2008年7月26日土曜日

グラスハーモニカ ~ モーツァルトを語る 第56弾

今日は、朝から洗濯を済ませ、8時半には床屋に。ところが突然のスコール。洗濯は一からやり直し。がくっ!!それにしても暑い日が続く。
さて第56弾は、「グラスハーモニカのためのアダージョとロンド  K617」。
残念ながら、ピアノでの音しかもっていないが、晩年の名曲には違いない。グラス・ハーモニカ(ピアノ代用)、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの5声で成り立っており五重奏曲の部類にはいるのだろうか。アダージョ(ハ短調)は、K488の第2楽章のように、人生の終わりを感じさせる悲しい音使いで始まる。でも美しいと感じさせる。 「アマデウス死の調性」ともいうべきハ短調の為せる技であろうか。
でもロンド(ハ長調)へ移ると一瞬にして、その悲しさから解き放される。少年時代の陽気さと無邪気さいっぱいのメロディー。一度聴いたら忘れられない曲だ。

それでは、お聴きください。mozart_k617(クリック)

2008年7月11日金曜日

2つのヴァイオリン ~ モーツァルトを語る 第55弾

金曜日であるが、早くの帰還。今夜は、アマデウス・ナイトでいこう。
第55弾は、「二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190(186e)」。

この曲は2つのヴァイオリンの他にオーボエとチェロも独奏楽器として使われており、特にオーボエが魅力的である。{二つのヴァイオリンとオーボエとチェロのための・・}でもいいかもしれない。2・3楽章は、チェロ協奏曲のような場面も。コンチェルトーネとは「大協奏曲」という意味であるが、「協奏交響曲」とは別に、協奏曲と交響曲の中間的なジャンルで、北イタリアからオーストリアにかけての地域で愛好されていたという。
第1楽章Allegro spiritoso ハ長調
第2楽章Andantino grazioso ヘ長調
第3楽章Tempo di menuetto, Vivace ハ長調

[ 編成 ] 2 violins, 2 violas, violoncello, bass, 2 oboes, 2 horns, 2 trumpets

アマデウス・ナイト1曲目としては、軽快にしてさわやかな曲調で最高ではないだろうか。

2曲目は、この流れだと、K364になりそうです。

このK190は、やはり隠れた名曲だと思う。

それでは、第2楽章をお聴きください。

kv_190_ii. Andantino grazioso (クリック)

2008年7月6日日曜日

朝からモーツァルト ~ モーツァルトを語る 第54弾

第54弾は、「ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K271 ジュノム」。

フランスの謎のピアニスト ジュノム嬢がザルツブルクを訪れた際に、献呈された曲である。最近では、ジュノムは存在せず全く別のジュナミ嬢に捧げられたと謂われている。
さてこの曲は、いきなりオーケストラとピアノの掛け合いから始まる。そして、なぐさめなき変ホ長調とその平行調である死と悲劇の調性 ハ短調によって構成されている。

第一楽章(アレグロ)は、優雅で飛び跳ねそうな音の中に、時折見せるピアノの優しさがなんとも言えず心地よい。

第二楽章(アンダンティーノ)は、冒頭の弦楽器だけで泣けてしまいます。そしてピアノが始まると思わず胸が詰まるのです。ただ美しいだけでなく、切なく哀しいメロディ。

第三楽章(プレスト)は、魅力の固まり。フランス風のロンドの間に、優しく美しのメニュエットが挟まれています。ピアノは流れるようなテンポで冒頭34小節まで一人で一気に駆け続けます。そして管楽器がそのスピードを引き継ぎます。そしてメニュエットで全く違った世界を演出し、またロンドへ。まるで遊園地で遊んでいる楽しさです。

それではお聴きください。mozart_09_k.271 (クリック)