2024年12月31日火曜日

シューベルト ピアノソナタ17番_カーゾン

のんびり大晦日、シューベルト ピアノソナタ17番 二長調 D.850をクリフ・カーゾンにて聴く(1963年録音)。 D.850を見て「大島!」とつぶやいたアナタには、「ハルキスト」の称号を与えよう!!そしてハルキストたちは、こぞってD.850を聴いて途中で挫折したであろうことは想像に難くない。

さすがにドライブ中に私はシューベルトのソナタは聴かないが。 



2024年12月28日土曜日

ブルックナー 交響曲7番_ショルティ

今年も最終30日は有給休暇としたので、本日より9連休。

ブルックナー 交響曲第7番ホ長調 ショルティ:シカゴ響(1986年、メディナ・テンプル録音)で聴く 



2024年12月7日土曜日

ワグナー 歌劇「リエンツィ」序曲_パイタ

愛聴曲、持っている中で最も速い ワグナー 歌劇「リエンツィ」序曲、カルロス・パイタ;オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(1972年録音)で聴く。パイタにしては、あっさり君。



2024年11月30日土曜日

ドヴォルザーク 交響曲8番_ジュリーニ

 ジュリーニは、ドォボ8が、超お気に入りだったらしい。正式録音だけで3度も行っている。1回目がこのフィルハーモニア管:1962年、2回目は、シカゴ響:1978年、そして3度目がコンセルトベボウ管:1990年だ。EMI,DG,SONYといずれも違うレーベル。そしてもちろんのこと、どんどんテンポは遅くなっている。ということで、8番は、もっとも速い48歳のジュリーニで聴こう。1楽章の溌溂とした躍動感と得意の歌心が堪能できる。そして3楽章、とてもallegrettoとはいえないが、ジュリーニなら想定の範囲内の速さ。60年代前半の良きフィルハーモニア管の響きが聴ける1枚。



2024年11月29日金曜日

フォーレ レクイエム_ジュリーニ

昨夜、NHK:Eテレ「クラシックTV」でフォーレが没後100年ということで、とり上げられていたので、久々に「レクイエム」を聴きたくなった。ジュリーニ:フィルハーモニア管弦楽団&合唱、ティモシー・ファレル(オルガン)、キャスリーン・バトル(ソプラノ)、アンドレアス・シュミット(バリトン);1986年ロンドン、ワトフォード・タウン・ホール録音)。リリック・コロラトゥーラの女王バトル・宮廷歌手の称号を持つシュミットを揃えての、ジュリーニの熟年の棒さばきにより崇高かつ慈愛に満ちた「レクイエム」。4曲のバトルの透明感ある歌声、6曲シュミットの決然とした伸びやかな声、見事です。 




2024年11月17日日曜日

ブラームス 交響曲2番_モントゥ

 ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 Op.73 、名盤モントォー;VPOで久しぶりに聴こう。(1959年録音)。3年後にLSOとも録音しているのだが、「やはり私はこちらに軍配をあげる」。第1楽章提示部は両盤とも繰り返しだ。ホルンの響きはVPOならでは。第2楽章の管とチェロのバランス(チェロ大き目)はこれぐらいが好きだ。弦楽群のブラームスを熟知した響きもVPOならではか。

終楽章、不自然な速度変化なしはさすがだ。


2024年10月27日日曜日

ブラームス ピアノ協奏曲第2番_コヴァセビッチ:サバリッシュ

 ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83、「5つの歌曲 Op.105」、コヴァセビッチ(Pf)サヴァリッシュ:ロンドンフィルハーモニー交響楽団、(MS)アン・マレイ(1993年・1994年録音)を聴く。コヴァセビッチは、名前は東欧系だがアメリカ人だ。かのアルゲリッチの3人目の旦那である。(もちろん離婚)鋭い打鍵にサヴァリッシュの重厚なサポートが光る。第2楽章が珠玉。第3楽章、美しいチェロの響きがいい。コヴァセビッチのピアノは、少し引きずるようなタッチで、昏き夢想感を際立たせる。終楽章は一転して歯切れよく伸びやかなタッチで晴れやかな高揚感を表現する。

