2023年11月18日土曜日

モーツァルト 交響曲第40盤_ペーター・マーク

 モーツァルト 交響曲第40番ト短調 K.550、ペーター・マーク、パドヴァ・エ・デル・ヴェネトー管弦楽団(1996年録音)を聴く。フルトヴェングラーに師事し、若くしてワルターを継ぐモーツァルト指揮者として出発するも、商業主義に嫌気が差し隠遁しギリシャ修道院へ入ったり、禅の修行をしたり。そんな身でありながら、復帰し悠然と好きな音楽をしたマークの晩年の録音。41番は評判だが、この40番はさほどでもないのだが私は好きだ。冒頭は楽譜通り速いテンポでありながら、見事に表情をつけ強弱を利かす。それによって彫りの深い味わいが生まれ、ホルンの力強さが立体感を与える。モーツァルトを愛するマークならではの、内声部の聴かせ方もなるほどと
思わせる。弦楽群は、時には繊細に、時には雄弁に歌う。

2023年11月11日土曜日

モーツァルト 交響曲41番「ジュピター」_カイルベルト

 モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K. 551 『ジュピター』 、カイルベルト(指揮)バンベルク交響楽団(1959年録音)を聴く。そのためのパーカーも用意したぞ!!

余談だが、TELDECの録音は優秀だ。私のチンケな音響システムでもしっかり鳴ってくれて解像度も高い。
カイルベルトは、後期交響曲をすべて録音しているが、いずれも骨太でウィーンの香りのしない他と一線を画するがっしりした演奏だ。特にこの41番。考えてみれば、ジュピターほど男性的な交響曲はないのだから、この正攻法のカイルベルトの音楽がしっくり来るのも頷ける。






モーツァルト レクイエム_ケンペ

 なんとなく久しぶりにモツレクを聴きたくなる。ルドルフ・ケンペ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 聖ヘトヴィク大聖堂合唱団 (S)エリーザベト・グリュンマー (A)マルガ・ヘフゲン (T)ヘルムート・クレープス (Bs)ゴットロープ・フリック (1955年MONO録音)。カラヤンに遡ること6年前の録音だ。フルトヴェングラーの録音が残っていないので(演奏はしたらしい)、BPO戦後初の録音とも言えよう。ゆっくりとしたテンポのケンペのモツレクは、その古びたエリーザベト・グリュンマー の発声法も相まって、フルヴェン時代の影響が色濃く残るベルリン・フィルの漆黒の響きを味あわせてくれる。聖ヘドヴィッヒ合唱団のしっかりとした歌唱は、インテンポで進むケンペの棒にマッチし、極上のフーガを奏でる。ゴットロープ・フリックの声は、柔らかみのあるバス、ヘルムート・クレープスは、若々しい歌声。サンクトゥス、ベネディクトス、アニュス・デイと、これまでと違う速めのテンポにしたのは、ジェスマイヤーによるものと区別するためかは分からない。いずれにしても、ベルリン・フィルの貴重な録音であることに疑いはない。