2020年11月28日土曜日

ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲_シュナイダーハン・シュタルケル

 最近大学時代の同級生が我が敬愛する「フリッチャイ」にご執心なので触発されて初冬に似合うブラームスのダブルコンチェルト、通称ドッペル(ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲イ短調Op.102)を聴く。フリッチャイ:ベルリン放送交響楽団、シュナイダーハン(V)シュタルケル(VC)<1961年録音>。堂々たるトゥッティとそれを受けるシュタルケルの切れ味抜群の重量感ある太刀筋、続くシュナイダーハンの凛としていながら色気のある太刀筋。そして2つの独奏楽器が絡み合い,オクターブで同じメロディを演奏する時、2つの太刀筋が見事に融合してゆく。第2主題は、ヴァイオリンと木管。その優しく憂いに満ちたメロディも好きだ。第2楽章、ホルンの牧歌的な響きの後、独奏ヴァイオリンとチェロがシンプルに主題をオクターブのユニゾンで演奏する。このふるさと感が郷愁を誘う。中間部でのメロディは、ブラームスの優しさの一面を感じ取れずにはいられない。第3楽章、行進曲風なのに何か暗いチェロの独奏。このロンドは、2つの副主題をもちまるで室内楽のように進む。二人の持ち味を支えながら、重量感を維持しつつ胃もたれさせないフリッチャイと手兵ベルリン放送響の充実ぶりにも感服。