2007年1月21日日曜日

春を待つ~モーツァルトを語る 第8弾

Mozart14 第八弾は、春を待つこの時期にふさわしい「ヴァイオリンソナタ 第28番 変ホ短調 K304」だ。
何故この曲を選んだか。それは数あるヴァイオリンソナタの中で唯一短調で書かれた曲だからである。K301からK306のヴァイオリンソナタは通称「マンハイムソナタ」と呼ばれている。しかしこの曲はパリで完成している。
第1楽章の冒頭のピアノとヴァイオリンのユニゾンはとにかく悲しい。まるでシチリアーノのようなメロディーだ。深い寂寥感。しかしこれを突き破るような長調のテーマ。そしてまた悲しみのメロディーに。音楽性の詳しくは{池晋}が書いている(モーツァルトの音符たち)ので省略だ。
私が好きなのは、何といっても第2楽章の冒頭である。ピアノで始まり、ヴァイオリンで繰り返すこの第1テーマは、「はかなく切ない」とはこの音であるとしか言いようがない。やっぱりモーツァルトはすごい。

それでは、k.304.2.(クリック)をお聴きください。

2007年1月15日月曜日

国歌

タイトルは、「国歌」だが別に国粋的なことを書くつもりはありません。

まずフランス国歌「ラ・マユセイエーズ」について。
その歌詞の日本語訳を見ると驚かされる。

祖国の子どもたちよ、栄光の日がやってきた!
我らに向かって、暴君の血塗られた軍旗がかかげられた
血塗られた軍旗がかかげられた
どう猛な兵士たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか?
子どもや妻たちの首をかっ切るために、
やつらは我々の元へやってきているのだ!
武器をとれ、市民たちよ 自らの軍を組織せよ
前進しよう、前進しよう!
我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために!

日本の「君が代」は天皇賛歌だと批判されるが、フランス国歌に比べれば、可愛らしいもんだと思う。
さて本題に入ろう。非常に美しいメロディーの国歌がある。サッカーワールドカップで何度も聴いた。

そう ドイツ国歌である。ドイツ国歌は、ハイドン作曲 弦楽四重奏曲OP76-3 第77番ハ長調「皇帝」なのだ。もとはこれは、オーストリア国歌だった。
なにせハイドンはオーストリア人なんだから。快活かつさわやか そして甘美。そんな曲である。

それでは、原曲 emperor_poco_adagio_cantabile  (クリック)をお聴きください。

2007年1月4日木曜日

2007年 正月 - モーツァルトを語る 第7弾

23083561 12/31NHK モーツァルト・イヤー2006ハイライト みてしまいました。
そのあと録画で、何度もある1曲だけを繰り返し繰り返し聴いています。
クレーメル・バシュメット う~んジジイになったなあ、いやいやでも最高でした。
ということで第七弾は、「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364」である。やはりこの曲は紹介せねばならないだろう。
アインシュタインは「ヴィオラはより明るく、より輝かしく響いて、オーケストラのヴィオラ群からくっきり浮き出なくてはならない。この二重コンチェルトは、モーツァルトがヴァイオリン・コンチェルトで追求したものの頂点でもある。」と書いている。
悲哀の満ちた第2楽章を聴くと、ヴァイオリンとヴィオラのすすり泣きに思わず涙してしまうのは私だけではないだろう。単に古典派音楽と呼んでいいはずがない。単純にそう思う。23歳の青年が何を思い描けばこのメロディーが出てくるのであろうか。母の死か、アロイジアとの別れか などとよく書かれているが、果たしてそれだけだろうか。凡庸なる者には理解できないか。

まあとにかくsymphonia_concertante_in_es_dur_andante_k_364 (クリック)をお聴きください。 

若き日のクレーメル、指揮アーノンクール(ウィンフィル)でお届けします。よかったらコメントもお願いします。