月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第17回目となります。
①クレンペラー②サバリッシュ③ヤルヴィ④ジュリーニ➄セル⑥コルボ⑦アーノンクール⑧ケーゲル⑨ロバート・ショウ⑩アクサンチュス⑪コッホ⑫ヘレヴェッヘ⑬シノーポリ⑭クーベリック⑮バレンボイム⑯レヴァインン
第17回目は、ケンペ:ベルリンフィル+ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂合唱団(カール・フォルスター)、エリーザベト・グリュンマー(ソプラノ)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)<1955年録音>です。
重厚かつ敬虔なケンペの名盤。代表的な1枚であるクレンペラー盤での合唱が今一つ気に入らないという諸氏は、是非こちらを!
ゆっくりとしたテンポでの弦楽群の低重心の歩み、金管群の眩いばかりの輝き、木管群の優しさ、コーラス群の深い響きとケンペの歌心が堪能できます。特に第2曲、変ロ短調で始まる重苦しい出だしと変ト長調へ移行しブラームスが時折見せる暖かみのあるフレーズへの変化、後半アレグロでのフォルテなど聴きものかと。
第3曲、若きフィッシャー=ディースカウのモノローグの緊迫感は群を抜いています。やはり余人をもって代え難いものがあります。ケンペは、ドラマチックな演奏で支えます。
第4曲、Selig動機の変奏であるこの舞曲は、柔らかく心安らぐものであって欲しい私です。このケンペのように。
第5曲、グリュンマーの透明さと凛とした歌声は素晴らしい。特に憂いを含んで伸びてゆく響きがたまりません。
第6曲は、大フーガへ向けてゆっくりとしたテンポで歩みつつ、うねりまくる弦楽群と咆哮する管打!が聴きものです。力強く、ある時は優しく、そして華麗につながってゆく賛歌。最後のフォルテにいたるまでの、ケンペの構築する「変化」が見事に表現されています。「ドイツレクイエム」にとってこちらも貴重な一枚です。
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