シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 op.5を聴く。
この曲の愛聴盤は、ルプー、プレヴィン+ロンドン交響楽団。
しかし、今日は原点と言うべき一枚。リパッティ、アンセルメ+スイスロマンド管弦楽団(1950年2月ライブ録音)を久しぶりに聴こう。もっとも定番なのは48年のカラヤンとの共演だが、その評判には首をかしげなくてはならなかった。このライブ録音が残っていたおかげで、たとえ録音が悪くともリパッティの本当の凄みを知ることができた一枚である。もちろん、前日には40度の高熱があり、医師が止めるのも聴かず行った演奏会ということもあるだろう。しかし、いささかもそんな苦痛を感じさせない演奏だ。何気ないフレージングで見せる悲哀、情熱、硬質なピアノタッチの奥に見せる抒情。アンセルメは、リパッティの如何なるフレージングにも素早く対応する。これを寄り添うというのであろう。
魂を揺さぶる演奏とはまさにこのようなものなのだろう。
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