2021年8月19日木曜日

モーツァルト ハイドン・セット_エマーソン弦楽四重奏団

 モーツァルト 「ハイドンセット」弦楽四重奏曲14番-19番、エマーソン弦楽四重奏団(1988-1991年録音)を聴く。

弦楽四重奏曲を本格的に聴きだしたのは、このエマーソン弦楽四重奏団のハイドン「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」【2002年録音】の弦楽四重奏版のCDを購入したのがきっかけでした。さて、ハイドンがモーツァルトに及ぼした影響は大きく、「ハイドンセット」は、1785年1月15日と2月12日に、ハイドンをウィーンの自宅に招き、これらの新曲を披露し献呈した。モーツァルト自身がヴィオラを担当したとも言われている。最初に魅了されたのは、何と言っても14番第4楽章。複数のフガートが重なる時の立体感。もはや弦楽四重奏であることを忘れさせてくれる壮大な音楽。「ジュピター」の登場のはるか前に、フーガとソナタ形式の見事な統合を完成せしめていたのだ。そして、ベートーヴェンが愛してやまない18番。モーツァルトオタクのベンちゃん、彼の弦楽四重奏曲5番が凄い。イ長調の調選択、両端楽章にソナタ形式を置き中間部にメヌエットと変奏曲、そのコーダの規則的なチェロの歩み、1楽章の6/8拍子からの逸脱、終楽章副主題の類似などなど共通項のオンパレード。どこまでオタクやねん って話し。エマーソンは、ある時は陰影に富み、またある時は軽やかに。ヴィブラートを効かせた起伏に富んだ表情によってふくよかな音像を紡ぐため、モーツァルト独特の柔らかい風合いが心地よい。ピュアな音色、やや硬めに厳格なリズムの刻みなど、現代音楽が得意と評されいるが、モーツァルトに十二分に合っていると思っている。


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