに負けじと小ホールも残響多めで、前目真ん中に同期のH氏とカミさんと3人で陣取りましたが、視聴的にはもう少し後ろにすればよかった気がしました。第1部は、彼得意の特異のマニアック選曲で「ヘンゼルト」から12の演奏会用性格的エチュード・・・・・・・さすがにワシもしらんやろ!!でした。第2部は、クララ・シューマンの「音楽の夜会」よりと「3つのロマンス」よりから。期待を数倍超えるクララ・ロマンチシズム溢れる、濃厚な素晴らしい演奏でした。見事な音の響かせ方に感動しましたぞ。おかげでSTEINWAY SONSの繊細な高音域、ダイナミックレンジを生かした芳醇な低音域を堪能できました。おめでとうございます。余談ですが第1部、ブラームスの「6つのピアノ曲」の2曲目あたりを選曲していたらマニアとしては満点でしたがね。(互いが贈った曲つながり)開演が7時だったので、夕食は早めに「つばめキッチン」で定番のつばめ風ハンブルクステーキを食し、こちらも良き味を堪能してしました。良き音楽と良き食事、ごちそうさまでした。
2025年1月18日土曜日
ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調_ミケランジェリ
そんな寒さを吹き飛ばす為、王道 ミケランジェリのラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」を聴く(ミケランジェリ:エットーレ・グラチス指揮、フィルハーモニア管弦楽団)1957年録音。フィルハーモニア管弦楽団、カラヤンが去り、カンテッリが不遇の死を遂げ、クレンペラーが就任する前の常任不在時代の名盤。
2025年1月12日日曜日
チャイコフスキー 交響曲第6番_オーマンディ
チャイコフスキー 交響曲第6番変ロ短調Op.74「悲愴」、意外なコンビで聴いてみる。オーマンディ:フィラデルフィア管(1960年録音)。陰鬱さを微塵も感じさせない美しき明晰な「悲愴」は、このコンビのなせる技か。(これは良し悪しでも、誉め言葉でもくさし言葉でもどちらでもない)木管群の巧さはピカイチ。変拍子ワルツも変にタメを作らず、淡々と。中間部も強弱以外はサバサバした展開。3楽章、金管群・ティンパニーは抑制的で、弦楽の面白さに的をあてる。それは最後まで継続される。終楽章、フィラデルフィア管の弦楽群の巧さ響きの分厚さの見せ所だ。瑞々しい音色のオーケストラ。颯爽と音で勝負するオーマンディの矜持を感じさせる一枚である。
2025年1月1日水曜日
ブラームス 交響曲第1番_ベイヌム
毎年恒例、年始の一曲、ブラームス 交響曲第1番ハ短調OP.68。今年の選択はベイヌム:アムステルダム・コンセルトヘボウ管(1958年録音)。1楽章、意外と早めのテンポで熱さを感じる中、コンセルトヘボウ管の独特の木管群のふくよかさがたまらない。アンダンテの弦楽群の美しさ、ヤン・ダーメンのヴァイオリンソロの巧さ、木霊するホルンの妙、最高です。終楽章、ホルン、フルートの朗々たるソロ。チェロの「喜びの歌」は、早めのテンポでも美しい。終結部に向けて、とにかくいやらしのない清廉としたオーケストラは、余裕たっぷりに風格の中を進んでいく。無理くり押し切ろうとする若さを感じさせない大人のブラームス。翌年59歳で逝去するが、あと10年は録音を残して欲しかった名指揮者ベイヌムでした。
2024年12月31日火曜日
シューベルト ピアノソナタ17番_カーゾン
さすがにドライブ中に私はシューベルトのソナタは聴かないが。
2024年12月28日土曜日
2024年12月7日土曜日
2024年11月30日土曜日
ドヴォルザーク 交響曲8番_ジュリーニ
ジュリーニは、ドォボ8が、超お気に入りだったらしい。正式録音だけで3度も行っている。1回目がこのフィルハーモニア管:1962年、2回目は、シカゴ響:1978年、そして3度目がコンセルトベボウ管:1990年だ。EMI,DG,SONYといずれも違うレーベル。そしてもちろんのこと、どんどんテンポは遅くなっている。ということで、8番は、もっとも速い48歳のジュリーニで聴こう。1楽章の溌溂とした躍動感と得意の歌心が堪能できる。そして3楽章、とてもallegrettoとはいえないが、ジュリーニなら想定の範囲内の速さ。60年代前半の良きフィルハーモニア管の響きが聴ける1枚。
2024年11月29日金曜日
