月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第29回。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト 22.ガーディナー 23.ハイティンク 24.アバド 25.テンシュテット 26.メータ 27.ショルティ 28.ブロムシュテット
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第29回は、プレヴィン:ロンドン交響楽団&合唱団 ハロリン・ブラックウェル(ソプラノ)ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン (バリトン)<2000年ライブ録音>
プレヴィンは、ドイツレクイエムを得意としていたようで、1993年ロイヤルフィル、1986年ウィーンフィルと録音しています。ロイヤルフィル盤は生憎持っていません。ウィーンフィルは、半年後に第4回のジュリーニとの競演がありますので、ロンドンフィル盤にしました。
プレヴィンの構成は、音質明るめ、テンポは中庸です。
第1曲、出だし 弦楽に響きは明るめで、コーラスの導入により雲間から光が届けられる如く敬虔な調べを与えています。
ただし、「mit Freuden」のテーノルが残念!全体を通して優しく温かみのある演奏ではないでしょうか。
第2曲、どちらかというと重苦しくなる出だしのユニゾンは淡々と。しかしティンパニーの激しさとともに一転コーラスの訴えかける激しさ。ト長調へ転じた部分の優しさ穏やかさ。「Aber des Herrn 」の高揚感も見事!起伏に富んだオーケストレーションと相まって、第2曲の幅の大きさを十分に味わえる演奏です。
第3曲、ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソンは、日本にも来日してる。穏やかな顔立ちのおっさんとは思えない男前な声です。モノローグは淡々としかし、コーラスが加わる部分で緊迫度を高めながら進んでいきます。荘麗なフーガの「持続低音D」に乗っかるコーラスは、ゆったり目です。
第4曲、心安らぐ舞曲です。プレヴィンは、Selig動機の変奏となるこの曲の表情の移り変わりを楽しむように優しく作り上げています。
第5曲、グラミー賞歌手のハロリン・ブラックウェルの声は流石です。伸びの張り美しい声。天上から語り掛けてくる慈愛に満ちた声です。ラストの消えゆくpでの声は最高です。
第6曲、非常に落ち着いた雰囲気からバリトンのソロへ。緊張度を高めつつ、テンポも揺らしながら大フーガへ。アルトの入りは良い。ソプラノ少し疲れ気味。テノールやっと声が出てきたか。張り切りボーイが1人いる。
第7曲、Selig動機へ戻っての祝福の曲。テンポは普通だが、ゆっくり目に感じる。ここでも重くならずに優しく包み込むような演奏です。
いよいよ、来月は30回目に突入です。
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