ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61、ダヴィド・オイストラフ(V)クリュイタンス フランス放送国立管弦楽団(1958年録音)を聴こう。フランス放送国立管弦楽団のしなやかで透明感のある響きが、オイストラフの骨太なソロを優雅に引き立てる。一切の迷いがないボウイングが生む太く艶やかな音色が、大河のような流れを作る。カデンツァはクライスラー版を採用。技巧の完璧さと音楽的な深み。「鋼の意志と絹の音色」と言われたオイストラフの真骨頂!第2楽章;Larghettoは、木管群の音色は柔らかく、オイストラフのヴァイオリンと溶け合う。それでなくても美しい楽章を天上へと導く。アンドレ・セネダによるバソンの音色は、明るく鼻にかかったようで、どこか切なさを帯びたヴィブラートがあり、オイストラフの豊潤な音色と絶妙なコントラストを生んでいる。第3楽章、Rondo (Allegro)は、一転オイストラフの見事なテクニックが、飛び跳ねるロンドのリズムを刻み、力強いダブル・ストップが緊張感を高める。しかし、このコンビは、決して粗野にならず気品を保ちフィナーレへと駆け抜けてくれる。王者の風格!!ちなみにこのヴァイオリン協奏曲は、ピアノ協奏曲に編曲されている。ご存じベートーヴェンのピアノ協奏曲として完成した曲は第1番〜第5番「皇帝」の5曲だが、実は、この編曲を「ピアノ協奏曲 作品61a」として「ピアノ協奏曲第6番」と呼ぶこともある。もう一つある<Hess 15>は未完成。

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