2017年11月26日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第24番_ハスキル

晩秋の夕方に何を聴こうか。モーツアルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調 k.491にしよう。ここはクララ・ハスキルで。名盤と言われた1960年のマルケヴィッチ盤ではなく、あえてモノラルの1955年LIVEのクリュイタンス;フランス国立放送管弦楽団で。


2017年11月23日木曜日

ドイツ・レクイエム 29

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第29回。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト 22.ガーディナー 23.ハイティンク 24.アバド 25.テンシュテット 26.メータ 27.ショルティ 28.ブロムシュテット
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第29回は、プレヴィン:ロンドン交響楽団&合唱団 ハロリン・ブラックウェル(ソプラノ)ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン (バリトン)<2000年ライブ録音>
プレヴィンは、ドイツレクイエムを得意としていたようで、1993年ロイヤルフィル、1986年ウィーンフィルと録音しています。ロイヤルフィル盤は生憎持っていません。ウィーンフィルは、半年後に第4回のジュリーニとの競演がありますので、ロンドンフィル盤にしました。
プレヴィンの構成は、音質明るめ、テンポは中庸です。
第1曲、出だし 弦楽に響きは明るめで、コーラスの導入により雲間から光が届けられる如く敬虔な調べを与えています。
ただし、「mit Freuden」のテーノルが残念!全体を通して優しく温かみのある演奏ではないでしょうか。
第2曲、どちらかというと重苦しくなる出だしのユニゾンは淡々と。しかしティンパニーの激しさとともに一転コーラスの訴えかける激しさ。ト長調へ転じた部分の優しさ穏やかさ。「Aber des Herrn 」の高揚感も見事!起伏に富んだオーケストレーションと相まって、第2曲の幅の大きさを十分に味わえる演奏です。
第3曲、ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソンは、日本にも来日してる。穏やかな顔立ちのおっさんとは思えない男前な声です。モノローグは淡々としかし、コーラスが加わる部分で緊迫度を高めながら進んでいきます。荘麗なフーガの「持続低音D」に乗っかるコーラスは、ゆったり目です。
第4曲、心安らぐ舞曲です。プレヴィンは、Selig動機の変奏となるこの曲の表情の移り変わりを楽しむように優しく作り上げています。
第5曲、グラミー賞歌手のハロリン・ブラックウェルの声は流石です。伸びの張り美しい声。天上から語り掛けてくる慈愛に満ちた声です。ラストの消えゆくpでの声は最高です。
第6曲、非常に落ち着いた雰囲気からバリトンのソロへ。緊張度を高めつつ、テンポも揺らしながら大フーガへ。アルトの入りは良い。ソプラノ少し疲れ気味。テノールやっと声が出てきたか。張り切りボーイが1人いる。
第7曲、Selig動機へ戻っての祝福の曲。テンポは普通だが、ゆっくり目に感じる。ここでも重くならずに優しく包み込むような演奏です。
いよいよ、来月は30回目に突入です。

2017年11月18日土曜日

モーツァルト ホルン協奏曲全集_ティルシャル

モーツァルト ホルン協奏曲全集を聴こう。
デニス・ブレイン、バリー・タックウェル、ペーター・ダム、ヘルマン・バウマン<ナチュラル・ホルン>・バボラークと名盤揃いの手持ちから本日選んだのは、ティルシャルの1回目録音盤。ご存知、チェコフィルには欠かせない存在と言われた首席奏者(1960年代後半-70年代)。
ボヘミアン・ホルンの柔らかく美しい音色に癒される。
第3番、4番第1楽章には、自由に吹く無表記のカデンツァがあるが、ティルシャルのカデンツァは、かなりの技巧を要する卓越したもので面白い。4番第2楽章が好きである。


