ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 OP.83を聴こう。ゲルバー:ケンペ+ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団(1973年録音)。
第1楽章、冒頭のホルンの深みと厳かさは満点。ロイヤルフィルの管楽器群の響き、切れの良い音もいい。またケンペお得意のデクレッシェンドとピアニシモのもって行き方にはブラームスの心の襞を感じる。そしてゲルバーの高音部のパッセージの美しさは至芸に値する。クライマックのオーケストラのどっしり感は、まるでドイツのオーケストラのようだ。
第2楽章、起伏の激しいなんというスケルツォ。だから中間部の長調へ転じたオーケストラ部が余計好きだ。
加速を帯びた終焉部のお互いの引っ張り合いも楽しい。
第3楽章、有名なチェロの音色の緩徐楽章。これを聴くといつも心が洗われる。ブラームスの隠し持つセンチメントな部分が凝縮されているように思う。それを受け継ぐピアノ部が、また堪らなく哀しい。中間部ではケンペが激しさを要求し、ゲルバーが正面から受け止める。そして、弦楽の心の淵へ落ちてゆく如きパッセージ。優しい光を注ぐクラリネットの調べ。再びチェロのメロディ。それをサポートするようにゲルバーのピアノがトリルを打つ。
終楽章、弾むようなロンド。まるでモーツァルトのコンチェルトの終楽章の冒頭ようだ。およそブラームスには似つかわしくない楽し気なピアノとオーケストラの掛け合い。ゲルバーの瑞々しいほどの音が燦然と輝く。うーんやはり隠れた名盤だと確信!!
0 件のコメント:
コメントを投稿