2017年12月22日金曜日

ペリコレージ スターバト・マーテル_クレマンシック

クリスマス前には、あまり相応しくはないがペルコレージの「スタバート・マーテル」を聴いている。映画「アマデウス」で、サリエリの幼少期場面でも使われた曲ですね。
指揮:ルネ・クレマンシック;クレマンシック・コンソート
ミエケ・ファン・デア・スルイス(S)
ジェラール・レーヌ(C-T)(録音:1986年)
こちらを私が名盤としているゆえんは、ひとえに通常アルトをレーヌの素晴らしいカウンターテーナーとしている点か。
無名時代のビオンディとヒロ・クロサキがバロック・ヴァイオリンで参加もしています。


2017年12月15日金曜日

ドイツ・レクイエム 30

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。なんと第30回となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト 22.ガーディナー 23.ハイティンク 24.アバド 25.テンシュテット 26.メータ 27.ショルティ 28.ブロムシュテット 29.プレヴィン
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せっかくの第30回目なので、ドイツ語で歌うドイツレクイエムなのに、英語で歌っている、トスカニーニ盤をご紹介。
トスカニーニ:NBS交響楽団、ウエストミンスター合唱団、
ヴィヴィヴァン・デラ・キエザ(S)ヘルベルト・ジャンセン(Br)<1943年1月録音>。
何故、英語なのか?そうです、録音年を見ればわかります。
アメリカとドイツ 戦争中です。敵国語はご法度。日本もそうでした。録音は、お察しの通りギリギリ聴ける程度ものです。
テンポは、キビキビとしたハイペースと思われるでしょうが、全く予想外でした。第2曲が極めて特徴的で、かのジュリーニよりもさらに遅いテンポ。しかし、もったりした感じは一切しません。コーラスには、非常に優しく歌わせ語り掛けるようなドイツレクエイムです。
インテンポの神様とは思えない程、大きくテンポも揺らしながらも、ティンパニーの叩き込みなど、地底の奥底から徐々にクレッシェンドさせるがごとく、オペラ的な要素も加え、ドラマチックな構成にしています。そして、「しかし主の言葉は残る、永遠に。」の高らかさは、思わず興奮します。この第2曲の壮大さは、右に出るものはいないでしょう。
第3曲、バリトンのジャンセン(ドイツ人)の声は、朗々。コーラスを交えてのトスカニーニの緊迫感ある構築は凄いの一言。
終盤のフーガもゆっくりしたテンポで朗々と・・・。クライマックスへ向けて信仰心という重戦車が突き進んでいくようです。第4曲も舞曲は、打って変わって優雅に・・・。
第6曲、転調後のバスのソロからの緊張感、踏みしめるようなスフォルツァンドの明確さ、大フーガ手前の絢爛さは、尋常ではない。大フーガの弦楽のメリハリ、コーラス群の説得力。
第7曲、思い切りフォルテで登場するソプラノには驚き。トスカニーニの終曲は、淡々としています。
本当に録音が古いのが残念です。トスカニーニらしい、最大に熱いドイツレクイエムです。


2017年12月9日土曜日

チャイコフスキー 交響曲第5番_シルヴェストリ

本日は極寒の中、久しぶりのゴルフである。
寒さ対策の準備とともに、気合と入れるため、シルヴェストリ:フィルハーモニア管(1957録音)によるチャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 Op.64を聴く。
さてこの5番。奇人と呼ばれたシルヴェストリとしては、独特のアーティキレーション、テンポのメリハリやうねりをもつものの、決して奇をてらわぬ構築が魅力だと思っている。
何といっても第2楽章が珠玉。デニス・ブレインによる完璧な音色が光るホルンのソロ。そして中間部に登場するバーナード・ウォルトンによる短調の調べによるクラリネット。ちょっとこの2楽章の右に出るものないか!
2.4楽章に比べ影は薄いが、3楽章のワルツもお気に入り。中間部の木管群の滑らかさ、「運命動機」がコーダ後半でクラリネットとファゴットに静かに登場するところもにくい!
終楽章のシルヴェストリの壮絶な推進力の快速コーダは病みつきだが、冒頭からその予感が始まる。
引き締まったフィルハーモニア管の弦楽群によるセクション、Allegro vivaceからのティンパニの急激なクレッシェンドと撃ち込み、金管群の堂々たるユニゾン。コーダ直前のテンポの劇的変化も魅力だ。良い1曲を聴きました。
さあ、朝風呂は行って、ゴルフ頑張ろう!!



