2016年6月19日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第22番_カサドッシュ

先月くらいから兆候はあったのだが、昨日、「VAIOが死亡」。朝から新しいパソコンを購入し再設定やアプリの再インストールなどで時間がつぶれる。foobar2000の再設定、楽曲の再インストールに一番時間がかかったが、何とか元の状態に。
そんなわけで今週末初めてとなる今夜の一枚は、モーツァルト ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482。カサドッシュ:セル+コロンビア響(1959録音)で。
22番は、20番・23番という金字塔の名曲に挟まれている。
そしてもう1曲の21番が、スウェーデン映画「みじかくも美しく燃え」により一世を風靡したアンダンテが有名なため、隠れた存在になっている。しかし負けず劣らず名曲である。。
何といっても、クラリネットを初めて使用したピアノ協奏曲。
第一楽章、同じ変ホ長調であるK.132のシンフォニー(19番)とほぼ同じ旋律の冒頭は魅力的かつ極めてシンフォニックな響き。そしてフルート、クラリネット、ファゴット、ホルンとつながる木管・金管群と弦の音色の繰り返しにうっとりします。流れるようなピアノの音の粒はカサドシュならではの一音も無駄にしない柔らかさ。セルの縦線をキッチリと合わせ、バランスを整えたサポートがピアノを一層引き立たせています。
第二楽章、ハ短調のアンダンテは、モーツァルトの持つ内面の悲しみが零れ落ちそうな甘美なフレーズで始まる。ただ、いつもの緩徐楽章には見られないドラマチックな中間部を木管群が歌うことにより、よりピアノのもつ深い悲しみの音色を際立たせています。わずか8分程度のこの中間楽章は、インヴェンション風のピアノのパッセージや、管弦楽組曲を思わせるフレーズなど様々な工夫がちりばめられており、その魅力的な構成に思わず唸ってしまいます。
第三楽章は、映画「アマデウス」でも使われた、明るいウキウキしたリズム感あふれるアレグロ。そして白眉の中間部はアンダンテ・カンタービレ。クラリネットの甘い囁きは、癒しの極致。歌劇《フィガロの結婚》も同時期に作曲していたことがよくわかります。そして再びアレグロのリズム。高音のトリルが魅力的すぎます。
これほど面白い22番がなんとなく愛おしいのは私だけではないでしょう。「アモーレ!!」

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