2026年8月25日火曜日

シューマン 交響曲第4番_サヴァリッシュ

 シューマン 交響曲第4番ニ短調OP.120、サヴァリッシュ(C)Staatskapelle Dresden<1972年録音>を聴こう。

4番は、ご存じ実際は2番目に作曲されたものである(1841年版)が,10年後の1851年に大幅な改訂を経て出されているので4番(1851年版)となっている。こちらもそうだが、大半がこの1851年版にて演奏・録音されている。1841年版は、ピリオド演奏が流行しだして少しずつ増えている。アーノンクールやガーディナー、ノリントンなどである。ちなみに、ガーディナーはLSOでモダンも録音している。サヴァリッシュもウィーン交響楽団と演奏した1841年版の録音があるらしいが、私は知らない。

(画像の教会は、録音がなされたドレスデン:ルカ教会である)

サヴァリッシュ盤は、「ドイツ・ロマン派の濃厚な情感を保ちつつ、決して重くはない。構築性と激情が絶妙に両立した4番」といえよう。この時代のSDKには、暗い、柔らかい、少し燻したような弦の音がある。これが、4番にマッチしている。2楽章、クルト・マーンのオーボエがいい。オーケストラの中に溶け込みながら、そこだけ色彩を変える音。ヴァイオリンソロは、おそらくペーター・ミリング。弦楽群の中から、独奏然としておらず一本のヴァイオリンがすっと浮かび上がる感じが憎い。

真骨頂は、終楽章だ。シューマンの指示はLangsam – Lebhaft – Schneller – Presto。すなわち遅い → 生き生きと → さらに速く → Prestoと段階的に音楽を加速させる。少しずつエンジンをかいてんさせ、自然と突き進んでいく、不可逆的な推進力がサヴァリッシュの魅力だ。SKDの音色とサヴァリッシュの構築力が結実した名盤としたい。



2026年8月23日日曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第9番_アマデウス弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑮

弦楽四重奏曲第9番 イ長調 K. 169 、アマデウス弦楽四重奏団(1976年録音)「ウィーン四重奏曲」の2曲目。

注目は、第2楽章Andanteですかね。モーツァルトのアンダンテは、ご承知の通り後年になると深い憂いの色彩を持つ音楽になっていきますが、17歳のこの頃は、優雅さや透明感に若々しい無垢さを持ち合わせた音楽になっています。またA majorからD major(属調)へ移ることで、明るさを維持しながら、音色を少し変える効果をもたらしています。若きモーツァルトの素直で爽快感のある四重奏になっています。

アマデウス四重奏団は、ブレイニンの美音を中心に「4人で一つの弦楽器を演奏している」ような統一感があります。さすが気品のモーツァルトです。



2026年8月13日木曜日

モーツァルト 交響曲第38番_シューリヒト

モーツァルト 交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」、いつものシューリヒト(C)パリ・オペラ座管弦楽団(1963年録音:DENON)で聴こうか。まもなく行くことだし!! 

ついでに懐かしの「のだめ・・」のロケ風景DVDなども見たりして。まず、この録音、1963年とは思えないかなり「近接・明瞭」な録音だ。「録音の解像度」と「演奏の解像度」が素晴らしく一致している。プラハの構造を聴かせるために非常に都合のよい録音だろう。「美しいモーツァルト」から「精密に設計されたモーツァルト」へ。だからヘッドホーンで聴くようにしている。シューリヒトは、弦の動き、管との受け渡し、アクセント、フレーズの切れ目を非常に機敏に処理する。ある意味「華麗」ではない、しかし「知的で、俊敏で、推進力に富んでいる」。大好きな一枚です。



2026年8月6日木曜日

チャイコフスキー 交響曲第6番_マルティノン

チャイコフスキー 交響曲第6番変ロ短調OP.74「悲愴」、マルティノン(C)ウィーンフィル<1958年:ゾフィエンザール録音>を聴こう。フランス人指揮者がウィーンフィルでロシア物?これだけで非常に興味深い録音だ。そして、歳を重ねると、激情型の演奏でなく、このようなどこか内面的な透明感と気品のある色彩感覚の高い演奏を好んでいるのがわかる。