フォーレ レクイエム_ジュリーニ
昨夜、NHK:Eテレ「クラシックTV」でフォーレが没後100年ということで、とり上げられていたので、久々に「レクイエム」を聴きたくなった。ジュリーニ:フィルハーモニア管弦楽団&合唱、ティモシー・ファレル(オルガン)、キャスリーン・バトル(ソプラノ)、アンドレアス・シュミット(バリトン);1986年ロンドン、ワトフォード・タウン・ホール録音)。リリック・コロラトゥーラの女王バトル・宮廷歌手の称号を持つシュミットを揃えての、ジュリーニの熟年の棒さばきにより崇高かつ慈愛に満ちた「レクイエム」。4曲のバトルの透明感ある歌声、6曲シュミットの決然とした伸びやかな声、見事です。
2024年11月17日日曜日
ブラームス 交響曲2番_モントゥ
ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 Op.73 、名盤モントォー;VPOで久しぶりに聴こう。(1959年録音)。3年後にLSOとも録音しているのだが、「やはり私はこちらに軍配をあげる」。第1楽章提示部は両盤とも繰り返しだ。ホルンの響きはVPOならでは。第2楽章の管とチェロのバランス(チェロ大き目)はこれぐらいが好きだ。弦楽群のブラームスを熟知した響きもVPOならではか。
2024年10月27日日曜日
ブラームス ピアノ協奏曲第2番_コヴァセビッチ:サバリッシュ
ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83、「5つの歌曲 Op.105」、コヴァセビッチ(Pf)サヴァリッシュ:ロンドンフィルハーモニー交響楽団、(MS)アン・マレイ(1993年・1994年録音)を聴く。コヴァセビッチは、名前は東欧系だがアメリカ人だ。かのアルゲリッチの3人目の旦那である。(もちろん離婚)鋭い打鍵にサヴァリッシュの重厚なサポートが光る。第2楽章が珠玉。第3楽章、美しいチェロの響きがいい。コヴァセビッチのピアノは、少し引きずるようなタッチで、昏き夢想感を際立たせる。終楽章は一転して歯切れよく伸びやかなタッチで晴れやかな高揚感を表現する。
2024年10月20日日曜日
ヴィヴァルディ 四季_バーンスタイン
ヴァイオリン協奏曲集『四季』レナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィルメンバー(1963年録音)レニーがチェンバロの「弾き振り」をしている『四季』から「秋」「冬」を楽しむ。ヴァイオリンはニューヨーク・フィルのコンサートマスター:ジョン・コリリアーノ。この録音、イ・ムジチが名を馳せたちょうど同じ頃なんだなぁ。
2024年10月12日土曜日
チャイコフスキー 管弦楽集_アバド
ベルリン・フィル;アバドによるチャイコフスキー 管弦楽集を聴く。オタク的に集めている序曲「1812年」だけを聴くつもりだったが、結局全部聴いちゃいました。
2024年8月31日土曜日
ブラームス 交響曲3番_コリン・デービス
YOUTUBEで良きものを見つけた。1992年11月4日日本公演サントリーホールでの演奏。3番だけにペータ・ダムさん、何度もアップで登場します。絶妙なアゴーギクに酷のある木管群の響き、弦楽群の表情の豊かさ、良き演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=e2hLzPC40R8
2024年8月17日土曜日
マーラー 交響曲第9番_バルビローリ
4連休の3日目、昨日までの旅行の疲れを取り、洗車後のひととき。こちらを聴いてます。「バルビローリ:ベルリン・フィル」、ベルリン・フィルにとって初の「マーラー:交響曲第9番」の録音 (1964年録音;ベルリン・イエス・キリスト教会)。1960年代カラヤンはまだマーラーを知らないというか無視というか・・・(1973年が最初)。ということでベルリン・フィルのメンバー達の、たっての希望から録音が実現されたのがこの名盤。
2024年8月10日土曜日
クレツキのベートーヴェン全集より
「かみさん実家へ帰る」。本日より2日間お留守番なので、スプラフォン名盤「クレツキのベートーヴェン全集」で、一人チクルス。まずは、「エグモント」序曲 Op. 84、コリオラン序曲, Op. 62の凄演からスタートだぁ。序曲-偶数-奇数の順でいこう!!
