2008年12月14日日曜日

ウィーンの交響曲~モーツァルトを語る 第62弾

第62弾は、「交響曲第29番 イ長調 k.201」交響曲の中で一番好きな曲だ。

第一主題が始まると、何故かワクワクするのだ。これから何か楽しいことが・・と思わせる音に。管楽器が登場するフォルテに向かって奔ってゆくオクターブ音階がたまらなく好きだ。目覚ましにしているほどだ。それにしても、その第1ヴァイオリンの旋律を支える第2ヴァイオリンがまた美しい。そして、この曲で最も惹かれるのは、92小節~102小節までの絶妙な<つなぎ>だ。理由はない。聴き始めた瞬間からここへ来るのを待っている自分がいる。
第2楽章は可愛らしい。弱音器をつけた美しい第1ヴァイオリンのメロディーを第2ヴァイオリンが受け継ぎ、オーボエが引き継ぐ。そして待ちに待った高らかなオーボエの一声で静謐の内に終わりを迎える。
第3楽章も優しい音楽だ。途中にオーボエとホルンのユニゾンによるファンファーレが面白い。
第4楽章は、第1楽章の第1主題と呼応するかのようにオクターブ下降音型で始まり、そこから面白ように駆け上がっていく音階。モーツァルトならではの音階を楽しめる。そしてホルンに注目。美しいホルンを堪能できる。 

それでは、第1楽章をお聴きください。演奏は、絶妙な速度と美しいホルンが魅力のケルテス指揮ウィーンフィルです。

Mozart - 交響曲 第29番 イ長調 K_201(186a) 第1楽章_ Allegro Moderato.mp3

2008年10月23日木曜日

オーボエ派フルート派 ~ モーツァルトを語る第61弾

第61弾は「オーボエ協奏曲ハ長調K314」。
このK314に、もう一つフルート協奏曲第二番ニ長調 というのがある。1音あげて後で作られたといわれているが、異説もある。オーボエ、フルートともに味わいがあるが、私は断然オーボエに軍配をあげる。
紹介するのは、ホリガーのオーボエだ。高度で絶妙なコントロールをさらりと吹きこなしていて,息を呑むほどだ。技術的な面だけでなく自由にのやかに飛翔する音色には心が解き放たれる思いがする。それでいて節度もあり,高度に洗練された愉悦感に満たされた演奏は、ただただ聴き惚れるばかりた。

それではお楽しみください。

Mozart - オーボエ協奏曲 ハ長調 K314_ 1_ Allegro Aperto.mp3

2008年10月13日月曜日

2台のピアノ ~ モーツァルトを語る 第60弾



第60弾は、あの「のだめカンタービレ」で一躍有名になった「2台のピアノのためのソナタ 二長調 K.448」から第一楽章をとりあげる。
ご存じ2台のピアノソナタは、この1曲だけである。弟子のヨゼファ・アゥエルンハンマーと弾く為に作曲された。最近よく言われる<モーツァルト効果>即ち頭が良くなるモーツァルトで論文として最初にとりあげられブームを巻き起こした曲でもある。クリスチャン・バッハの影響を色濃く受けた、実に爽快で、それでいて精緻な曲です。さて、本当に頭が良くなるか、聴いてください。

Mozart - 2台のピアノのためのソナタ 二長調 K.448 - ⅠAllegro con spirito.mp3

2008年10月12日日曜日

零落の中のやすらぎ ~ モーツァルトを語る 第59弾

第59弾は、「アダージョ ロ短調 K.540」。
深い悲しみが世界を蔽う。真っ暗な暗闇に落ちていきそうなメロディー。ロ短調による単独の作品は唯一無二のものらしい。しかし少しだけ安らぎを求めるメロディーが流れる。
アインシュタインは 「モーツァルトがかつて作曲したもののうちで最も完璧で、感覚的で、最も慰めのないものの一つである。」と表現している。 

