2020年1月25日土曜日

マーラー 交響曲第3番_コボス

「ロペス=コボス/シンシナティ交響楽団、ミシェル・デ・ヨング(Ms)(98、TELARC)」を聴く。
第1楽章、印象深いトローンボーンの自己主張が、まさに「めざめる牧神」を想起させる。爽やかさ溢れる構築の中で、低弦群のキレの良さを味わうことができる。録音の良さも手伝いクッキリとした仕上がり。第2楽章、目まぐるしく変わる拍子の変化が巧みに統率されているのがわかる。さっぱりとした味付けながらシンシナティのオーケストレーションの質の良さを感じ取れる楽章だ。第3楽章、主部の戯画的な音の羅列をトランペットの動機で終えた後の中間部のポストホルンがあまりにも遠くから響くというコントラストが面白い。第4楽章、ここでもミッシェル・デヤング。神秘的美声を堪能。終楽章、弦楽群のバランスはさすが。各パートを浮かび上がらせるコボスの丁寧さが現れている。ここでも変に粘りつくようなテンポの揺らしもなく、コボスの実直さが伺える演奏だ。シンシナティは、ドイツ系移民が多く移り住んだ土地柄らしく、180年超の歴史をもつオーケストラのようだ。先週のピッツバーグといい、シンシナティ、アトランタとアメリカの地方のオーケストラの実力は侮れないものがあると感じた次第です。

2020年1月18日土曜日

マーラー 交響曲第3番_ホーネック

マーラー 交響曲第3番 ニ短調を聴く。ホーネック;ピッツバーグ交響楽団、ミッシェル・デヤング(メゾソプラノ)、ピーター・サリバン(ソロトロンボーン)ジョージ・ヴォスバーグ(ポストホルン)_2010.6-11-13(Live録音)
かねてより気になっていたホーネックのマーラー、会社の先輩が3番を買ったとのことでお借りした。万歳!!
第1楽章冒頭のホルンの決然とした響きに思わずニヤリ。これは!!を充分予感させてくれた。続く、半音階的トランペット、独奏のトロンボーン、何と充実した金管楽群であろうか!大好きな、展開部の遠くでのトランペットとホルンの掛け合い、トロンボーンとチェロの独奏と多彩な音色の嵐を見事に紡いで進んでいく滑らかな構築。いいぞ。第3楽章、中間部のポストホルン、かのハーゼス直伝のヴォスバーグの上手さ、神秘的な森の雰囲気をまとい、浸みわたり、それでいて高らか。第4楽章、コントラバスの低弦に誘われ謳うこの曲でのミッシェル・デヨングは、幾つもすでに聴いているが、さすがに深みと艶のある声。後半部に寄り添うヴァイオリンの美しさも良きかな。
第6楽章、マーラーの表記どうりの安らぎのある弦楽群の美しさ。卓越しているのは決して金管群だけではないのがわかる。コーダは、余力ある金管群は絶叫することなく、何なく生命感を見事に歌い上げる憎らしさ。一級品の演奏でした。これは、やはり5番も聴かなくては。。。。

2020年1月1日水曜日

2020年 初聴き ベートーヴェン 交響曲第8番

あけましておめでとうございます。
2020年の幕開けです。年初めの一曲は、ブラームスの1番というのが私のお決まりですが、今年は、ベートーヴェンの8番で。そう今年は「ベートーヴェン生誕250年」年です。8番を選んだのは、出だしのトゥッティが、年の始まりに何となくふさわしいかなと。選んだのは2枚、①コンヴィチュニー;ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管【1959年】②クレツキ;チェコフィルハーモニー管【1967年】。
①は、私の定番であり定盤。低重心の弦楽群、くぐごもった金管群は、何度聴いても魅力的で、その音色は他の追随を許さない。木管群の艶やかさも言うに及ばず。
②は、弦楽群の強い刻みが特徴的であり、こんなド素人でも弦楽群の各パートの音型を楽しませてくれるから。そして、残響の頂点ともいえる程で、8番の魅力を余すとこなく伝えてくれる。
さて、今年は愈々、「還暦」を迎えます。自分へのご褒美は、「中欧4か国旅行」。プラハ勿論行ってまいります。