2017年11月26日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第24番_ハスキル

晩秋の夕方に何を聴こうか。モーツアルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調 k.491にしよう。ここはクララ・ハスキルで。名盤と言われた1960年のマルケヴィッチ盤ではなく、あえてモノラルの1955年LIVEのクリュイタンス;フランス国立放送管弦楽団で。


2017年11月23日木曜日

ドイツ・レクイエム 29

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第29回。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト 22.ガーディナー 23.ハイティンク 24.アバド 25.テンシュテット 26.メータ 27.ショルティ 28.ブロムシュテット
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第29回は、プレヴィン:ロンドン交響楽団&合唱団 ハロリン・ブラックウェル(ソプラノ)ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン (バリトン)<2000年ライブ録音>
プレヴィンは、ドイツレクイエムを得意としていたようで、1993年ロイヤルフィル、1986年ウィーンフィルと録音しています。ロイヤルフィル盤は生憎持っていません。ウィーンフィルは、半年後に第4回のジュリーニとの競演がありますので、ロンドンフィル盤にしました。
プレヴィンの構成は、音質明るめ、テンポは中庸です。
第1曲、出だし 弦楽に響きは明るめで、コーラスの導入により雲間から光が届けられる如く敬虔な調べを与えています。
ただし、「mit Freuden」のテーノルが残念!全体を通して優しく温かみのある演奏ではないでしょうか。
第2曲、どちらかというと重苦しくなる出だしのユニゾンは淡々と。しかしティンパニーの激しさとともに一転コーラスの訴えかける激しさ。ト長調へ転じた部分の優しさ穏やかさ。「Aber des Herrn 」の高揚感も見事!起伏に富んだオーケストレーションと相まって、第2曲の幅の大きさを十分に味わえる演奏です。
第3曲、ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソンは、日本にも来日してる。穏やかな顔立ちのおっさんとは思えない男前な声です。モノローグは淡々としかし、コーラスが加わる部分で緊迫度を高めながら進んでいきます。荘麗なフーガの「持続低音D」に乗っかるコーラスは、ゆったり目です。
第4曲、心安らぐ舞曲です。プレヴィンは、Selig動機の変奏となるこの曲の表情の移り変わりを楽しむように優しく作り上げています。
第5曲、グラミー賞歌手のハロリン・ブラックウェルの声は流石です。伸びの張り美しい声。天上から語り掛けてくる慈愛に満ちた声です。ラストの消えゆくpでの声は最高です。
第6曲、非常に落ち着いた雰囲気からバリトンのソロへ。緊張度を高めつつ、テンポも揺らしながら大フーガへ。アルトの入りは良い。ソプラノ少し疲れ気味。テノールやっと声が出てきたか。張り切りボーイが1人いる。
第7曲、Selig動機へ戻っての祝福の曲。テンポは普通だが、ゆっくり目に感じる。ここでも重くならずに優しく包み込むような演奏です。
いよいよ、来月は30回目に突入です。