未曾有の金融危機にある今日だから選んだわけではない。

 菜根譚はいう。 「衰颯の景象は、即ち盛満の中に在り、発生の機緘は即ち零落の内に在り。」 百忍を堅くして以て成るを図るべしか。

Mozart - アダージョ ロ短調 K.540(内田光子).mp3

2008年9月6日土曜日

秋の気配~モーツァルトを語る 第58弾

まだ、暑いが秋の気配は朝晩に感じられるようになってきました。
秋の日のヴィオロンのためいきの・・ベルレーヌの詩ではないが、そんな夜に、ヴァイオリンソナタを聴く。

第58弾は「ヴァイオリン・ソナタ第42番 イ長調 k526」から第二楽章アンダンテ(ちなみにこの楽章はニ長調)。

赤ワインでも飲みながらと言いたいところだが、カフェゼリーを食べながらだ。そう家では一滴も酒を口にしないからしょうがない。8分音符の独特な第一主題は繰り返し奏され、バロックのシャコンヌ的な雰囲気を醸し出している。第二主題はイ短調で幽玄的な印象です。

それでは、聴いてください。mozart_42_k.526 - ii. Andante(Grumiaux) (クリック)

2008年8月9日土曜日

ホルン五重奏 ~ モーツァルトを語る第57弾


第57弾は、「ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407」。
楽器編成は、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ2、チェロ。弦楽五重奏曲の第一ヴァイオリンがホルンに置き換わった形式だ。ヴィオラ2本にしていることで、ホルンを際だ出せようとの意志が感じられます。この曲も、ホルン協奏曲同様、ロイドケープの為に作曲されました。第一楽章は全体に明るく陽気なメロディーラインです。第二楽章の牧歌的なのどかさが心にしみわたります。
アインシュタインは「ホルンと第1ヴァイオリンのあいだの小さな愛の対話」と表現しています。納得。第三楽章の一生懸命な16分音符のホルンにも注目です。

それではお聴きください。mozart_k.407 (クリック)

2008年7月26日土曜日

グラスハーモニカ ~ モーツァルトを語る 第56弾

今日は、朝から洗濯を済ませ、8時半には床屋に。ところが突然のスコール。洗濯は一からやり直し。がくっ!!それにしても暑い日が続く。
さて第56弾は、「グラスハーモニカのためのアダージョとロンド  K617」。
残念ながら、ピアノでの音しかもっていないが、晩年の名曲には違いない。グラス・ハーモニカ(ピアノ代用)、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの5声で成り立っており五重奏曲の部類にはいるのだろうか。アダージョ(ハ短調)は、K488の第2楽章のように、人生の終わりを感じさせる悲しい音使いで始まる。でも美しいと感じさせる。 「アマデウス死の調性」ともいうべきハ短調の為せる技であろうか。
でもロンド(ハ長調)へ移ると一瞬にして、その悲しさから解き放される。少年時代の陽気さと無邪気さいっぱいのメロディー。一度聴いたら忘れられない曲だ。

それでは、お聴きください。mozart_k617(クリック)

2008年7月11日金曜日

2つのヴァイオリン ~ モーツァルトを語る 第55弾

金曜日であるが、早くの帰還。今夜は、アマデウス・ナイトでいこう。
第55弾は、「二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190(186e)」。

この曲は2つのヴァイオリンの他にオーボエとチェロも独奏楽器として使われており、特にオーボエが魅力的である。{二つのヴァイオリンとオーボエとチェロのための・・}でもいいかもしれない。2・3楽章は、チェロ協奏曲のような場面も。コンチェルトーネとは「大協奏曲」という意味であるが、「協奏交響曲」とは別に、協奏曲と交響曲の中間的なジャンルで、北イタリアからオーストリアにかけての地域で愛好されていたという。
第1楽章Allegro spiritoso ハ長調
第2楽章Andantino grazioso ヘ長調
第3楽章Tempo di menuetto, Vivace ハ長調

[ 編成 ] 2 violins, 2 violas, violoncello, bass, 2 oboes, 2 horns, 2 trumpets

アマデウス・ナイト1曲目としては、軽快にしてさわやかな曲調で最高ではないだろうか。

2曲目は、この流れだと、K364になりそうです。

このK190は、やはり隠れた名曲だと思う。

それでは、第2楽章をお聴きください。

kv_190_ii. Andantino grazioso (クリック)

2008年7月6日日曜日

朝からモーツァルト ~ モーツァルトを語る 第54弾

第54弾は、「ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K271 ジュノム」。

フランスの謎のピアニスト ジュノム嬢がザルツブルクを訪れた際に、献呈された曲である。最近では、ジュノムは存在せず全く別のジュナミ嬢に捧げられたと謂われている。
さてこの曲は、いきなりオーケストラとピアノの掛け合いから始まる。そして、なぐさめなき変ホ長調とその平行調である死と悲劇の調性 ハ短調によって構成されている。

