2020年7月18日土曜日

シューマン 交響曲第3番「ライン」_ジュリーニ



シューマン 交響曲第3番変ホ長調「ライン」、ジュリーニ:フィルハーモニー管弦楽団(1958年録音)にて聴こう。ご存じジュリーニのシューマン交響曲は「ライン」の録音しか見当たらない。「ライン」のジュリーニと言えば、「ロスフィル版1980年録音」が名盤として名高いが、私はこちらがお気に入りだ。しょっぱなから44歳の<男気>ジュリーニの颯爽とした音作りで幕開けする。ジュリーニはすでにフィルハーモニー版で、「マーラー改訂版」の採用による分厚いオーケストレーションを実現している。男ジュリーニのキビキビさ、金管の強奏・ティンパニーの迫力による躍動感、奔流のような推進力。と思いきやこれぞジュリーニを感じさせる感情移入に寄らない気高い旋律の歌いまわし、清冽なカンタービレ。すでにジュリーニはジュリーニだ。特に肝となる第4楽章の重層感は最高。そして2年前にデニス・ブレインは去っているのに、この時代のフィルハーモニー管のホルンは抜群に味があることも付け加えておきたい。

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