2017年11月18日土曜日

モーツァルト ホルン協奏曲全集_ティルシャル

モーツァルト ホルン協奏曲全集を聴こう。
デニス・ブレイン、バリー・タックウェル、ペーター・ダム、ヘルマン・バウマン<ナチュラル・ホルン>・バボラークと名盤揃いの手持ちから本日選んだのは、ティルシャルの1回目録音盤。ご存知、チェコフィルには欠かせない存在と言われた首席奏者(1960年代後半-70年代)。
ボヘミアン・ホルンの柔らかく美しい音色に癒される。
第3番、4番第1楽章には、自由に吹く無表記のカデンツァがあるが、ティルシャルのカデンツァは、かなりの技巧を要する卓越したもので面白い。4番第2楽章が好きである。


2017年11月11日土曜日

ブロムシュテット、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管 コンサート

サントリーホールでのライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管のコンサート行ってきました。
ブロムシュテットさん、90歳というのに元気漫漫。グレートは暗譜で1時間、いやはや凄い爺様です。コンヴィチュニー好きな私ですが、ゲヴァントハウス管、初めてのコンサートでした。まずオーケストラ配置は、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが対向。第1ヴァイオリンの横がチェロ。コントラバスは右手(ステージから見て)のチェロの奥。
1曲目、カヴァコスとのブラームス ヴァイオリン協奏曲。
カヴァコスは、流石でした。艶のある美しい音、ppもホールに浸みわたるよう。カデンツァの時は、ホール中が息を飲んで聴き惚れていましたね。第1楽章が終わって私などは心の中で「ブラボー」と叫んでました。第2楽章、木管群の見せ場。オーボエ良かったです。愛情のある歌いっぷり。しかしRC席の特徴だろうか?管楽器群がどんどん響いて伝わってくる。席の問題でなければ、バランスという点では、もう少し抑え気味な方が・・・という贅沢な感想。
途切れなく始まった第3楽章、ジプシー風の主題、重音奏法はカヴァコスのおてのもの。いとも簡単という具合に、疾走してゆく。すばらしいコンチェルトでした。
アンコールのバッハ、こちらがまた見事な演奏。囁くように弾いたかと思えば、圧倒的なボリューム観でホール中を埋め尽くす立体感のある演奏。カヴァコス素敵です!!
2曲目。さあ、大好きな「グレート」の始まりです。(携帯の着信音、自分で編集して第2楽章入れてます。)
コントラバス8本には驚き。低重心の弦楽群を支えます。
提示部の繰り返しあり。(1も4も)
テンポは、速め。1982年のドレスデン盤とは別物、1993年のサンフランシスコ盤よりも速い気がしました。歳を取ると普通遅くなるのだが、ブロムは凄い。躍動感がハンパない!
第2楽章、木管群の上手さもさることながら、弦楽群がメリハリのある刻み、レガート共に美しい。
第3楽章のスケルツォ、この章が大のお気に入りなんですが、
決然とした弦楽群の合奏が重心が低く圧倒的でした。
モルダウ風の中間部も美しい。
終楽章、大迫力の冒頭のファンファーレ、息もつかせぬ強弱のコントラスト。オスティナートしながら、歓喜の歌まで疾走してゆく。テンポも自在に揺らすブロム。オーケストラも見事に食らいつく。まだまだ続くよ~。これが「天国的長さ」なのか。そして愈々クラリネットの「歓喜に歌」のメロディー登場。クライマックスでの低弦群の迫力も満点でした。お高いチケットですが十分に満足感のあるコンサートでした。





