2020年7月26日日曜日

チャイコフスキー 序曲「1812年」 聴きだめ

お篭り日曜日、チャイコフスキー 序曲「1812年」変ホ長調 OP.49、11連続鑑賞。①まずは、千秋真一;ルー・マルレ・オーケストラ(実際はブルノ国立フィルハーモニー<チェコのオーケストラ>)②ストコフスキー;ロイヤル・フィル③ドラティ;ミネアポリス交響④シモノフ;ロイヤル・フィル⑤メータ;ロスアンジェルス・フィル⑥ケンペン;ロイヤルコンセルトヘボウ⑦マルケビッチ;アムステルダム・コンセルトヘボウ⑧ゲルギエフ;キーロフオペラ管⑨ドミンゴ;フィルハーモニア管⑩プレヴィン;ロンドン交響⑪ムーティ;フィラデルフィア・・・・カノン砲あり、鐘の大音量あり、ロシア国歌、グリンカあり、花火あり、の熱演ばかり。
初めて圧倒されたのが、スピーカー音量に気をつけろと言われたドラティ、醍醐味NO.1はストコフスキー、総合点ではプレヴィン、ムーティか。。。千秋真一も良かったよ。余談ですが、この「1812年」の【のだめ】の撮影場所は、スロヴァキアのブラティスラヴァにあるレデュタ劇場、外観はスロヴァキア国立劇場です。






2020年7月25日土曜日

ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲_フリッチャイ

ベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲ハ長調 OP.56」を聴く。シュナイダーハン(Vn)フルニエ(Vc)アンダ(Pf)フリッチャイ,ベルリン放送交響楽団。(1960年録音)この演奏の品格の高さを決めているのは、ひとえにフルニエのチェロだということを最初に言っておこう。第1楽章、冒頭はチェロとコントラバス(弱音器つき)の重厚な第1主題、それを受け継ぎ第1ヴァイオリンが第2主題をト長調で奏し、ティンパニーを交えたオーケストラが提示部を締めくくり、フルニエの独奏を迎える。この瞬間にこの演奏の気品が決定づけられる。フルニエの柔らかく美しいその音は特級品だ。サポートのフリッチャイは、低重心の弦楽群、くぐごもった管楽群の良さを引き出す。ピアノのアンダは脇役だが、展開部で少しメロディを鼻歌っぽく歌っているように聞こえるのは気のせいだろうか??第2楽章は短い(53小節)。フルニエが高音部で独奏し、アンダのピアノに支えられ、何とも言えない木管群の音色。シュナイダーハンとフルニエが重なると夢心地の時間が過ぎてゆく。第3楽章、つぎめなく始まる。中間部が聴きどころ。独奏が、ポロネーズのリズムに乗って動き回り絡み合う。コーダに入るとオーケストラも含め一気呵成に終結を迎える。この三重奏の定番と言えば、オイストラフ(Vn)・ロストロポーヴィチ(Vc)・リヒテル(Pf)といったさしずめ、1985年バース・掛布・岡田、1990年の秋山・清原・デストラーデ。3人の名手をそろえカラヤン・BPOがささえるというオールスターの演奏があるが、私はフリッチャイ盤に軍配を挙げたい。フルニエはやはり素晴らしい。

2020年7月22日水曜日

ブラームス ヴァイオリン協奏曲_バティアシヴィリ



ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP.77、リサ・バティアシヴィリ、ティーレマン:ドレスデン・シュターツカペレ 【2012年録音・ルカ教会】を聴く。
ドレスデンの豊潤な響きが、バティアシヴィリの美音を支える。バティアシヴィリは、日本音楽財団よりストラディバリウス1709年「エングルマン」、1715年「ヨアヒム」を貸与されていたが、この演奏では「ヨアヒム」を使用している。なお現在は、グァルネリ デルジェス1947年「ドナルドソン」を使用している模様。第1楽章、冒頭の第1主題は、朗々。低重心の弦楽群がコデッタを力強く下降してリサの独奏が情熱的に応える。リサは、美音でありながら線もしっかりしており、重音奏法でも濁らず。カデンツァは、「ブゾーニ」版という珍しいもの。(「ヨアヒム」使用してるのに・・・)これは、ティンパニーが先に入り、オーケストラの伴奏が入るもので、ルッジェーロ・リッチ、イザベル・ファウストしか聴いたことがない。第2楽章、オーボエの響きが綺麗。リサは、コロラトゥラのアリアを自在のテンポで揺らす。ある時は溜め、ある時は堰を切って。オーケストラはしっかりついてくる。これは、リサのテンポなのかティーレマンのテンポなのかわからない。第3楽章、軽快なロンドをキレをもって颯爽と駆け抜ける。重音音型でもやはりしっかりと美音を保つ確かな技術で弾き切る。SKDの厚みのあるサポートを受けた名演といえるだろう。

2020年7月18日土曜日

シューマン 交響曲第3番「ライン」_ジュリーニ



シューマン 交響曲第3番変ホ長調「ライン」、ジュリーニ:フィルハーモニー管弦楽団(1958年録音)にて聴こう。ご存じジュリーニのシューマン交響曲は「ライン」の録音しか見当たらない。「ライン」のジュリーニと言えば、「ロスフィル版1980年録音」が名盤として名高いが、私はこちらがお気に入りだ。しょっぱなから44歳の<男気>ジュリーニの颯爽とした音作りで幕開けする。ジュリーニはすでにフィルハーモニー版で、「マーラー改訂版」の採用による分厚いオーケストレーションを実現している。男ジュリーニのキビキビさ、金管の強奏・ティンパニーの迫力による躍動感、奔流のような推進力。と思いきやこれぞジュリーニを感じさせる感情移入に寄らない気高い旋律の歌いまわし、清冽なカンタービレ。すでにジュリーニはジュリーニだ。特に肝となる第4楽章の重層感は最高。そして2年前にデニス・ブレインは去っているのに、この時代のフィルハーモニー管のホルンは抜群に味があることも付け加えておきたい。

2020年7月11日土曜日

シューベルト 交響曲第8(9)番「ザ・グレート」_フリッチャイ

今朝は、ALTUSの「TAHRA復活シリーズ」から、シューベルト 交響曲第8(9)番ハ長調「ザ・グレート」、フリッチャイ(指)ヘッセン放送交響楽団(1955年ライブ)を聴く。
幾多ある「グレート」の名盤の中でも5本の指に入ると思っている造形美豊かな隠れ名盤。ヘッセン・・とは、現在のフランクフルト放送交響楽団のことです。フリッチャイ唯一の録音でもある。テンポのメリハリに加え符点リズムの跳ねとレガートの息の長さを自然な形で表現する棒振りの上手さ。躍動と雄大さ、美しさと優しさを併せ持つ「グレート」のコントラストを余すところなく構築するフリッチャイに一言「ブラボー!!」