「5つの歌曲」が何故このアルバムに選ばれたのか。
<2曲目:わがまどろみいよいよ浅く>にこの2番の第3楽章のチェロの主題が短調で使われているからだ

ろう。アン・マレイの声は、ブラームスにマッチする深みのあるいい声だ。


2024年10月20日日曜日

ヴィヴァルディ 四季_バーンスタイン

 ヴァイオリン協奏曲集『四季』レナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィルメンバー(1963年録音)レニーがチェンバロの「弾き振り」をしている『四季』から「秋」「冬」を楽しむ。ヴァイオリンはニューヨーク・フィルのコンサートマスター:ジョン・コリリアーノ。この録音、イ・ムジチが名を馳せたちょうど同じ頃なんだなぁ。



2024年10月12日土曜日

チャイコフスキー 管弦楽集_アバド

 ベルリン・フィル;アバドによるチャイコフスキー 管弦楽集を聴く。オタク的に集めている序曲「1812年」だけを聴くつもりだったが、結局全部聴いちゃいました。

1. 幻想曲 《テンペスト》 作品18
2. スラヴ行進曲 作品31
3. 幻想序曲 《ロメオとジュリエット》
4. 大序曲 《1812年》 作品49
今日は、午前中は、ドジャースVSパドレスの最高の日本人対決の投手戦を視聴してからの洗車and音楽でのんびり。せっかくの3連休だし明日はでかけてみようかなぁ。
ジュリエットといえば、やはりオリビア・ハッセーだな。


2024年8月31日土曜日

ブラームス 交響曲3番_コリン・デービス

 YOUTUBEで良きものを見つけた。1992年11月4日日本公演サントリーホールでの演奏。3番だけにペータ・ダムさん、何度もアップで登場します。絶妙なアゴーギクに酷のある木管群の響き、弦楽群の表情の豊かさ、良き演奏です。

https://www.youtube.com/watch?v=e2hLzPC40R8



2024年8月17日土曜日

マーラー 交響曲第9番_バルビローリ

 4連休の3日目、昨日までの旅行の疲れを取り、洗車後のひととき。こちらを聴いてます。「バルビローリ:ベルリン・フィル」、ベルリン・フィルにとって初の「マーラー:交響曲第9番」の録音 (1964年録音;ベルリン・イエス・キリスト教会)。1960年代カラヤンはまだマーラーを知らないというか無視というか・・・(1973年が最初)。ということでベルリン・フィルのメンバー達の、たっての希望から録音が実現されたのがこの名盤。



2024年8月10日土曜日

クレツキのベートーヴェン全集より

 「かみさん実家へ帰る」。本日より2日間お留守番なので、スプラフォン名盤「クレツキのベートーヴェン全集」で、一人チクルス。まずは、「エグモント」序曲 Op. 84、コリオラン序曲, Op. 62の凄演からスタートだぁ。序曲-偶数-奇数の順でいこう!!



2024年7月28日日曜日

シューベルト 交響曲第3番&4番_マルケビッチ

シューベルト 交響曲第3番&4番を聴こう。マルケビッチ:ベルリン・フィル 1954年録音)。53-54年のモノラルに集中するマルケビッチ、ベルリン・フィルの録音の一部。カラヤンが最強に恐れたと言われるマルケビッチの録音は以降行われなかったのはやはり何かあるのでしょうか。「展覧会の絵」や「悲愴」といった名演奏もこの時期です。 




2024年7月12日金曜日

メンデルスゾーン 交響曲第2番_ヤルヴィ

 本日は、有給休暇取得。朝から、昨日大学時代の友人から送ってもらったP.ヤルヴィ;トーンハレ管弦楽団の「メンデルスゾーン交響曲全集」より、H氏が愛してやまない交響曲第2番変ロ長調OP52、MWV A 18を聴いています。<2023年録音>(ちなみに私はほとんど3番と5番しか普段は聴かないが)。

この2番(作曲順で行くと4番目)は、、交響曲としては実にユニークである。2部構成で、1部(シンフォニア)と2部(カンタータ)とに分かれている。「讃歌 - 聖書の言葉による交響カンタータ(Sinfonie-Kantate)」と名付けられている。1曲目、序奏部の3本のトロンボーンによる、なんとも祝典的ながら牧歌的なメロディがこの曲のモチーフとして曲全体を支配ているだ。「セグエンツ」を繰り返しながら。久しぶりにかの「モチーフ」(ファ〜ソ〜ファシシシ〜ド〜ミ〜レレ〜)聴かせていただきました。