2017年11月5日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第13番_カッチェン

3連休3日目、今日は家でまったり過ごします。モーツァルトのピアノ協奏曲三昧でいきます。紹介の一曲は、「モーツァルト ピアノ協奏曲第13番 ハ長調 K.415」。
ジュリアス・カッチェン、ペーター・マーク+ロンドン交響楽団(1956年録音)で。
カッチェンと言えば、ブラームス。ブラームスと言えばカッチェンですが、カッチェンのデビュー曲は、実はモーツァルトのピアノ協奏曲20番なんです。同じく、メーター・マークとの20番は、名演の誉れ高い1曲です。
今日は、あえて13番を書きます。トラッペット、ティンパニーを加えて極めて華やかさをもつ曲である。
第1楽章、いきなり壮麗な弦楽のフーガで始まる大らかなオーケストレーションです。カッチェンのキラキラしたピアノが加わると、音場がさらに雄大に広がっていくのがわかります。シンフォニックな管弦楽、その中で華麗なピアノは、時折憂いを見せながらソリスティックに展開してゆく。
第2楽章、優しさに満ちた緩徐楽章。
第3楽章、これが「白眉」。モーツァルトのフィナーレらしく軽やかなテンポのハ長調で始まるのですが、アダージョに変化してハ短調のエピソード。胸がグッと詰まりそうなほどの寂しさを感じるメロディ。ここでのカッチェンの冴えた音は流石だ。(エピソードはもう一度出てくる)このエピソードに挟まれた中間部の陰陽の面白さも魅力の一つである。


2017年10月21日土曜日

ドイツ・レクイエム 28

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第28回。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー23.ハイティンク24.アバド25.テンシュテット26.メータ27.ショルティ
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第28回は、ブロムシュテット;サンフランシスコ交響楽団&合唱団、エリザベス・ノルベルイ=シュルツ(S)ヴォルフガング・ホルツマイアー(Br) <1993年録音>です。
ブロムシュテットは、ドイツレクイエムを得意としているのか、好きなのか度々演奏しています。来月、ゲヴァントハウス管での日本公演も予定されている。CD化されているのは、この演奏だけである。(CD-Rでのデンマーク放送交響楽団との演奏あり)
第1曲、冒頭低減を抑えめにしてメロディーラインを際立たせて始まる。テンポはゆっくり目、非常に清廉な面持ちでのコーラスの入り。たっぷりと柔らかく。ブロムシュテットらしく、木管の際立たせ方は、抜群。
第2曲、決してドラマチックな情緒性を持たず、起伏のある部分においても粗野にならず極めて謹厳なる演奏といえよう。
イザヤ書35章、アレグロ部においてもそれは変わらない。確たる刻みの中で、コーラスが歌い上げてゆく。
第3曲、ホルツマイヤーの声は、実に艶っぽい。ソロのモノローグをコーラス部の模倣によって徐々に緊迫感を高めてゆく様が見事。フーガでは、持続低音Dの地響きを明確に唸らせながら速めのテンポで、フォルテまで突き進んでいきます。
第4曲、心安らぐ舞曲。コーラスを優しく包み込むようなオーケストラ。二重フガートは、歯切れよく。
第5曲、ノルベルイ=シュルツの歌声は、深みがある。ゆっくりとしたテンポの中、悲しみと慰めを滔々と。
第6曲、テンポは、中庸、冒頭より少し抑制気味に、「Hölle, wo ist dein Sieg?」へ向けてのスフォルツァントも全く感情的にならず、むしろ淡々と管打とコーラスを推し進めてゆく。
大フーガも、少しも前のめりにはならず、ゆったりと始まり規律正しく。ブロムシュテットは、粗野になることを極めて嫌い、あくまでも気高さを強調しているようだ。


2017年10月15日日曜日

ブラームス ピアノ小品集_ルプー

本日は、雨につき自宅でまったり。男子ゴルフ「日本オープン」をテレビで観戦のあと、ラドゥ・ルプーでブラームスの ピアノ小品集を聴いている。秋の雨に日には、勿論ヴァイオリン・ソナタ1番もいいけど、3つの間奏曲 Op.117もGoodです。
カーゾン、カッチェン、アファナシエフと手持ちがありますが、今日は、ルプーで。
透明感のある情緒的な曲を透明感のあるルプーの音で聴くとより効果的だ。


