2023年9月2日土曜日

ドビューシー ピアノ名曲集_モニカ・アース

ドビュッシー:ピアノ名曲集、モニカ・アース(P)1970.1971。
9月に入ってもまだまだ真夏日は続く。こちらもただただ癒し。
モニカ・アースは、パリ音楽院首席で生粋のパリジェンヌ。硬軟使い分ける繊細な粒立ちタッチ。音の余韻に音楽を感じられるドビュシーにはもってこいのピアニスト。ごっつあんです。

2023年8月30日水曜日

ベートヴェン ピアノ協奏曲第3番_タッキーノ

 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37を聴く。

ガブリエル・タッキーノ;クリュイタンス、ベルリンフィル(1962年録音:イエス・キリスト教会)にて。ともにフランス系によるベートーヴェン。(クリュイタンスはフランス系ベルギー人)タッキーノはよく知らないが、プーランクのお弟子さんらしい。クリュイタンスは、フルトヴェングラーの味が染みついたベートヴェンの録音を避けたカラヤンからベルリンフイル初のベートーヴェン交響曲全集を勝ち取った兵<つわもの>。演奏は、This is イン・テンポ。3番のもつベートヴェンの暗さを全く感じさせない美しい演奏。これほど美しい3番は他に聴かない。タッキーノのタッチは、力強さも柔らかさもどちらも兼ね備え、まさに小細工なしの正統派。クリュイタンスのサポートに支えられ、まさに隠れた名盤でした。



2023年8月26日土曜日

ブラームス ピアノ協奏曲第1番_ワイセンベルク

 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調OP.15を聴く。カラヤンのお気に入りであったがゆえに、持ち味が十分に発揮されているとは言い難かった不遇のピアニスト。そんなワイセンベルクが、1972年にジュリーニ:ロンドン交響楽団と組んでの録音。皮肉にもカラヤンがたぶん演奏も録音もしなかった、この曲。速度表記のない第1楽章だけにジュリーニにはぴったり。もちろん冒頭からジュリーニの男気炸裂。いつもながらのゆったりテンポ、風神雷神のような豪快なティンパニー!!ワイセンベルクも気合十分。スマートさをかなぐり捨てて男気と男気の勝負!でも1音1音の美しさはさすがだ。展開部、ワイセンベルクの打鍵に刺激されジュリーニが吠えてるぞ。圧巻の嵐の第1楽章だ!!第2楽章、低弦部の重厚さの中、ワイセンベルクのリリックな音色は、やさしく少女の髪をなでるかのようだ。中間部の強奏ではクリアの音で気持ちの高まりを思わせる。終楽章、出だしのバロック風のピアノのはワイセンベルクの十八番!ラストへの怒涛の競演も凄味も聴きどころ。ロマンチシズムたっぷりの名演!しかし録音悪し( ノД`)シクシク…名盤ではなし!!



2023年8月12日土曜日

R・コルサコフ シェラザード_オーマンディ

 R・コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」、オーマンディ:フィラデルフィア管、(V)アンシェル・ブルシロウ(1962年録音)で聴く。

煌めく金管群の巧さ。柔らかな弦楽群の音色。まさに往時のフィラデルフィア管にまさにぴったりの曲。ブルシロウのヴァイオリンの響きはある時はチャーミングに、ある時は野性味あふれる使い分けが良き。トランペットのギルバート・ジョンソンのトリルも聴きもの。第3曲は、白眉だ。弦楽群は、変に甘くなく、それでいてよく歌う。ヴァイオリンソロからオーボエ・ホルンとつなぎ、ハープのアルペジオを経ての月明かりの夜のような終結。ここが好きです。4曲、メリハリのある金管群、キレのあるパーカッション。終盤手前の疾走感。60年代のフィラデルフィア管は本当に凄味があります。名演とさせていただきます。



