2016年1月29日金曜日

チャイコフスキー 後期交響曲3連発!!

金曜日の夜は、やはりじっくりと音楽に浸りたい。
というわけでチャイコフスキー後期交響曲3曲連続鑑賞!!
いずれも個性的な名盤を並べてみた。
4番は、カール・ベーム:チェコフィル(ザルツブルグ音楽祭:1971)
5番は、モントゥー:北ドイツ放送交響楽団(1964)
そして6番「悲愴」は、私のベスト フリッチャイ:ベルリン放送交響楽団(1959)。
 4番は、78歳ベームの渾身のライブ。火の玉ベームのお通りだ。
2楽章のむせび泣き、チェコフィルの弦がまたいい。4楽章の一気呵成の追い込み。「恐れ入谷の鬼子母神」とはまさにこのこと。
 5番は、モントゥーのお得意のレパートリー。ボストン交響楽団のセッションもロンドンフィルとのウィーン音楽祭でのライブ盤も「名盤」といわれているが、今夜は、最晩年(88歳)の北ドイツ盤を選択。コクのある円やかな響き。まさにモントゥー・マジック。モントゥーらしさは、何といっても聴かせたい音(聴きたい音)がアンサブルの中から浮かび上がって聴こえてくるところだろう。2楽章は愛情たっぷり、4楽章のテンポの揺れは天下一品。
 6番「悲愴」は、病魔に侵されたフリッチャイの生と死の葛藤を感じざるを得ません。
第1楽章、これ程美しく哀しい第2主題は他にはないだろう。激情的な展開部に突入してもその弦の美しい響きには濁りが無い。その中での金管の慟哭。最後の木管のあきらめの嘆息。この1楽章だけで嗚咽してしまいます。
第2楽章、ニ長調の舞曲は死の影を忘れたかのような軽やかさ、しかしロ短調へ展開すると再び憂鬱な影がよぎる。
第3楽章、冒頭のスケルツォ主題は「タランテラ」。生へのこだわり、あがき、奮闘 にも聴こえる。
第4楽章、死に向かう魂の叫びを、切迫した心の襞をゾクゾクするほど感じながら聴かざるえない。

まさにチャイコフスキー「白鳥の歌」にふさわしい名演です。

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