2024年6月8日土曜日

モーツァルト 交響曲第29番_カンテッリ

 グイード・カンテッリのBOXから今日は、これを聴いている。

モーツァルト 交響曲第29番イ長調 K.201(K6. 186a)/ フィルハーモニア管(1955年録音/EMI盤)。50年代とは思えない心地よいテンポからくる躍動感。軽やかさを持つ疾走感。この「Allegro moderato」を聴くと他のテンポはすべてが嘘に聴こえてしまうだろう。ワルター然りクレンペラー然りベーム然り。





2024年6月2日日曜日

シューマン 交響曲第4番_テンシュテット

 夕方より、雨模様で雷まで鳴りだしたので、何となくシューマン 交響曲第4番ニ短調OP.120、 テンシュテット:BPO(1980年)にて聴く。テンシュテットを持ってしても1980年代のベルリン・フィルのカラヤン化された弦楽の響きは如何ともしがたしか。しかし、失われていない低弦の深みを活かしての得意の重戦車風の推進力、管楽群のエネルギー爆発させ能力を発揮しての音楽づくりは流石だ。それにしてもこの4番にカラヤン・レガートは邪魔だ。



2024年6月1日土曜日

ブルックナー 交響曲第8番_マゼール

 マゼール:バイエルン(1999年:ガスタイクライブ)にて、これ聴いてます。マゼールは、1890年ノヴァーク版です。すなわち第2稿ノヴァーク版。






2024年5月11日土曜日

モーツァルト 交響曲第31番「パリ」_ホグウッド

 本日は、午前中はガーデニング作業と洗車、午後からは、音楽鑑賞。パリ五輪も近づいて来たことだし、ホグウッド;モーツァルト交響曲全集から交響曲第31番 ニ長調 K.297 (300a)『パリ』でも聴こうか。(なんの関係もないが)クラリネットを初めて採用した完全な2管編成。これは、その後も35番「ハフナー」でしか採用されなかった稀有な編成だ。また、モーツァルトには珍しく、依頼者の要望により2楽章では第2稿を書いて仕上げたことである。その依頼人であるジャン・ル・グロが支配人を務める「コンセール・スピリチュエル」にて初演が行われた。ホグウッドは、初稿で演奏です。<全集の場合、1稿・2稿ともに収録されている場合が多いが>。華麗でダイナミックな第1楽章、クラリネットは第2主題で登場しますよ。それにしても(マンハイムの花火)や(マンハイムの閃光)(マンハイムのシュライファー)(マンハイムのローラー)(マンハイムのクレッシェンド)(マンハイムのため息)などなど・・・「パリ」当時のマンハイム楽派の特徴を取り入れた実に面白いシンフォニーだ。




2024年5月4日土曜日

ショパン ピアノ協奏曲第1番_ポリーニ

 ポリーニが亡くなって1ヶ月以上経つのか。1960年3月、18歳で第6回ショパン国際ピアノコンクールで満場一致で優勝してすぐに、4月20,21日にパウル・クレツキ / フィルハーモニア管とEMIのアビイロード第1スタジオで行われた出色の録音を聴く。ポリーニの若々しくも硬質なピアノの美しさ。キラキラと輝く爽快な音運び、流れるようなタッチがまざまざと蘇る。この後、10年間は活動をやめた青年ポリーニの貴重な録音だ。



2024年4月20日土曜日

フランク ヴァイオリンとピアノのためのソナタ_エリカ・モリーニ

 フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 (Vn)エリカ・モリーニ (P)ルドルフ・フィルクスニー (1961年録音)を何気に聴いてみたりする。



2024年3月30日土曜日

ワグナー 舞台神聖祭典劇「パルジファル」_クナッパーブッシュ

 昨日(聖金曜日)は、「飲み会」だったので1日遅れではあるが、こちらを鑑賞。(クリスチャンではないので許されよ!)

ワーグナー: 舞台神聖祭典劇「パルジファル」。クナッパーブッシュ;バイロイト 1962年盤。


2024年3月10日日曜日

シューマン ピアノ協奏曲_カッチェン

 シューマン ピアノ協奏曲イ短調OP.54,カッチェン;ケルテス<イスラエル・フィル><1962年録音>にて聴く。奇しくも40代前半で命を落とした2人の演奏。冒頭のカッチェンの決然さに応えるケルテス。続く第一主題では、さほど甘くないオーボエの主題を受けるカッチェンのピアノが、ロマンの香気とメランコリーの息吹を吹き込む。この第一主題はダーヴィト同盟員としてのクララの名前である「キアリーナ Chiarina」の綴りを音名変換(CーHーAーA)で有名だ。カデンツァのカッチェのピアノは、重ねられた和音の豊かな音色を余すことなく表現し、トリルを伴った繊細で儚い響きもお茶の子さいさい。緩徐楽章では、イスラエル・フィルの極上の弦楽群(チェロ)を堪能できる他、伴奏に廻ったカッチェンの優しい響きを相伴に預かる事ができる。終楽章、カッチェンの軽やかな指の鍵盤の行き来が見えるようだ。煌めくようなピアノの旋律、満を持してのオーケストラの絡み合い。激しさの中でも透明感を失わないカッチェンの珠玉の一枚です。