シューベルト 交響曲第8(9)番「グレイト」_ケンペ

 シューベルト 交響曲第8(9)番ハ長調 D.944「グレイト」、ケンペ;ミュンヘンフィル(1968年録音:ミュンヘン、ビュルガーブロイケラー)を聴く。

冒頭のホルンの毅然とした音がこの演奏の方針を示す。そして馥郁たる香り漂うオーケストラの響き、良く歌う弦セクション。当時のコンマスは、クルト・グントナーだ。奥行き感と臨場感を感じさせるた両翼配置の効果。推進力を秘めているが、変なアッチェレランドなどせず、インテンポで男気の終結部を奏す。第2楽章は、明快なアクセントでやや早めのテンポで展開。美しく気品あるオーボエ。再現部のアクセントとレガートの対比、劇的な静寂も素晴らしい。3楽章、主部の弦楽群の迫力、トリオでの木管群の鄙びた香りがまたいい。軽く揺れを生み出すケンペの絶妙な棒も魅力だ。白眉は終楽章、早めのテンポでこれでもかと驀進し、まさに息をもつかせないオーケストラ。突進力を持ちながら、弦楽群の刻みに一切の乱れも見せない確かさ。冗長で退屈などと言わせないケンペの見事な統率。終結部も強烈な推進力とパワーを持ちながら、インテンポを貫き通す愚直さ。統率された豪放!まさに名演!!です。


2023年8月6日日曜日

ドヴォルザーク 交響曲第8番_ドラティ

 相変わらず暑い日が続きます。こんな日は爽快な曲でも聴きたい。ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調OP.88 ドラティ、ロンドン交響楽団(マーキュリー盤:1959年録音)を聴こう。

第1楽章序奏は、ゆったりとしたテンポで始まり、フルートのさわやかな音色とともにダイナミックかつ雄渾な第1主題。マーキュリーのシャープな音にずばりマッチ。序奏と第1主題の何気ない対比で曲に吸い込まれてゆく。コーダも思い切りの良さもドラティならではの男気を発揮、素晴らしい。第2楽章は、中間部が好きだ、フルートとオーボエのあとに登場するヴァイオリンソロ。その後のトランペットの高らかな響き。白眉は短い第3楽章か。ドラティは、高速のテンポで小粋に進んでいく。哀愁のト短調と呼ぶべき出だしのワルツはメロディテーラーのドヴォルザークらしい美しさ。中間部のボヘミア風味の哀愁感もたまりません。コーダは、2/4拍子だが、実質は3/2拍子。この曲の主役ともいうべきトランペットがきちんと最後を締めくくる。終楽章、爽快なトランペットのファンファーレとともに序奏が始まり、チェロが主題をゆったりと奏でる。トルコ風の陽気なメロディが入り、半音下げの転調の遊びをまじえ、フィナーレへ。ここで、チェロが変奏曲を滔滔と歌うのも面白い。コーダの急速展開はドラティのまたまた男気が登場。直前のブレーキもこうくるかぁ!やはりドラティの切れ味はそそられます。






2023年7月30日日曜日

ブルックナー 交響曲第7番_ブロムシュテット

 おなじみの大学時代の友人H君、何を血迷ったか、さほど好きでもないと言い張るブルックナーのブロムシュテットの全集を購入。ひょっとして「はまって」来てるのかもしれない!!さっそくアップロードしていただき、当然7番から聴いてます。1980年録音の手兵ドレスデンものは所有済み。こちらは、ゲヴァントハウス管。ブロムシュテット、ゲヴァントハウス管は、サントリーホールで「グレイト」を聴いたことがある。この7番は、ゲヴァントハウス管弦楽団の桂冠指揮者に就任後、最初の演奏会における第7番です。(2006年:ゲヴァントハウス大ホール)。雄大で美しく滋味な響きのゲヴァントハウス管。木管群の旨さが際立つ。次は、6番かな。


2023年7月15日土曜日

ブラームス 交響曲第3番_クレンペラー

 





先週の水曜日、隣の席の先輩がコロナ陽性でダウン、木曜日、何となく体が痺れ少し熱っぽいと思って、体温を測ると37.6度、仕方なく検査を受けると、スバリ「陽性!」、しかし当日と金曜日、安静にして無事回復。本日、朝より完全復帰。

