2008年10月23日木曜日

オーボエ派フルート派 ~ モーツァルトを語る第61弾

第61弾は「オーボエ協奏曲ハ長調K314」。
このK314に、もう一つフルート協奏曲第二番ニ長調 というのがある。1音あげて後で作られたといわれているが、異説もある。オーボエ、フルートともに味わいがあるが、私は断然オーボエに軍配をあげる。
紹介するのは、ホリガーのオーボエだ。高度で絶妙なコントロールをさらりと吹きこなしていて,息を呑むほどだ。技術的な面だけでなく自由にのやかに飛翔する音色には心が解き放たれる思いがする。それでいて節度もあり,高度に洗練された愉悦感に満たされた演奏は、ただただ聴き惚れるばかりた。

それではお楽しみください。

Mozart - オーボエ協奏曲 ハ長調 K314_ 1_ Allegro Aperto.mp3

2008年10月13日月曜日

2台のピアノ ~ モーツァルトを語る 第60弾



第60弾は、あの「のだめカンタービレ」で一躍有名になった「2台のピアノのためのソナタ 二長調 K.448」から第一楽章をとりあげる。
ご存じ2台のピアノソナタは、この1曲だけである。弟子のヨゼファ・アゥエルンハンマーと弾く為に作曲された。最近よく言われる<モーツァルト効果>即ち頭が良くなるモーツァルトで論文として最初にとりあげられブームを巻き起こした曲でもある。クリスチャン・バッハの影響を色濃く受けた、実に爽快で、それでいて精緻な曲です。さて、本当に頭が良くなるか、聴いてください。

Mozart - 2台のピアノのためのソナタ 二長調 K.448 - ⅠAllegro con spirito.mp3

2008年10月12日日曜日

零落の中のやすらぎ ~ モーツァルトを語る 第59弾

第59弾は、「アダージョ ロ短調 K.540」。
深い悲しみが世界を蔽う。真っ暗な暗闇に落ちていきそうなメロディー。ロ短調による単独の作品は唯一無二のものらしい。しかし少しだけ安らぎを求めるメロディーが流れる。
アインシュタインは 「モーツァルトがかつて作曲したもののうちで最も完璧で、感覚的で、最も慰めのないものの一つである。」と表現している。 

未曾有の金融危機にある今日だから選んだわけではない。

 菜根譚はいう。 「衰颯の景象は、即ち盛満の中に在り、発生の機緘は即ち零落の内に在り。」 百忍を堅くして以て成るを図るべしか。

Mozart - アダージョ ロ短調 K.540(内田光子).mp3