第一楽章(アレグロ)は、優雅で飛び跳ねそうな音の中に、時折見せるピアノの優しさがなんとも言えず心地よい。

第二楽章(アンダンティーノ)は、冒頭の弦楽器だけで泣けてしまいます。そしてピアノが始まると思わず胸が詰まるのです。ただ美しいだけでなく、切なく哀しいメロディ。

第三楽章(プレスト)は、魅力の固まり。フランス風のロンドの間に、優しく美しのメニュエットが挟まれています。ピアノは流れるようなテンポで冒頭34小節まで一人で一気に駆け続けます。そして管楽器がそのスピードを引き継ぎます。そしてメニュエットで全く違った世界を演出し、またロンドへ。まるで遊園地で遊んでいる楽しさです。

それではお聴きください。mozart_09_k.271 (クリック)

2008年6月21日土曜日

ヴァイオリンソナタの中のジュピター音型 ~ モーツァルトを語る 第53弾

忙しさにかまけて、随分と間が空いてしまった。
さて第53弾は「ヴァイオリンソナタ 第41番 変ホ長調 K.481」。

第一楽章に、かのジュピター音型をもつ曲だ。その旋律は軽やかで、梅雨の晴れ間の日差しが見える今日にぴったりだ。そして第二楽章(変イ長調)のアダージョには、まいりました。美しくも悲しい旋律。ヘ短調への転調。出だしは、何気ない子守唄のように始まる。その優しいメロディーは、突如ある決意を込めて青空へ飛び出そうとする。そこに天上からの音が降り注ぐ・・・

それでは聴いてください。mozart_41_k.481(クリック)

2008年5月24日土曜日

アルペジオーネ・ソナタ

雨の日の今日は シューベルト 「アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821」を聴こう。
しっとりと。
アルペジオーネというギターに似た楽器が19世紀中期頃にわずかだけ存在していた。またの名を、<ギターレ・ダムール><ギターレ・ヴィオロンチェロ>という。今は、忘れ去られた楽器だ。シューベルトのこの曲名でしか知ることができない。
勿論現代は、主にチェロ、そしてヴィオラにて演奏される。
シューベルトらしい憂いと翳りがにじみ出てくる曲だ。チェロに寄り添うピアノがまた切ない。

それでは聴いてください。
演奏は、マイスキー&アルゲリッチです。

arpeggione_sonata_a_minor_d821 (クリック)

2008年5月18日日曜日

初めてのクラリネット ~ モーツァルトを語る 第52弾

Milano1_3モーツァルトとクラリネットと言えば、既に紹介した、K581とK622であることは誰も否定しがたい事実だろうが、第52弾は、モーツァルトが初めて、クリネットを用いた作品「ディヴェルトメント 第1番 変ホ長調 K.113」を紹介したい。

たぶんイタリア旅行(ミラノのマイヤー邸にて)で初めてクラリネットに触れ、すぐさま作品を作りたかったのだろう。<ザルツブルクのオーケストラには、少なくとも1777年までは、クラリネット奏者がいなかったようだ。)クラリネットは、モーツァルトが生涯愛した楽器だ。この曲は、15歳のときの作品で、その後、第2稿としてオーボエ、イングリッシュホルン、ファゴットを追加している。特徴としては管と弦の交互の掛け合いだろうか。特に好きなのは、第3楽章のTrioだ。このトリオ部はト短調で極めて印象的だ。これに呼応して第四楽章の展開部にもハ短調のフレーズが少し出てくるのでおもしろい。

最後に、変ホ長調は、結構お気に入りの曲が多く、名曲が多いことを付け加えておこう。ピアノ協奏曲第9番や22番、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、「魔笛」、交響曲39番、弦楽三重奏のためのディヴェルティメント などがそれだ。


それではお聴きください。k.113(クリック)