ブラームス 交響曲第3番ヘ長調op.90をクレンペラー:フィルハーモニー管弦楽団(1957年3/26-27,今は無きキングスウェール・ホール)にて聴く。歳を取ってくると、1.2番よりも3.4番の方がグッとくるのだ。

2023年6月25日日曜日

ブラームス 交響曲第2番_クーベリック

 正統派のブラームス交響曲第2番、聴きたくなる。クーベリック、バイエルン放送管弦楽団(1983年ライブ録音)2枚持ち。(1楽章提示部リピート有り)2番の弦楽群には、バイエルンのこの音色がとても心地よい。2楽章のチェロのコクのあるうねりはどうだろう。ホルンもブラームスらしい少し憂いのある響き。ティンパニーの決然さも忘れてならない。第3楽章、オーボエの軽やかさ。それに続く弦楽群の切れのある美しさ。終楽章のテンポもちょーど良い。管楽群は見事に統率されており、彫の深い音色。コーダも堂々たるテンポで慌てず騒がず歌いきるうまさ。名盤です。




2023年6月2日金曜日

ベルリオーズ 幻想交響曲_ミトロプーロス

 ベルリオーズ「幻想交響曲」、ミトロプーロス:ニューヨークフィル、1957年にて聴く。ゆっくりのテンポの中、オーケストラを十分に歌わせるミトロならではの大掴みの幻想。ドラマチックであり、木管群の美しさもありこの年代の音としても充分に聴ける。ラストの激しさも迫力も満点。鐘の音とピアノを組み合わせるといった効果もあり面白い。単なる激情性でなく、地底からこみあげる音のバランスも最高。これ名盤です。



2023年4月15日土曜日

フランク 交響曲ニ短調_パレー

 フランク 交響曲ニ短調 OP.48 ポール・パレー(C)、デトロイト交響楽団:1959年録音 で聴く。

この曲は、第1楽章をいかに耐え抜くかの勝負なのだ。画像3の主題(音階)の呪縛から逃れられない。これは、バッハの平均律クラヴィア曲第1巻 : Prelude & Fugue 第4番 嬰ハ短調 BWV.849で何度となく聴いた旋律だ。その時は、これほど暗鬱な音とは思わなかった。フランクはこの1楽章が敢然とニ長調の光の中に急転して終わらせているのもかかわらずだ。なんなんだよー!!小林秀雄は初めてこの曲を聴いたとき、気持ち悪くなって1楽章と2楽章の間で吐いたという。2楽章も気が抜けない。中間部でマズルカ風の明るい旋律がクラリネットに表れるとはいっても、全体の陰鬱さと虚ろさは変わらない。しかしそこに優美さが加わる。終楽章、おっ二長調だ。期待しよう。ところが、あの重苦しい音階とともに、すべての主題をふたたび聴かされる。しかし、どことなく壮麗。分厚い全合奏。ブルックナーを聴いているかのようなオルガンのような響き。どことなく華やぎがあるパレー、デトロイトの音がいい。コールアングレの音も新鮮だった。まあしかし、年に1回しかくらいしか聴かないかな。



2023年2月10日金曜日

エルガー エニグマ変奏曲_モントゥー

 日テレのドラマ「リバーサルオーケストラ」のBGMに触発され、久しぶりにエルガー:「エニグマ変奏曲」を聴く。(モントゥー:ロンドン交響楽団、1958年録音)。エニグマを十八番としていたモントゥーは何度も録音している中で62年ライブが頗る評判がいいのだが残念ながら未所有。



2022年11月8日火曜日

ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104」_シュタルケル

 ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104」、シュタルケル、ドラティ:ロンドン交響楽団(1962年録音)にて聴く。マーキュリー盤の名演。シュタルケル2度目の録音。有名なコダーイの無伴奏チェロソナタが1948年のディスク大賞 (Grand Prix du Disque) を獲得した年に、ドラティの招きでダラス交響楽団の首席チェロ奏者となったシュタルケル。ドラティとは長い付き合いか。その後フリッツ・ライナーに気に入られメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストに就任。1953年、ライナーがシカゴ交響楽団に移るのに伴って移籍し、ソリストになる1958年まで在籍した。オーケストラメンバーとしての音楽づくりがこの曲にも如実に現れている。ネットの評価には、チェロが前に出てこないとかこじんまりとか豪快さがないとか出ているが、シュタルケルの精緻さとハーモーニーへのこだわりが強く感じられる作品だ。

