2026年5月9日土曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲 第14番_エマーソン弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑩

弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387「春」。エマーソン弦楽四重奏団(1988-91録音)にて聴く。「ハイドンセット」1曲目。モーツァルトの弦楽四重奏曲で私の一番のお気に入りの曲だ。第1楽章(Allegro vivace assai):は、溌溂としてト長調の色彩が持つ、生命力にあふれた瑞々しさを感じさせてくれる。ただ、モーツァルト特有の憂いを半音階的な動きが演じ単に明るいだけでなく深みのある楽章に仕上がっている。第2楽章(Menuetto. Allegretto):は、文字通りメヌエットとトリオ置く、独創的な楽章だ。メヌエットの中心主題はpとfの急激な交替をふくみ、拍の変化も2拍目・3拍目にアクセントを置くなど面白い。そしてクロッマティックな動きがここでもみられる。ト短調のトリオ。その悲劇性をなにゆえ取り入れたのか私にはわからない。誰か教えてくれ!!第3楽章(Andante cantabile):は、息の長い、抒情的な旋律が美しい楽章だ。私は特にチェロの動きがたまらなく好きだ。第4楽章(Molto allegro):は、驚愕だ!「フガート」と「ソナタ形式」が見事に融合、第1主題、ジュピター音型を絡め、テーマがチェロから始まるのも面白い。第2主題は、フーガの厳格な動きの合間に、突如として軽快で優美な旋律、ここは第1ヴァイオリンが主旋律を歌い、他が伴奏する「主旋律+(ホモフォニー)」のスタイルだ。すなわち、厳格なフーガで始まりながら、気づけば軽やかなソナタ形式の旋律にすり替わっているという、鮮やかな「場面転換」。展開部は、真骨頂だ。第1主題のフーガがさらに複雑に絡み合い、転調を繰り返しながらドラマチックな緊張感を高めていく。そして圧巻のコーダ!激しいフーガの応酬が一段落した後、音楽は急に静まり返ります。第1楽章を彷彿とさせるような優雅で静かなフレーズが繰り返され、最後は「ささやくような弱音」で、消え入るように幕を閉じる。ブラボーブラボーだろう。エマーソンSQは、このスピード感の中でも、全声部が独立して聴こえてくる解像度の高さは目を見張るものがある。まさに、のちのK.551へつながる名曲中の名曲である。




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