2015年7月16日木曜日

シューマン ミニョンのためのレクイエム


今日は少し早目に帰宅できたので、シューマン「ミニョンのためのレクイエム・ミサ曲ハ短調」コルボ;リスボン・グルベンキア財団管弦楽&合唱団 を聴いています。
根っからの「原恩主義」の日本人でありながら、何故か月に1.2度は「原罪主義」の宗教曲を聴きたくなる。モツレクしかり、ブラームスのドイツレクイエムしかり。ブルックナーしかり、シューベルトしかり。音楽はやはり偉大だ。
さて「ミニョンの為のレクイエム」実は、ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」第8巻第8章からとられている。通常のレクイエムで用いられているラテン語の祈祷文ではない。厳密にいうと宗教曲とは言い難いのかも。物語の最期は「ミニョンがヴィルヘルムを愛する感情を抑え切れなくなり、激しい動悸にさいなまれながらヴィルヘルムの腕の中で天に召されるというもの。」しかし、実に宗教的色彩の強い作品です。
次に、ミサ曲ハ短調は、ロマン派の宗教音楽の完成者であるブルックナーへとつながる貴重な作品であろうか。
シューマンらしく非常に重苦しいキリエから始まる。
キリエの最期の和音ハ長調を受け継いだグロリアは、高らかに謳い上げる。途中のソプラノ独唱部は非常にロマンチックで美しい。最後はテノール先導の壮大なフーガ。
クレドは、変ホ長調で始まるが、静かにハ短調へ。そして突如ハ長調へ転換。キリストの死と甦りを見事に表現したのであろうと思う。
オッフェルトリウムは、オルガンとチェロが美しいソプラノの独唱を支える。
サンクトゥス は、「聖なるかな」をシューマンらしく厳かに静かに謳う。そして消えゆくと思いきや高らかに「栄光」を。悲しげなト短調のテノール独唱、優しく歌う変ホ長調のバス独唱。最後はソプラノの先導によるアーメン「フーガ」。
終曲アニュスデイ。ハ短調でやはりシューマンらしく、もの悲しい始まり。でも美しい。最後は・・・ハ長調で静かに終わる。
こういう平日があっても良いかも。

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