2017年10月1日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第19番_ハイドシェック


今日の一枚。名だたるピアノコンチェルト群におかげで、あまり紹介されたり演奏されたりしない、モーツァルト ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459。
ハイドシェック+グラーフ:ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団(1993年録音)で。
ハイドシェックには、1960年代のヴァンデルノートとの20番台以降の溌剌とした演奏があるが、今日は、円熟50歳代の選集から19番をご紹介。
この19番は、26番「戴冠式」とともに、1790年のレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会で演奏されたことで「第二戴冠式」と呼ばれている。実は、トランペット、ティンパニーのパート譜が紛失しており、今では聴くことができないといわれている。しかしヘ長調作品にトラッペット・ティンパニーは使用していなので、それも怪しいとの説もある。
第1楽章、快活なリズムに乗って展開する。これはご存知16番以降すべて同じリズムである。19番は5度の跳躍により少しテンション高く駆け抜けていく感じ。ハイドシェックのピアノも飛び跳ねるように、転げまわるように展開してゆく。
第2楽章、モーツァルトには珍しい8分の6拍子の緩徐楽章である。これは、交響曲の31番「パリ」38番「プラハ」くらいしか思いつかない。ピアノと木管との掛け合いの美しいメロディ。
第3楽章、これがまた面白い構成なのである。ピアノで始まる第1主題が終わっ高と思うと、突然にフガートが開始する。しかも低音から開始し、高音が重なっていく二重フガートへ。単なる軽快な曲と思ったのが、いきなり荘重な曲に変化してゆくのである。ハイドシェックは、やはり一音一音がキラキラしていて切れ味があります。
19番と言えば、ハスキル:フリッチャイだろうという方(自分)もいるかと思われますが、今日は、ハイドシェックで楽しみました。

2017年9月30日土曜日

ブルックナー 交響曲第2番_コンヴィチュニー


今週は、2日間のんびりと音楽に浸りたいと思います。
今日ご紹介の一枚。
ブルックナー 交響曲第2番 ハ短調 WAS.102 (ハース版)、フランツ・コンヴィチュニー:ベルリン放送交響楽団。(1951年録音)。
第1楽章、ヴァイオリンとヴィオラのトレモロ(原始霧)の中からチェロが主題を奏で始めると、それはもうまさしくブルックナー!!トランペットの3連符による信号リズムに、ドロドロとしたティンパニーの連打。大きく盛り上がったかと思うと、静かにティンパニーが3つ。そしてブルックナー休止。ここからチェロによる第2主題の始まりです。このメロディーが美しくて好きでたまらない。
第2楽章、幽玄的なアダージョです。(ハース版はアダージョ)深みのある弦楽群。ブルックナーの中でも純朴な雰囲気が最も濃厚に溢れているアダージョではないだろうか。特に木管群の音彩にそれは表出している。何度も聴くと、とぎれとぎれの後に現れる弦楽の美しさに酔いしれる。
さて最後のホルンの跳躍は、ハース稿の証か。
第3楽章、多重音のスケルツォ。無骨さが際立ち、コンヴィチュニーにピッタリ。バリバリの金管群の分厚い音。中間部の弦楽群の美しさ。そして見事なアンサブル
第四楽章、「運命」の動機を伴うこの楽章の、私の利き所は押し寄せる音の波間に現れる「コントラバス」の低重感。
コンヴィチュニーらしい怒涛の金管群のバリバリ音が聴ける楽しさもある名盤だ。

2017年9月18日月曜日

ドイツ・レクイエム 27


月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第27回目となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー23.ハイティンク24.アバド25.テンシュテット26.メータ
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第27回は、ショルティ:シカゴ交響楽団&合唱団  キリ・テ・カナワ(ソプラノ)ベルント・ヴァイクル(バリトン)<1978年録音>です。
ショルティの印象を覆す極めて有機的で清冽にして敬虔なドイツレクイエムです。それでいて、メリハリも十分でブラームスの編み込んだ音の洪水をオーケストラが見事に表現しています。またコーラスも抜群に上手い。私の中では5本の指に入る名演です。

