今日の一枚。カッチェンによるブラームス ピアノコンチェルト。
1番は、モントゥー:ロンドン交響楽団(1959年録音)、2番はフェレンチク:ロンドン交響楽団(1960年録音)。
「カッチェンといえばブラームス、ブラームスといえばカッチェン」なのだが、意外にデビューは「モーツァルトのK.466」らしい。といっても10歳の時なのだが。その素晴らしさに、オーマンディ、バルビローリと立て続けに、10歳のカッチェンと23番の演奏をしたそうである。
さて、今日はモントゥーを迎えての1番を紹介したい。(カッチェンはブール、コンヴィチュニーとも録音している)
出だしから男気溢れるのモントゥー(83歳)の音作り。それに負けない若さと情熱溢れる32歳のカッチェンの硬質なピアノは圧巻。独特のルバートと予想以上の鍵打。弱音やアルペジオの柔らかさ。こうあるべしという言葉しか見つからない。
それにしてもモントゥー爺さんの迫力は凄まじい。これは24歳のブラームスの作品なのだ。この爺さんには、やはり老齢という言葉は存在しないのだ。
カッチェンの白眉は第2楽章。決して甘ったるくならず、ブラームスの精神性と相対するクララに対する真っすぐな情感を上手にとらえている。だからカッチェンのブラームスはやめられない。モントゥーの重すぎないサポートもさすがだ。
終楽章のピアノから始まる一気呵成のロンドはカッチェンのリードでテンポが刻まれる。第一副主題でのチェロとの掛け合い、第二副主題の弦楽の美しさが堪らなく好きだな。
そんなわけで、2番はまたの機会に・・・。
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