2019年6月29日土曜日

フォーレ レクイエム_アンゲルブレシュト

フォーレ「レクイエム」を久しぶりに聴きたくなった。クリュイタンスでもなく、バレンボイムでもなく、コルボ、ヘレヴェッヘでもなく、デジレ=エミール・アンゲルブレシュト指揮 フランス国立放送管弦楽団・合唱団(1955年録音)フランソワーズ・オジュア (S)ベルナール・ドゥミニ(Br)ジャンヌ・ブドリー・ゴダール (Org)で。
まずは、オジュアのソプラノが凄くいい。清楚で真摯なソプラノだ。ドゥミニのバリトンは、癖のないいい声でフォーレの音にとてもよくあっている。録音の為か、コーラスが極めて直線的に声を届けてくれる。決して抜群に上手いというわけではないが、気品を崩さずいかに

も宗教的である。

2019年6月9日日曜日

ブルックナー 交響曲第7番_フルトヴェングラー



今日の音楽。ブルックナー 交響曲第7番ホ長調、フルトヴェングラー;BPO(録音、1949年)にて。
「フルトヴェングラーならでは」は、第1楽章冒頭から聴こえてくる。チェロの振幅の大きなフレーズに合わせ、ヴァイオリンのトレモロが同じように謳う。そしてチェロからヴァイオリンへ旋律が移ると一気に熱量が高まる。これほどに熱い冒頭はあまり聴かれない。(ちなみに、この録音では、チェロからヴァイオリンへ移行する前に1音だけホルンがアウフタクトで入るパターン)、これは再現部でのトレモロも同じ。そして、なんといってもチェロの響きの素晴らしさ。
第2楽章Adagioは、振幅・起伏のある弦楽群、第2主題出だしの穏やかさ、そこからフレージングにそって音量を変化させつつ音楽そのものの密度を深めていきます。そしてラストのワグナーチューバとホルンの意志を持つ調べが印象的です。
第3楽章のスケルツォは、フルヴェンの真骨頂。自然な高揚感を伴いズンズン歩をすすめる。中間部では、ヴァイオリンを優しく歌わせる。ラストは、魔界の軍団が突き進むような激しさ。
やはり名盤か。