第1楽章ドラティの男気冒頭第1主題、第2主題バリー・タックウェルの愛情ある美しきホルンも聴きものだ。シュタルケの入りは、スローテンポで第1主題を朗々と。第2楽章、モントゥーに鍛えられた木管群と引き継がれたシュタルケルのチェロの哀愁感は、メロディーメーカーたるドヴォルザークの美しさをこれでもかと醸し出す。中間部では、またまた男気ドラティが顔をだしテンポを速めるがシュタルケルは端正さを失わない。第3楽章、白眉は、コンマスのヴァイオリンとの二重奏。そのハーモニーの美しさは格別。



2022年7月24日日曜日

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」_ドラティ

 ドラティといえば、私には同じくMercury盤の「1812年序曲」が最も印象的だが、このメンデルスゾーン 交響曲第3番イ短調 Op.56 『スコットランド』(ロンドン交響楽団;1956年録音)も男気ドラティの真骨頂!快速に進む主部の1楽章、たっぷりと情感を膨らませ、強弱や旋律線のニュアンスを細やかに謳いあげる3楽章。4楽章も、クライマックスの清々しさとスケール感を伴い堂々たるテンポで締め括ってくれる。ちなみに第2楽章のメロディが有名なスコットランド民謡的な「ヨナ抜き」の「ドレミソミレドレ」。「ヨナ抜き」好きな日本人にはたまらないかもしれない。



2022年7月16日土曜日

ベートーヴェン チェロソナタ全集_ヤニグロ・デムス

 ヴァンガードの名盤からヤニグロ、デムス 「ベートーヴェン チェロソナタ全集」を聴く。(1964年録音)。その品格ある演奏は、フルニエにもひけをとらない。しなやかで艶のある伸び、1音1音を大事に、決して気てらったりしない生真面目さ。若きデムス(当時35歳)のピアノも歌い過ぎず、終始品格の高い音楽に満ちている。カザルスに認められエコール・ノルマル音楽院の親友ディラン・アレクサニアンに推薦され師事した。アレクサニアンは、何を隠そうフルニエの師でもある。



2022年5月7日土曜日

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲_セル

 モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(K6. 320d)。セル、クリーブランド管弦楽団、(Vn):ラファエル・ドルイアン、(Va):エイブラハム・スカーニック<1963年録音>にて聴く。クリーブランド管のコンサートマスターと主席ヴァイオリニストだった2人を独奏に置き、息ぴったりの演奏。白眉の第2楽章、セルの出だしのテンポは極めてゆったり、独唱部分は、古めかしい録音もあってか、かえって幽玄的な雰囲気を醸し出す。2人の音のバランスの良さが際立つ。

音色も名だたるヴァイオリニストと決して引けを取らない。特に、スカーニックの技術はたいしたもんだ。3楽章は、少し早めのテンポのセル、クリーブランド管の一糸乱れぬアンサンブルは聴きごたえがあるなあ。

2022年3月12日土曜日

モーツァルト ピアノ三重奏曲集_ズスケ

 春の陽気に誘われて聴くは、モーツァルト ピアノ三重奏曲集(1-6)ズスケ(V)オルベルツ(P)プフェンダー(VC)【1988-89年:ドレスデン協会 録音】。ズスケが、旧東ドイツの面々、ズスケ四重奏団でチェロのパートを支えていたプフェンダー、無名ながらマニアにはハイドンのピアノソナタ全集で有名なモーツァルト・ヴァイオリンソナタ全集で共演しているオルベルツを従えての名盤。モーツアルトのピアノ三重奏曲6曲はすべて「長調」。どこまでも優しくそよ風のような軽やかで優雅な響き。

(ちなみに、モーツァルトには、もう1曲ピアノ三重奏協奏曲ニ短調KV.442がある。しかし未完でスタドラーが加筆している作品。こちらの名盤は、ボスコフスキー、リリークラウス、スコラス・ヒューブナー)