2024年2月24日土曜日

グリーク ピアノ協奏曲_アンダ

 グリーク「ピアノ協奏曲イ短調 Op.16」ゲザ・アンダ(p)クーベリック;ベルリンフィルハーモニー(1963年録音)で聴く。

この曲の聴きどころは、何と言ってもアンダの透明感にあふれ、硬質な音色だろう。シューマンと同じイ短調で書かれたこの曲は、なんと400回も修正がされたものらしい。我々が聴いているのは初稿から40年間修正続けてきたもののようだ。第1楽章、カデンツァのアンダの燦めくような音は素晴らしい。ブラームスで見せた豪快な拳打も聴きものだ。第2楽章は、弱音器をつけた弦楽群から始まり、トランペット、木管群、ホルンと感傷的なフレーズが奏でられピアノが引き継ぐ。アンダの優しさ・繊細さが滲み出る白眉の場面。第3楽章、決然とした民族舞踊的なフレーズに合わせ、歌うピアノ、中間部のカールハインツ・ツェラーのフルート独奏は軽やか。終盤にかけての「雪崩式ブレンバスター的」な白熱の場面でも、アンダはブレることなく確実な拳打でそのロマンティシズムを見せつけてくれる。クーベリックは、表情の豊かさに重きをおいた見事なサポートでした。


2024年2月18日日曜日

シューベルト 交響曲第5番_サヴァリッシュ

 シューベルト 交響曲第5番変ロ長調 D.485、サヴァリッシュ;ドレスデン・シュターツカペルレ(1967年録音)。

5番は、モーツァルトの和声を色濃く模し、如何にモーツァルトが好きだったかがわかる名曲だと思っている。
その中で、第1楽章のテンポがあまりにも違いすぎる曲も珍しいが、少なくともallegroを感じさせないものはいかに巨匠であっても、「モーツァルティアン」としては聴くに値しないと思っている。ワルターやベームだとしても。そこで今回選んだのは、サヴァリッシュでした。さて5番の楽器編成:フルート1,オーボエ2,ファゴット2、ホルン2,弦楽5。楽章テンポは、(1)Allegro(2)andante(3)menuete&tiro allegro (4)allegro 。ハイハイもう答えは出てますね。文字通りモーツァルト40番ト短調交響曲まんまです。29番K.201の優雅さを備えた第1楽章、モーツァルトのピアノ協奏曲の緩徐楽章のような優しくかつ仄暗さを持つ第2楽章、40番K.550のオマージュとも言える第3楽章、変幻自在の終楽章。魅力的な作品です。
サヴァリッシュのメリハリのある構成、ドレスデンの木管群の美しさ、この曲にぴったりです。


2024年2月10日土曜日

マーラー 交響曲第2番「復活」_小澤征爾


 https://www.youtube.com/watch?v=rLt9tyCH4t4

1995年6月14日、長崎浦上天主堂にて行われた,「小澤 征爾 平和への「復活」コンサート」小澤征爾指揮,新日本フィルハーモニーによる,マーラー「復活」、(メゾソプラノ)フローレンス・クィーヴァー、(ソプラノ)キャスリーン・バトル。オーケストラ・メンバーには友情参加としてボストン交響楽団員,シカゴ交響楽団員が加わり,合唱は,コンサートのために特別編成された「長崎復活コンサート合唱団」並びに「東京オペラ・シンガーズ」,「成城合唱団」を視聴。安らかにお眠りを。

2024年2月9日金曜日

マーラー 交響曲第6番「悲劇的」_ラトル

 マーラー 交響曲第6番「悲劇的」、若きラトルとベルリン・フィルの初共演(1987年ライブ)にて聴く。2002年にシェフに就任する15年前の貴重な一枚。2.3楽章は、アンダンテ・スケルツォの順番。2018年、ベルリン・フィル退任ラスト・コンサートもこの6番、順番はアンダンテ・スケルツォでしたね。