2024年7月28日日曜日
シューベルト 交響曲第3番&4番_マルケビッチ
シューベルト 交響曲第3番&4番を聴こう。マルケビッチ:ベルリン・フィル 1954年録音)。53-54年のモノラルに集中するマルケビッチ、ベルリン・フィルの録音の一部。カラヤンが最強に恐れたと言われるマルケビッチの録音は以降行われなかったのはやはり何かあるのでしょうか。「展覧会の絵」や「悲愴」といった名演奏もこの時期です。
2024年7月12日金曜日
メンデルスゾーン 交響曲第2番_ヤルヴィ
本日は、有給休暇取得。朝から、昨日大学時代の友人から送ってもらったP.ヤルヴィ;トーンハレ管弦楽団の「メンデルスゾーン交響曲全集」より、H氏が愛してやまない交響曲第2番変ロ長調OP52、MWV A 18を聴いています。<2023年録音>(ちなみに私はほとんど3番と5番しか普段は聴かないが)。
2024年6月8日土曜日
モーツァルト 交響曲第29番_カンテッリ
グイード・カンテッリのBOXから今日は、これを聴いている。
2024年6月2日日曜日
シューマン 交響曲第4番_テンシュテット
夕方より、雨模様で雷まで鳴りだしたので、何となくシューマン 交響曲第4番ニ短調OP.120、 テンシュテット:BPO(1980年)にて聴く。テンシュテットを持ってしても1980年代のベルリン・フィルのカラヤン化された弦楽の響きは如何ともしがたしか。しかし、失われていない低弦の深みを活かしての得意の重戦車風の推進力、管楽群のエネルギー爆発させ能力を発揮しての音楽づくりは流石だ。それにしてもこの4番にカラヤン・レガートは邪魔だ。
2024年6月1日土曜日
2024年5月11日土曜日
モーツァルト 交響曲第31番「パリ」_ホグウッド
本日は、午前中はガーデニング作業と洗車、午後からは、音楽鑑賞。パリ五輪も近づいて来たことだし、ホグウッド;モーツァルト交響曲全集から交響曲第31番 ニ長調 K.297 (300a)『パリ』でも聴こうか。(なんの関係もないが)クラリネットを初めて採用した完全な2管編成。これは、その後も35番「ハフナー」でしか採用されなかった稀有な編成だ。また、モーツァルトには珍しく、依頼者の要望により2楽章では第2稿を書いて仕上げたことである。その依頼人であるジャン・ル・グロが支配人を務める「コンセール・スピリチュエル」にて初演が行われた。ホグウッドは、初稿で演奏です。<全集の場合、1稿・2稿ともに収録されている場合が多いが>。華麗でダイナミックな第1楽章、クラリネットは第2主題で登場しますよ。それにしても(マンハイムの花火)や(マンハイムの閃光)(マンハイムのシュライファー)(マンハイムのローラー)(マンハイムのクレッシェンド)(マンハイムのため息)などなど・・・「パリ」当時のマンハイム楽派の特徴を取り入れた実に面白いシンフォニーだ。