一番の特徴は、第1曲と終曲。たっぷりとコーラスに歌わせるところは、まるでジュリーニのようです。
第1曲、極めて優しい弦楽の響きの中から神秘的にコーラスが登場します。そしてこの曲の「働くものの涙が喜びにかわる様」を、「慰め」の安らぎをオケ・コーラス共に見事にコンロトールして一体化して表現してくれています。
文句なし!!
第2曲、重苦しい出だしのオーケストラもかなり抑え目で、ティンパニーもまるで山の向こうから聴こえてくるようです。十分に抑えてからのクレッシェンドが効果的です。長調へ転じてからの安らぎ感も卓越。
第3曲、哀歌から希望への歌を、ショルティは独白的ではなく、少しドラマチックに構成している。ヴァイクルの声は、その意図に十分に応えきる繊細さと声力を持ち合わせている。個人的にはもう少し、バランス的に「持続低音のD」が欲しいけど!
第4曲、心安らぐ舞曲。ここでもショルティは、コーラスにたっぷりと歌わせ、オーケストラの強弱が其のコーラスを見事に支えています。この曲で弦楽群の上手さが光ります。
第5曲、ショルティはかなり遅めのテンポを選択。キリ・テ・カナウの「透き通る声をたっぷりと聴きましょう」ということでしょう。悲しみを訴えるというより優しく包み込むような仕上がりにできています。
第6曲、少し早めのテンポです。復活と再生の場をドラマチックに進行してゆきます。さすが、ショルティ!オペラのようです。金管群の抑制された統一感。
それでいて効果的な響き、さすがシカゴ響です。
大フーガもキビキビとしており、(出だしのアルト上手い!!)クライマックにむけ、Selig動機出現から変化してゆく、力強さ、華麗さ、優美さを見事に表現。素晴らしい賛歌です!
第7曲。出だしのソプラノが惜しい!ショルティは、この終曲に15分近くかけています。ブラームスの命題である「報いと救い」。かなりじっくりとコーラス群に歌わせることで、敬虔で静謐な終曲を構成しています。
すばらしい演奏です。


2017年8月19日土曜日

ドイツ・レクイエム 26

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第26回目となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー23.ハイティンク24.アバド25.テンシュテット
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第26回は、メータ:イスラエルフィル+ガリーベルティーニ・イスラエル合唱団、チェン・レイス(Sp)ミュラー=ブラッハマン(Br)<1981年テルアビブ・Live録音>
第1曲は、極めて静謐にコラールが始まる。テンポはかなり速めで淡々と。
第2曲は、かなりドラマチックな構成で演奏される。変ロ短調部分の重苦しさ、とト長調「So seid nun geduldig, lieben Brüder・・・」部分の優しさの差をくっきりと。
第3曲、ブラッハマンはいい声だ。哀歌らしさを強調する歌声だ。後半の持続低音Dに乗っかるフーガの迫力も満点。やはり弦楽群は美しい。
第4曲、この舞曲は、ソプラとテノールの美しさが肝である。テノールが少し残念だ!
第5曲、美貌のチェン・レイス。歌声も透き通った響き中に、母性の優しさを秘めており素晴らしい。
第6曲、かなり早めのテンポ。大フーガへ向かうまでの管打、唸る弦楽は流石。
大フーガの冒頭は、個人的には少し弱めに淡々と何事もなくAltoに始めてほしいのだが、かなり気合十分でスタート。
終曲、第1曲を速いテンポですすめたメータであるが、終曲はじっくりと。
ブラームスの命題でもある、イ長調へ転調してからの「神の祝福と報い」の部分をコーラスに大事に歌わせているのがわかる。東日本大震災時でのメータの人間力は、こうした所にちゃんと表現されているのだ。



