今週は、かみさんが実家に帰省しているので只今大音量にて「第九」を聴いています。テンシュテット;ロンドンフィルハーモニー管弦楽団&合唱団、S)マリアンネ・へガンダー、A)アルフレーダ・ホジソン、T)ロバート・ティアー、Bs)グウィン・ハウエル(1985年9月13日、ロイヤルアルバートホール ライヴ録音)。テンシュテットが喉頭がんの告知を受ける1か月前のライブ演奏と言うことになる。テンシュテットには,しばらくベートーヴェンの第9の正規レコーディングはなく,BBSレジェンドが,2001年にこのテンシュテットの第九を発表した。
テンシュテットらしい、緊張感のあるスリリングな演奏だ。第1楽章、特に速いわけではないのだが、重戦車のように進んでいき、まさにテンシュテットらしい高揚感溢れる堂々たる演奏。第2楽章は快速だ!テンシュテットの煽りにさすがのロンドンフィルもついていけない。しかし、逆に観客には異様な緊張感の11分間であったものと思われる。楽章終了後の鬼のような咳払い、どんだけ皆、息を飲んでいたのだ。第3楽章は、懐の深い静謐な演奏。白眉は、何と言っても終楽章か。冒頭から再び重戦車が風の如く進んでいく。歓喜の爆発!!への助走とはかくなるものか。そして初めて現れる歓喜のメロディは爽快な運び。バリトンのグウィン・ハウエルは、堂々たる声量。圧巻のコーダ。このエンディング1990年シカゴ響との「巨人」の思い出してしまった。
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