2024年2月3日土曜日

サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」_オーマンディ

 本日カミさんは、実家に帰省。一人で大音響で聴きたい曲がある。サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 op.78「オルガン付き」、オーマンディ、フィラデルフィア管弦楽団、(Or)エドワード・パワー・ビッグス<1962年:録音>。オーマンディの18番とも言うべきこの曲の2度めで、当時、人気を博していたエドワード・パワー・ビッグスをオルガニストに招いての録音。グレゴリオ聖歌「ディエス・イレ」を循環主題にしたこの曲のドラマチックさと、主題が変わっても裏で細かい音型を刻みながら動き続ける部分が妙に心を揺さぶられる。第1楽章後半で静かなオルガンの響きに導かれ登場する弦楽群の調べの美しさも捨てがたい。第2楽章、フィラデルフィアサウンドの真骨頂。地柄強い弦楽群、跳ね回る木管群、そしてサン=サーンスならではの、ピアノのIN。美しい弦楽器の調べが静かにながれ、低弦群がおさめるといよいよ後半部、劇的なオルガンの響き、水面のきらめきのような4手のピアノの循環主題。ハリのある金管群。緊張感のあるフーガと牧歌的な木管群の主題が交互に現れながら、その中を循環主題が壮大なコラールのように奏でられていく。フィラデルフィア管は、全く弛緩せず壮麗さを保つ。はい、名盤です。



2024年1月28日日曜日

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」_モントゥー

 ベートーヴェン 交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」、モントゥー;ウィーンフィル<1957年録音>を聴く。

颯爽たる第1楽章、咆哮と悲しみの第2楽章、うねりの第3楽章、そして瑞々しい終楽章。モントゥー爺さんの生命力あふれる「英雄」。抜群の安定化です。さて、モントゥーの第1楽章コーダ部分でトランペットが途中で消える部分がある。これは、コンセルトヘボウ管との演奏もだ。実はベートーヴェンの時代は、トランペットではよく聴く高音が出せなかったらしく、途中から他の楽器にバトン・タッチするように書かれたものらしい。モントゥーはそれを忠実に行っているのだ。実に面白い。


2024年1月20日土曜日

モーツァルト レクイエム_イッセルシュテット

 モーツァルト「レクイエム」、イッセルシュテット;北西ドイツ放送交響楽団・合唱団(1952年録音:THARA)を聴く。

リーザ・デラ・カーザ – Lisa Della Casa (ソプラノ)
マリア・フォン・イロスヴァイ – Maria von Ilosvay (コントラルト)
ヘルムート・クレープス – Helmut Krebs (テノール)
ゴットロープ・フリック – Gottlob Frick (バス)
イッセルシュテットならではの緊迫感のある硬質な仕上がり。錚々たるソリストを揃えての隠れた感動の名盤。


2024年1月19日金曜日

シューマン 交響曲第3番「ライン」_コンヴィチュニー

 有給休暇につき、シューマン 交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」,コンヴィチュニー:LGO<1960年録音>にて聴いてます。

そういえば、先週の日曜劇場「さよならマエストロ」の主題曲、予告編からこの「ライン」かと思っていましたが違いました。
挿入曲も当該ドラマではあまりクラシック音楽は使用されてませんでした。残念!!
ちなみに、この「ライン」以外では、
ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ「狩り」、
バグリー:行進曲「国民の象徴」
ベートーベン:交響曲第5番「運命」のみ。
いずれも演奏として登場しただけでした。
さて、コンヴィチュニー:LGOの「ライン」ですが、くすんだ弦楽群、ホルンも古色騒然、これこそがこの曲のイメージの音。どこかの帝王みたいにピッチをギリギリまで上げて、大吟醸なみに磨いてしまうと良さが損なわれてしまんですわ。そしてスーパーインテンポな堂々たるコンヴィチュニーの凄み。重厚にして壮大。仄暗く底光りのする渋いオーケストラの響き。好きです。




2024年1月3日水曜日

ブラームス 交響曲第1番_ボールト

 2024年、毎年恒例ブラームス 交響曲第1番での聴き始め。今年の選択は、エイドリアン・ボールト;ロンドンフィルハーモニー管弦楽団(1972年録音)。

ボールトの音楽性に惚れたメニューインがコンサートマスターとして参加。もちろん第2楽章のソロも担当している。

重厚感あるただただ正確なアーティキュレーションで響く冒頭主題が素晴らしい。提示部をリピートしている珍しい録音でもある。あくまでインテンポで進む無骨なブラームスが光る。