堤剛+コシュラー:チェコフィルハーモニー(1981年録音:プラハ芸術の家)。まず、このCDのプロデューサーは大賀典雄氏であると聞いたことがあります。(間違っていたらすいません)録音も素晴らしいです。
さて、序奏を聴いただけで、実はこの演奏の虜になりました。
ノイマン時代のチェコフィルにコシュラー!!深い弦楽の響き、あの哀愁を帯びた第二主題のホルンの朗々さ、木管の煌き。おちついたシンフォニックなトゥッティ。コシュラーはやはりいいです。
日本の第一人者たる堤氏も負けてはいません、線が細いとコメントされているのを見かけますが、どうしてどうして格調高く、ある時は艶を膨らませた実に好きな演奏です。
郷愁に満ちた第2楽章、木管のまろやかな響きに誘われてチェロが応える冒頭は実に美しい。中間部へ向かう直前のオーケストラの見せる毅然とした一瞬の爆発力。コシュラーの凄みを感じます。
ドヴォルザークの「泣き」のメロディーをチェロとオーケストラの掛け合いで紡いでいく面白さを十分に感じ取ることができます。
堤氏の高音部の美しさも格別です。
舞曲風のワクワクした冒頭のオーケストラから各楽器の魅力全開の面白さをもつ終楽章は、チェロとの掛け合いが見事に融合されており、管楽群の明るさが、ボヘミアンなローカル色を醸し出すだけでなく、哀愁を帯びたチェロと絹のような弦楽群の美しさを堪能できます。コシュラーは、もっと演奏を残してくれればよかったです。
マイベストは、フルニエ:セルですが、こちらも貴重な一枚です。
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