モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調 K. 364(K6. 320d) を聴こう。モーツァルト中マイベスト5に入る曲だ。今日は、繊細かつ甘美な音色が持ち味のオーギュスト・デュメイとハーゲン弦楽四重奏団の創設メンバーのひとりでヴィオラ奏者ヴェロニカ・ハーゲンでいこう。オーケストラは、ザルツブルク・カメラータ・アカデミカ。協奏交響曲 sinfonia concertante とい_
dhimeiうジャンルが当時パリやマンハイムで流行していてモーツァルトも手掛けたが残念ながら完成され残っているのはこの曲のみである。独奏ヴィオラはスコルダトゥーラ(半音上げの調弦)が指定されており、楽譜は逆に変ホ長調の半音下のニ長調で書かれている。これにより独奏ヴィオラは張力が増し響きが華やかになると同時にニ長調により多くの開放弦(ソ・レ・ラ・ミ)で倍音が増すのだ。2つの楽器が同等になることでクッキリと音色を浮かび上がらせる工夫がなされている。
第1楽章は、意気揚々とした雰囲気で始まります。独奏ヴァイオリンとヴィオラの登場では、オークタブ離れた2つの楽器が同時にメロディを演奏するので独特の輝きがあります。
実はこの第1楽章にある独奏、一瞬ですが映画「アマデウス」で使われています。サリエリが楽譜を落とすシーンと言えばわかる人もいるかと。
さて第2楽章、この曲の肝です。(2枚目写真冒頭楽譜)これほど深い憂いに満ちた旋律があるのでしょうか。それでいて優しさに包まれているような感覚。この第2楽章が私がモーツァルトに心酔した一番の要因です。これこそがモーツァルトの真骨頂だからです。
第3楽章は、一転してプレスと表記の華やかなロンド。短いながら2つの独奏の掛け合いが面白い。ある時は寄り添い、ある時はヴィオラが先を行くのが面白い。
やはりかけがいのない1曲である。
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