2022年2月5日土曜日

ブラームス 交響曲第2番_ビーチャム

今日の一曲は、久々のブラームス 交響曲第2番ニ長調OP.73。トーマス・ビーチャム、ロイヤルフィル。<録音1958,59年>。
AmazonPrimeで見つけました。噂にたがわぬ名演。冒頭から清々しい音質。特に木管群は秀逸。第2楽章のチェロの旋律は、情念っぽさがなく、あくまで淡々、ホルンと木管の掛け合いはこってりと。3楽章のオーボエの牧歌的な優しさは、この上ない。終楽章、冒頭トゥッティ後のアンサブルの乱れもなく、ロイヤルフィルとビーチャムの積年の手兵ぶりが見てとれる。コーダも変にアッチェランドせず堂々と駆け抜ける王道ぶり。久々に良き2番に巡り合えました。


2022年1月29日土曜日

シューベルト ピアノソナタ20番・21番_ツィメルマン

 今日の一枚。シューベルト ピアノソナタ D959,D960。クリスチャン・ツィメルマンの25年ぶりの2016年、日本公演を終えた後に、新潟の「柏崎市文化会館アルフォーレ」で録音したという。ピアノは、もちろん持ち込みのスタンウェイ。(高崎のスタウェイセンターにあるらしい)当該ホールは、永田音響設計によるもの。ツィメルマンは、故郷、ポーランドのカトビッツェ市の新ホール設計に携わっているが、ポーランドの40歳台の若手建築家コニール氏と永田音響設計の豊田泰久氏とのコンビにより完成させている。さて、中部沖大地震時にツィメルマンはすぐさま柏崎でのチャリティーコンサート開催を決めたが、体調不良のために中止を余儀なくされた。1年後、自腹で日本を訪れ、「中越沖地震1周年復興祈念コンサート」に出演し、柏崎市に100万円を寄付もしている。復興のシンボルとして建てられた柏崎市文化会館アルフォーレでリサイタルを行い、なお6日間滞在録音までおこなったのは、そういった意味深さがある。演奏は、デモーニッシュな部分はいささかもなく、柔らかく美しいシューベルト。時折見せる、憂鬱さや切迫感もツィメルマンならではの敬虔さと洗練さを感じる。



2021年12月27日月曜日

ベートーヴェン 交響曲第9番_テントシュテット

 今週は、かみさんが実家に帰省しているので只今大音量にて「第九」を聴いています。テンシュテット;ロンドンフィルハーモニー管弦楽団&合唱団、S)マリアンネ・へガンダー、A)アルフレーダ・ホジソン、T)ロバート・ティアー、Bs)グウィン・ハウエル(1985年9月13日、ロイヤルアルバートホール ライヴ録音)。テンシュテットが喉頭がんの告知を受ける1か月前のライブ演奏と言うことになる。テンシュテットには,しばらくベートーヴェンの第9の正規レコーディングはなく,BBSレジェンドが,2001年にこのテンシュテットの第九を発表した。

テンシュテットらしい、緊張感のあるスリリングな演奏だ。第1楽章、特に速いわけではないのだが、重戦車のように進んでいき、まさにテンシュテットらしい高揚感溢れる堂々たる演奏。第2楽章は快速だ!テンシュテットの煽りにさすがのロンドンフィルもついていけない。しかし、逆に観客には異様な緊張感の11分間であったものと思われる。楽章終了後の鬼のような咳払い、どんだけ皆、息を飲んでいたのだ。第3楽章は、懐の深い静謐な演奏。白眉は、何と言っても終楽章か。冒頭から再び重戦車が風の如く進んでいく。歓喜の爆発!!への助走とはかくなるものか。そして初めて現れる歓喜のメロディは爽快な運び。バリトンのグウィン・ハウエルは、堂々たる声量。圧巻のコーダ。このエンディング1990年シカゴ響との「巨人」の思い出してしまった。