2008年5月10日土曜日

雨の土曜日 ~ モーツァルトを語る 第51弾

Flute 雨の土曜日は、単身赴任者にはつらい。なにもすることがない。
その上、意外に激しい雨。こんな日は、音楽を聴きながら読書するしかない。

第51弾は、「フルート四重奏曲第2番 ト長調 K285a」から始めよう。
フルートの柔らかな響きが気分を爽快にしてくれる。ましてちょっと飲みすぎた翌日には。K285aは、もともとK285の第1楽章に続いて、第1楽章がその第2楽章、第2楽章が第3楽章に位置づけられていた。しかしその後、紛失されていたとされていたド・ジャンのための四重奏曲の1曲がこの2楽章作品であるとされ、K285aとなった。

それでは聴いてください。

andante_quartet_k.285a (クリック)

tempo_di_menuetto_quartet_k.285a (クリック)

2008年4月29日火曜日

ラルゴ

今日は、宮崎は昼に25℃まで気温上昇。でも清清しい春の陽気。やっぱりこの季節は一番過ごしやすい。掃除を済ませ、干していた洗濯をたたみ。ちょっと一息。

こんな夕方は、バッハの「チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 第二楽章 Largo」でも聴こう。

そう ピノックで。
bach_5_bwv1056_2. Largo (クリック)

2008年4月26日土曜日

ほめたたえよⅡ ~ モーツァルトを語る 第50弾

Photo
今日は、宮崎に来て3度目の結婚式に参列した。いずれも主賓の挨拶をせねばならず、プレッシャーを感じつつ宴席が始まるのを待つ。何度やっても緊張はするものだ。とくに列席の人数が多いと。結婚式のあとは、いつも教会音楽を聴くようにしている。キリスト教徒でもないのに不思議だ。

第50弾は、ヴェスペレ「主日のための晩課」K321から「Lautate Domini」。Lautate Dominiは、もちろん K339が誰が聴いても名品だ。しかし、こちらのアリアも好きだ。この曲は、オルガンが独立で演奏しているのが珍しい。

それでは、聴いてください。_k.321 - 5(クリック)

2008年4月25日金曜日

爽快 2番目のイ長調シンフォニー ~ モーツァルトを語る 第49弾

 
モーツァルトのシンフォニーには、3つのイ長調シンフォニーがある。一番有名なのは、言わずと知れた29番。私のお気に入りの一つだ。だから後のお楽しみに勝手にしている。
そして14番(K114)と今日紹介する「交響曲 第21番 イ長調 K.134」。

イ長調はアマデウス旋律の王様と勝手に呼ばせてもらっている。やはりイ長調でのホルンはハイトーンで最高だ。また、フルートも美しい。第一楽章、ファーストヴァイオリンの軽やかな飛躍に、第二楽章のフルートのオブリガード、第三楽章のトリルと三連譜とそれに続くピチカートと楽しみがいっぱい詰まっている。


それではお聞きください。mozart_21_k.134 (クリック)

2008年4月12日土曜日

初めてのジュピター音型 ~ モーツァルトを語る 第48弾

モーツァルトには、有名な「ジュピター音型」(C-D-F-E)がある。
もちろん交響曲第41番「ジュピター」第4楽章に使われる音型だからそう呼ばれる。
ある意味、モーツァルトにとってこの音型は生涯のテーマであった。
彼が8歳の時、ロンドンで初めて作曲した交響曲第1番第2楽章では既にその音型がホルンによって奏でられている。

第48弾は、「交響曲第1番 変ホ長調 K16」。
モーツァルト8歳のときの作品だ。ロンドンで活躍するクリスチャン・バッハやアーベルたちの公開演奏会に刺激を受けて作ったとされる。第2楽章アンダンテ ハ短調(5分50秒あたりから)。その旋律に籠められた悲しみに驚嘆する。8歳の少年が何故に最初の交響曲の緩徐楽章に死の調性とも言うべきハ短調を選んだのだろか。

それでは、聴いてください。
mozart_01_k.16 (クリック)

2008年4月3日木曜日

軽やか ヘ長調 ~ モーツァルトを語る 第47弾


東京より何故か遅れて宮崎にも桜の満開の時が来た。当然こちらのほうが暖かいのに不思議な気がする。
さて第47弾は、「交響曲第18番 ヘ長調 K.130」。数少ないヘ長調の曲だ。ヘ長調の曲は、軽やかな曲想が多い気がする。K138,K413,K459,K370などが挙げられる。
18番は天才少年モーツァルトの溌剌感が魅力ではないだろうか。そして此の曲は、オーボエをはずし、フルートを入れた編成、ホルンを4本使った点が目を引く。レントラー調のメニュエットもおもしろい。