2017年8月17日木曜日

フランク  ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調_モリーニ

今夜の一曲。フランク ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調。かのイザイに献呈され、初演された作品である。
カピュソンとブニアティシヴィリといきたいところですが、偏屈おじさんが、選んだのはモリーニ&フィルクスニーです。(1961年録音)
人生の喜怒哀楽、不安・焦燥・蠢動・嘆き・解放・安堵・・・・すべてを内包しているかのような二重奏曲。
きっとこの曲のファンは多いはず。
モリーニの清冽な音が心に浸みわたります。
モリーニと言えば、忽然と消えた名器ストラディバリウス「ダビドフ・モリーニ」。300万ドルの価値があるそうですが、見つかったのだろうか?



2017年8月5日土曜日

シューベルト 交響曲第5番_ペーター・マーク


今日は、少し暑さがぶり返してきましたね。こんな夜の一枚。シューベルト 交響曲第5番 変ロ長調 D.485を聴こう。ペータ・マーク指揮 フィルハーモニア・フンガリカ(1968年録音)シューベルトの交響曲全集から。
フィルハーモニア・フンガリカは、ハンガリーのオーケストラと思われがちですが、ハンガリー動乱の折に、西側に亡命した演奏家によって組織されたオーケストラで、1960年からドイツのマール(Marl)を拠点として活動していたオーケストラです。(残念ながら既に解散)
さて5番といえば、グールドのドキュメント映画で「シャイな音楽とはこのことだ」といって弾き始める曲で有名だ。(いや有名ではないかも)
フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦5部という小編成。第1楽章の4小節の序奏から優しさにあふれたメロディで始まります。どこまでも軽やかです。
第2楽章アンダンテは、さらに優美なメロディ。でもそこに少しだけ影がさします。まるでモーツァルトを聴いているようだ。
そして、第3楽章メニュエット&トリオ、これはその雰囲気がモーツァルトの40番 第3楽章にそっくりなのだ。主調がト短調でもあり、トリオがト長調であるのも同じ。青年シューベルトもやはりモーツァルティアンでしたか。(ぜひ聴き比べてみてください)
フィナーレも、軽快で華やかさの中に、優美さを忘れないメロディ。非常に地味で滋味なシンフォニーですが、好きです。
後期モーツァルトの交響曲集で見事な才能を発揮しているマークですが、シューベルト全集も素晴らしいです。 

2017年7月28日金曜日

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」_コンヴィチュニー

今夜の一枚・ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」ホ短調 Op.95。コンヴィチュニー:バンベルク交響楽団(1961年録音)。オイロディスクによる隠れた名盤の「ドヴォ9」を聴こうか。ドイツ人によるドイツ オケのドイツっぽい「新世界より」と思われがちだが、さにあらず!!コンヴィチュニーは、モラヴィア(チェコ)生まれ、ブルノ育ちであり、バンベルク交響楽団は、ナチス時代にチェコのドイツ系住民によって設立された「プラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団」が前身。すなわちその心底にチェコ=ボヘミア魂をもつ組み合わせの「新世界より」なのである。
まず、第1楽章の時間だが、12:08である。オタッキー諸氏はもうおわかりだろう。提示部の反復をおこなっているのだ。
渋めの乾いた弦楽の序奏からのホルンの信号!この音が抜群に哀愁を誘う音。そして、その後の低重心の弦楽群にグッと惹き付けられる。繰り返しの多いこの曲において、この「音」への自己への適合性は好き嫌いをはっきりさせる。その意味で極めて私にとって融合度の高い「バンベルク響」の響きとコンヴィチュニーのアーティキュレーション力といえる。
第2楽章、お馴染みのラルゴ。でも変に情緒的に演奏してほしくない。何故なら、この楽章は「変ニ長調」であり、主調のホ短調の遠隔調を用いることで、すでに幽玄的な浮遊感を兼ね備えているからだ。そしてコーラングレ(イングリッシュホルン)のもつ独特の哀愁感で十分なのだ。
その意味でコンヴィチュニー:バンベルクのシンプルで変な甘さのない演奏は、ある種のノスタルジックな気品を備えすばらしい。その上、イングリッシュホルンが100点満点の200点というくらいに「うまい」「味がある」からいうことなしである。その分、嬰ハ短調での中間部では巨匠は、十二分にテンポを揺らし、微妙な強弱で慈しむような演奏を心がけている。
3楽章スケルツォ、正攻法。要所要所に出てくる低弦のうなりがコンヴィチュニーらしくて思わず、口元が綻ぶ。
4楽章、分厚い音の波でありながら、どことなく田舎臭く、牧歌的なフィナーレ。怒られるかもしれないが、これこそボヘミアン風味を十分に兼ね備えた魂のフィナーレなのかもしれない。
大事な1枚である。