2017年11月11日土曜日

ブロムシュテット、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管 コンサート

サントリーホールでのライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管のコンサート行ってきました。
ブロムシュテットさん、90歳というのに元気漫漫。グレートは暗譜で1時間、いやはや凄い爺様です。コンヴィチュニー好きな私ですが、ゲヴァントハウス管、初めてのコンサートでした。まずオーケストラ配置は、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが対向。第1ヴァイオリンの横がチェロ。コントラバスは右手(ステージから見て)のチェロの奥。
1曲目、カヴァコスとのブラームス ヴァイオリン協奏曲。
カヴァコスは、流石でした。艶のある美しい音、ppもホールに浸みわたるよう。カデンツァの時は、ホール中が息を飲んで聴き惚れていましたね。第1楽章が終わって私などは心の中で「ブラボー」と叫んでました。第2楽章、木管群の見せ場。オーボエ良かったです。愛情のある歌いっぷり。しかしRC席の特徴だろうか?管楽器群がどんどん響いて伝わってくる。席の問題でなければ、バランスという点では、もう少し抑え気味な方が・・・という贅沢な感想。
途切れなく始まった第3楽章、ジプシー風の主題、重音奏法はカヴァコスのおてのもの。いとも簡単という具合に、疾走してゆく。すばらしいコンチェルトでした。
アンコールのバッハ、こちらがまた見事な演奏。囁くように弾いたかと思えば、圧倒的なボリューム観でホール中を埋め尽くす立体感のある演奏。カヴァコス素敵です!!
2曲目。さあ、大好きな「グレート」の始まりです。(携帯の着信音、自分で編集して第2楽章入れてます。)
コントラバス8本には驚き。低重心の弦楽群を支えます。
提示部の繰り返しあり。(1も4も)
テンポは、速め。1982年のドレスデン盤とは別物、1993年のサンフランシスコ盤よりも速い気がしました。歳を取ると普通遅くなるのだが、ブロムは凄い。躍動感がハンパない!
第2楽章、木管群の上手さもさることながら、弦楽群がメリハリのある刻み、レガート共に美しい。
第3楽章のスケルツォ、この章が大のお気に入りなんですが、
決然とした弦楽群の合奏が重心が低く圧倒的でした。
モルダウ風の中間部も美しい。
終楽章、大迫力の冒頭のファンファーレ、息もつかせぬ強弱のコントラスト。オスティナートしながら、歓喜の歌まで疾走してゆく。テンポも自在に揺らすブロム。オーケストラも見事に食らいつく。まだまだ続くよ~。これが「天国的長さ」なのか。そして愈々クラリネットの「歓喜に歌」のメロディー登場。クライマックスでの低弦群の迫力も満点でした。お高いチケットですが十分に満足感のあるコンサートでした。





2017年11月5日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第13番_カッチェン

3連休3日目、今日は家でまったり過ごします。モーツァルトのピアノ協奏曲三昧でいきます。紹介の一曲は、「モーツァルト ピアノ協奏曲第13番 ハ長調 K.415」。
ジュリアス・カッチェン、ペーター・マーク+ロンドン交響楽団(1956年録音)で。
カッチェンと言えば、ブラームス。ブラームスと言えばカッチェンですが、カッチェンのデビュー曲は、実はモーツァルトのピアノ協奏曲20番なんです。同じく、メーター・マークとの20番は、名演の誉れ高い1曲です。
今日は、あえて13番を書きます。トラッペット、ティンパニーを加えて極めて華やかさをもつ曲である。
第1楽章、いきなり壮麗な弦楽のフーガで始まる大らかなオーケストレーションです。カッチェンのキラキラしたピアノが加わると、音場がさらに雄大に広がっていくのがわかります。シンフォニックな管弦楽、その中で華麗なピアノは、時折憂いを見せながらソリスティックに展開してゆく。
第2楽章、優しさに満ちた緩徐楽章。
第3楽章、これが「白眉」。モーツァルトのフィナーレらしく軽やかなテンポのハ長調で始まるのですが、アダージョに変化してハ短調のエピソード。胸がグッと詰まりそうなほどの寂しさを感じるメロディ。ここでのカッチェンの冴えた音は流石だ。(エピソードはもう一度出てくる)このエピソードに挟まれた中間部の陰陽の面白さも魅力の一つである。