浮き浮きした気分の時に聴いてください。

それでは、前項のチェンバロつながりで、ピノックの演奏で。

mozart_18_k.130 (クリック)

2008年3月31日月曜日

チェンバロ


今日は、フランツ・ヨゼフ・ハイドンの誕生日らしい。

春にふさわしい「 チェンバロ協奏曲第1番ニ長調」を聴く。いとおかし。

_harpsichord_concerto_hob.XVIII‐11(クリック)

2008年3月22日土曜日

ファンファーレ ~モーツァルトを語る 第46弾

Photo

第46弾は、「交響曲第30番 ニ長調 K202」だ。

K183、K201という「珠玉のシンフォニー」の後だけに、常に低い評価を受けがちな交響曲だが、私は出だしのファンファーレとエンディングには魅了されずにはいられない。ファンファーレの華やかさは、ニ長調だけあっていつまでも耳に残る。まさにニ長調のなせる技そのもの。
そして第4楽章エンディング直前110小節目のパウゼ。降参ものです。また第1楽章のつなぎの102~110小節の第1ヴァイオリン(4分9秒あたり)がたまらなくいい。(モーツァルトの何気なく登場するこういうところにいつもヤラレテシマウ自分がいる)
そして第2楽章の弦楽器だけのセレナード風のアンダンティーノは、モーツァルトらしさを十分に感じさせてくれます。第2ヴァイオリンのカノン風の味付けがそうさせているのでしょうか。20分かからない短いシンフォニーです。

とにかく聴いてみてください。
mozart_30_k.202 ←(クリック)

2008年3月16日日曜日

異色の・・・K466 ~ モーツァルトを語る 第45弾

Mozart_sessions 第45弾は、「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466 第1楽章」だ。
K466は既に第2楽章紹介の際、第4弾で記載している。
コメントはそちらをご覧ください。




今日は、ボビー・マクフェーレン&チック・コリアのMozart Sessionsから、第1楽章をお聴きください。

mozart_20_k.466 - I. Allegro ←(クリック)

2008年3月12日水曜日

優しさにあふれて ~モーツァルトを語る 第44弾


第44弾は、4曲のホルン協奏曲から、「ホルン協奏曲第4番 変ホ長調 K.495」の第2楽章をお届けしたい。

正式には、ロイトゲープのためのヴァルトホルン協奏曲といったほうが良いだろう。
4番となっているが、2番目に作曲されたものだ。(2-4-3-1の順)。楽譜を何色ものインクを使って総天然色で書き上げるという、いたずらをしたことは有名だ。
この第2楽章は、優しさにあふれている。目を閉じて聴くと、目の前にゆっくりと朝焼けの暖かな光がひろがります。

それでは聴いてください。mozart_4_k.495 2 ← (クリック)

2008年3月9日日曜日

もう春~モーツァルトを語る 第43弾

Nanohanamitubati

すでに春を迎えている宮崎からお送りする第43弾は「ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 K.269」。

初春にはぴったりの曲ではないでしょうか。軽やかなバイオリンのソロが最高でウキウキさせてくれます。

それでは聴いてください。→ mozart_k.269 (クリック)

2008年2月10日日曜日

この季節

025今年も風邪ひきの季節がやってきた。毎年この時期にだけ必ずといっていいほど風邪をひく。去年もブログに同じ事を書いている。
題名は「風邪の日はバロック?」。今年の風邪は木曜日から始まり、金曜日は最悪。でも仕事で同期が東京から来ていたので、夜中の1時半まで飲んでいた。その上土曜はGOLF。しかし意外にも体の力も抜けいいショットも打てていた(SCORE=91)。やっと今日は午後から回復基調。掃除・洗濯を済ませ気分も爽快。そして夜は、コーヒーを飲みながらバロックといきたい。 写真は、自慢のコーヒーブレイクセットだ。左のコーヒーカップは100円ショップで購入。ミルは、もう何年も使っている一品。豆は、マックスバリューで買ったやつ。

そして今年の音楽は、バッハ 「無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008」。

それでは、ヨーヨーマーで聴いてください。Bach_2bwv1008_yoyo_ma (クリック)

