マーラー 交響曲第4番ト長調、ホーレンシュタイン(c)ロンドンフィルハーモニー管弦楽団、 マーガレット・プライス(S)【1970年録音】を聴く。ホーレンシュタインと言えば3番だが、この4番もなかなかの名盤。副題に「大いなる喜びへの讃歌」と付けられている(誤用だったが)。しかしワルターもこの曲について「天上の愛を夢見る牧歌である」と表現しているように明るく瑞々しい音楽だ。第1楽章、ホーレンシュタインのテンポは極めてゆったりだが軽やかさは失われていない。第2主題のチェロの美しさはひとしお。第2楽章、ヴァイオリンの2度上げ調弦でコケティッシュな音色が奏でられるスケルツォ。ホーレンシュタインのテンポはここでもゆったりだ。第3楽章は白眉。最も美しく慈愛に満ちたメロディ。しかしこの幸福感に満たされた楽章の最後にマーラーは非常に驚くべきコーダを添えた。祈りが天に届かんとするその静寂の中、突然fffでホ長調の主和音がトランペットとホルンによって鳴り響く。終楽章、マーガッレット・プライスの歌声は、牧歌的な雰囲気で美しく歌い上げた後、見事に連酷・淡々とその表情を変え最後は幸福感に満ちた歌声に。盤石です。コントラバスとハープの最低音で終わる3音を欠いたエンディングは何を意味するのだろうか?
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