2018年3月31日土曜日

ドイツ・レクイエム 33

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第33回です。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト 22.ガーディナー 23.ハイティンク 24.アバド 25.テンシュテット 26.メータ 27.ショルティ 28.ブロムシュテット 29.プレヴィン 30.トスカニーニ
31.ザ・シックスティーン 32.ワルター
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第33回は、チェリビダッケ:ミュンヘンフィル&合唱団、ミュンヘン・バッハ合唱団、アーリン・オジェー(ソプラノ)、フランツ・ゲリーセン(バリトン)_19871年聖ルカ教会LIVE録音。まずは、チェリのとてつもなく遅いテンポで最後まで歌い切ったコーラスに拍手を送ろう。
第1曲、重厚でありながら、何故か夜明けの光が差し込むような柔らかな響き、ルカ教会のもつ音場の力によるものか。
厳かに始まるコーラス。オーボエの美しさ。ハープの優しさ。
まるで静かに流れゆく大河のようなテンポと言っておこう。
第2曲、重苦しく始まるユニゾンのコーラスが、意外にも淡々としている。そしてティンパニーの連打が何故かリズミカルに響く。長調に転じても、あくまでも遅く。
「Aber des Herrn」後のアレグロもモデラートのよう!!
第3曲、バリトンのゲリーセンは、線が細いが切々と歌う。
壮麗なるフーガも全く推進力なく進む。
第5曲、オジェーの声はあまり好きではない。
第6曲、大フーガの入りのアルトが下手すぎる。。。。
圧倒的名盤とよくネットに書いているが、正直私には駄目だ。
65歳を過ぎたらもう一度聴いてみよう。


2018年3月25日日曜日

シューマン 交響曲第1番「春」_バーンスタイン

レニー ニューヨークフィル(1960年録音)で、シューマン 交響曲第1番変ロ長調 Op.38「春」を聴く。
レニー42歳の溌剌とした演奏がこのシンフォニーにマッチしている。
第1楽章序奏部冒頭のトランペット・ホルンによるファンファーレはたっぷりとゆっくり目で始まる。主部が始まると一気に飛び跳ねるような軽やかさ。ティンパニーの少し乾いた打撃も心地よい。小気味よい爽快感と迸るエネルギーを感じる演奏だ。第2楽章は、弦楽の美しい旋律。レニーの独特の抑揚とテンポの揺れで感情の高まりが表現されていく。
終楽章、生き生きとしたコデッタ、終盤コーダ部のストリンジェンド的なアッチェランドもレニーらしさをまざまざと見せつけてくれる。爽やかで面白い演奏だ。SONYの録音も素晴らしい。


2018年3月11日日曜日

ブラームス ピアノ協奏曲第2番_ゲルバー

ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 OP.83を聴こう。ゲルバー:ケンペ+ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団(1973年録音)。
第1楽章、冒頭のホルンの深みと厳かさは満点。ロイヤルフィルの管楽器群の響き、切れの良い音もいい。またケンペお得意のデクレッシェンドとピアニシモのもって行き方にはブラームスの心の襞を感じる。そしてゲルバーの高音部のパッセージの美しさは至芸に値する。クライマックのオーケストラのどっしり感は、まるでドイツのオーケストラのようだ。
第2楽章、起伏の激しいなんというスケルツォ。だから中間部の長調へ転じたオーケストラ部が余計好きだ。
加速を帯びた終焉部のお互いの引っ張り合いも楽しい。
第3楽章、有名なチェロの音色の緩徐楽章。これを聴くといつも心が洗われる。ブラームスの隠し持つセンチメントな部分が凝縮されているように思う。それを受け継ぐピアノ部が、また堪らなく哀しい。中間部ではケンペが激しさを要求し、ゲルバーが正面から受け止める。そして、弦楽の心の淵へ落ちてゆく如きパッセージ。優しい光を注ぐクラリネットの調べ。再びチェロのメロディ。それをサポートするようにゲルバーのピアノがトリルを打つ。
終楽章、弾むようなロンド。まるでモーツァルトのコンチェルトの終楽章の冒頭ようだ。およそブラームスには似つかわしくない楽し気なピアノとオーケストラの掛け合い。ゲルバーの瑞々しいほどの音が燦然と輝く。うーんやはり隠れた名盤だと確信!!