2020年7月22日水曜日

ブラームス ヴァイオリン協奏曲_バティアシヴィリ



ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP.77、リサ・バティアシヴィリ、ティーレマン:ドレスデン・シュターツカペレ 【2012年録音・ルカ教会】を聴く。
ドレスデンの豊潤な響きが、バティアシヴィリの美音を支える。バティアシヴィリは、日本音楽財団よりストラディバリウス1709年「エングルマン」、1715年「ヨアヒム」を貸与されていたが、この演奏では「ヨアヒム」を使用している。なお現在は、グァルネリ デルジェス1947年「ドナルドソン」を使用している模様。第1楽章、冒頭の第1主題は、朗々。低重心の弦楽群がコデッタを力強く下降してリサの独奏が情熱的に応える。リサは、美音でありながら線もしっかりしており、重音奏法でも濁らず。カデンツァは、「ブゾーニ」版という珍しいもの。(「ヨアヒム」使用してるのに・・・)これは、ティンパニーが先に入り、オーケストラの伴奏が入るもので、ルッジェーロ・リッチ、イザベル・ファウストしか聴いたことがない。第2楽章、オーボエの響きが綺麗。リサは、コロラトゥラのアリアを自在のテンポで揺らす。ある時は溜め、ある時は堰を切って。オーケストラはしっかりついてくる。これは、リサのテンポなのかティーレマンのテンポなのかわからない。第3楽章、軽快なロンドをキレをもって颯爽と駆け抜ける。重音音型でもやはりしっかりと美音を保つ確かな技術で弾き切る。SKDの厚みのあるサポートを受けた名演といえるだろう。

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