2021年12月25日土曜日

サン=サーンス クリスマス・オラトリオ

 「クリスマス・オラトリオ」はバッハだけじゃないよ。サン=サーンスの「クリスマス・オラトリオ」が超絶いいんだよ。オルガンに始まり弦楽群が引継ぐ序奏を聴いただけで、その美しさに心が奪われるだろう。{Oratorio De Noel Op.12}アンデシュ・エビ(指揮)ミカエリ室内合唱団、【録音:1981年 ストックホルム,聖ヨハネ教会】。白眉は、4曲目「 Air and chorus: “Domine, ego credidi,” 」。テナーの優しい歌声と女性コーラス。そして7曲目。ハープが登場するよ。ここでの3重奏の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあるよ。クリスマスの夜にこんな優しい曲に触れてみるのも乙なものです。



2021年12月15日水曜日

ブルックナー 「モテット集」_ガーディナー

 夕食までのひと時、ガーディナーと彼の手兵モンテヴェルディ合唱団によるブルックナー「モテット集」5曲を聴く。『アヴェ・マリア』『マリアよ、あなたはことごとく美しく』『この所を作り給うたのは神である』『正しい者の口は』『キリストはおのれを低くして』。いずれも美しい名曲ばかり。

ガーディナーは、そもそも合唱指揮者あがり。フレージングとアーティキュレーションが精密に統一され、見事なアンサンブルを形成しているなぁ。モンテヴェルディ合唱団は、ソプラノも美しいが、何度聴いてもベースがピカ一にいいなぁ。


2021年12月6日月曜日

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲_シェリング

贅沢な2枚組の中からベートーヴェン。シェリング(V)イッセルシュテット(C)ロンドン交響楽団<録音:1965年>によるヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61を聴こう。このシェリング2度目の録音は、名盤中の名盤。端正で気品ある正統派ベートヴェン。カデンツァは、めずらしく1楽章がクライスラーではなくヨアヒム、3楽章がフレッシュ。イッセルシュテットの伴奏は重厚でありディナーミクが大きく深みのある演奏。圧巻は第2楽章、渋みのある弦楽群の序奏、ホルンが優しく歌うと、シェリングが美音を飛ばしながら応える。凛とした美しさとはこのことか。


2021年11月28日日曜日

BIS盤「バイロイトの第九」

 予約しておいたBIS盤のフルトヴェングラー「バイロイトの第九」届きました。track1は、ウェルカム・アナウンスメント、track2が、プログラム・アナウンスメントで、track3から演奏が始まります。当日のほぼノーカットの実演の全貌が収録されているのは間違いない。ただし、センター盤(バイエルン放送局所蔵)も当日実演奏盤で同じであることが分かりました。



2021年11月6日土曜日

モーツァルト レクイエム_ムーティ

 大学時代の旧友H氏のfacebookでのベルディ「レクイエム」ムティ、バイエルン放送響の投稿につられ、ムーティには、その実力が突き抜けてしまったモツレクの名演があるやん!ということで、モーツァルト「レクイエム ニ短調 K.626」【1987年録音】を聴く。 80年代は、サビーネ・マイヤー事件(1982)を機に険悪・修復不可能となったカラヤンへのベルリンフィルの腹いせで、アバドが1990年に後任となるまでの期間、候補と言われた指揮者たちとの演奏で実に超名演が多い。その中でもムーティ「モツレク」は、エリクソンが合唱指揮をとる「スウェーデン放送合唱団&「ストックホルム室内合唱団」という現代最高の合唱団をすえ、ソリスト陣は、ソプラノが「フィガロ」バルバリーナ役でムーティ、ウィンフィルと競演した透明感溢れるパトリシア・パーチェ、メゾ・ソプラノとバスは、ワグナー歌手としてのし上がるヴァルトラウト・マイヤー、ジェームス・モリス、テノールが高らかな歌声のオペラ歌手フランク・ロパードと一級品を揃え、重厚なベルリンフィルの弦楽群のもと厳粛でいて「美しい」響きの超名演を繰りひろげている。ムーティはこれ以降「モツレク」を録音しなかったのはうなずける。勿論、おまけの「アヴェ・ヴェルム・コルプス k.618」の世界最高演奏も忘れてはならない。