第23弾は、「疾走しない悲しみのト短調群」と勝手に名付けている曲達の中の1曲「Mozart - ヴァイオリンソナタ 第36番 K.380の第二楽章」を紹介する。
K.380自体の調性は、変ホ長調だかこの第二楽章は、ト短調 4/3 アンダンテ・コン・モートである。短調のモーツァルトが、モーツァルトという途方もない天才の一面である事実は誰も否定できない。明るく晴れやかで春風のように心地よいセレナードやディヴェルトメントにも、感情のこまやかさが小さな波のように幾つも幾つも訪れ、心を洗い戯れてくるピアノコンチェルトの緩徐楽章にも、不思議と現れるモーツァルト的悲哀の音たちは、それはそれで堪らなく美しく大好きだが、こうして第一音から投げかけてくる短調の悲しみのメロディーは心にぐさっとくる。たぶんモーツァルトがそうした一面を知らず知らずのうちに耐え切れず漏らしているからではないかと思えてならない。
それではお聴きください。mozart_36_k.380 - 2(クリック)
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