2008年2月7日木曜日

チェロが主役? ~ モーツァルトを語る 第42弾

第42弾は「弦楽四重奏曲 第22番 変ロ長調 K.589」。
プロシア王セットの2番目の曲です。弦楽四重奏曲の最後の3曲は、プロイセン国王、フリードリヒからの依頼で作曲されたために「プロイセン四重奏曲」とよばれています。依頼主であるフリードリヒは素人としては卓越したチェロ奏者であったために、この作品にはその様な王の腕前が存分に発揮できるようにチェロがまるで独奏楽器であるかのように活躍します。

第1楽章は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの3度の平行の第1主題で優雅に始まります。第2主題は、チェロの高音域が奏し、この時、ヴィオラどころかヴァイオリンまでチェロより低い音域に。
大好きな第2楽章は変ホ長調のラルゲットで、やはり最初からチェロが高音域で唱い始めます。とにかく美しいメロディーです。
第3楽章は変ロ長調のメヌエットですが、変ホ長調で書かれたトリオは二重構造。第4楽章は8分の6拍子の闊達なフィナーレです。

それでは、第2楽章を聴いてください。

演奏は、 Alban Berg Quartetです。
mozart_22_k.589 - 2(クリック)

2008年1月28日月曜日

シューベルト 弦楽三重奏曲

今日は、昼寝をしてしまったので、今頃目がさえている。
目が冴えついでにコーヒーをいっぱい
。「シューベルト 弦楽三重奏曲第2番 DV581」を聴きながら夜を過ごす。
演奏はグリュミオートリオ。モーツァルトを尊敬していたシューベルトだけあって、時より鮮烈なシューベルト独特の暗さは覗かせるものの、どことなくモーツァルト風で好きな曲だ。第三楽章の主題などは、まさにアマデウス。そして、その向こうのハイドンも覗かせる。それにしてもこの曲は、やはり夜が似合う。

それでは、schubert_2_dv581 (クリック)

2008年1月26日土曜日

疲れを癒す ~モーツァルトを語る 第41弾

今週は、仕事や飲み会などでかなりお疲れモード。にもかかわらず今日もゴルフ。そんな疲れを癒してくれる曲を聴きたい。
第41弾は、「ヴァイオリン・ソナタ第30番 ニ長調 K306」の中から第二楽章 アンダンテ・カンタービレ。
6曲のマンハイムソナタ (K301~306)と呼ばれる作品の最後を飾るものだ。大好きなK304はすでに紹介した。K304同様にパリに移動してから完成した曲だ。軽やかにピアノが跳ねる第一楽章と打って変わって、第二楽章はまさに子守唄のような囁きをもつ。

それでは聴いてください。

それでは、サッカー(日本代表 チリ戦)が始まるまで、私はおやすみ。

k.306 - 2 (クリック)

2008年1月6日日曜日

隠れト短調 ~モーツァルトを語る 第40弾

第40弾は「ヴァイオリンソナタ第35番 ト長調 K379」。
「これを書いているのは夜の11時ですが、今日ぼくたちは、発表会を催しました。そこでぼくの曲が三曲演奏されました。もちろん新作です。ブルネッティのための協奏曲に属するロンドと、(ぼくがピアノを弾く)ヴァイオリン伴奏つきのソナタ、--これは昨夜11時から12時までに作曲したのですが、一応仕上げてしまうために、ブルネッティのための伴奏の部分だけを書いて、自分のパートは頭に入れておきました。」 柴田治三郎編訳「モーツァルトの手紙(上)」岩波文庫 p.243より
第一楽章はアレグロの前に長いアダージョをもつ珍しい作品です。このアダージョは、始め疲れをいっぺんに癒してくれる。優しく眠りにつかせてくれる子守唄のようなのだ。でも34小節目から何故か少し胸が痛む。悲しみへ向かう胸騒ぎだろうか。そう これこそアレグロへの布石。そして、ここから疾走するアレグロが始まる。もちろん調性は、ト短調。隠れていた調性は私の胸を突如として貫く。第二楽章は、変奏曲。こちらも、テーマのアンダンティーノ・カンタービレは一度聴くと忘れられないメロディー。そして変奏曲はV4とピチカートの入るV5がお気に入りだ。
それでは、お聴きください。
mozart_35_k.379-1. Pires. Dumay (クリック)
mozart_35_k.379-2. Pires. Dumay (クリック)