2017年7月23日日曜日

ドイツ・レクイエム 25

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第25回目となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー23.ハイティンク24.アバド
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第25回は、テンシュテット:ロンドンフィル+合唱団、ルチア・ポップ(Sp)トーマス・アレン(Br)<1984年ライブ録音>です。
テンシュテットは、この少し前にスタジオ録音をしていますが、今回はライブ盤での紹介です。
第1曲、冒頭の重厚さとゆったりとしたテンポで、テンシュテットが、如何なるドイツレクイエムを表現しようとしたかわかります。この第1曲の遅さは、かのチェリビッダケ盤を除けば恐らく最長でしょう。コーラスには、たっぷりと厳かに歌わせつつ、オーケストラはどこか悲しみを湛えているようです。
第2曲に入っても「変ロ短調」部分にこの第1曲の独特の構成が受け継がれる。「So seid・・・」の「変ト長調」で突如パッと光が差し込むような明るさが現われるが、またすぐに引き戻される。
そして終盤コーラス群の「喜び」をオーケストラの起伏により支えて進む。
第3曲 予想通りトーマス・アレンの暗く沈みこむような独白。
「うまい!」希望へ転じるフーガも叫びきることなく滔々と。
第4曲 テンシュテットはこの優しい舞曲にはそれほど思い入れはないようだ。淡々としている。
第5曲 ルチア・ポップの声は、私には少し明るすぎるが、さすがに伸びと響きが美しい。
第6曲 やはり数々の演奏で見せた鬼気迫るテンシュテットの暗黒的荒々しさは持ち込まれていない。「レクイエム」としての静謐の中で、華麗な大フーガも優美さをもちつつ展開するのだ。
重量感のある演奏ではあるが、敬虔さを失わずに作り上げており、テンシュテットの違った一面を感じることのできる1枚ではないだろうか。


2017年7月15日土曜日

マーラー 交響曲第4番_ホーレンシュタイン



今日の早朝の1曲。マーラー 交響曲第4番。ヤッシャー・ホーレンシュタイン:ロンドンフィル、(Sp)マーガレット・プライス(1970年:録音)。ゆっくりとしたテンポの第1楽章が特徴的で、じっくりと耽美的に聴かせてくれる。白眉の第3楽章も美しい。心安らぐこの楽章にふさわしい優しさに溢れた演奏。マーガレット・プライスの清澄なトーンも好きです。さて今日から3連休ですね。今日は、じっくり休養。明日は、ニッコウキスゲを求めて霧ヶ峰へ出かけてまいります。

2017年7月8日土曜日

チャイコフスキー「弦楽合奏のためのセレナーデ ハ長調 Op.48」_ショルティ

チャイコフスキー「弦楽合奏のためのセレナーデ ハ長調 Op.48」を聴こう。この曲は、初めて弦楽の虜になった曲である。私の年代的にも勿論カラヤンで聴いたのが始めであるが、「この曲はこんなものではない」と、探しあてた一枚がある。
ショルティ指揮イスラエルフィル(1958年録音)。勿論、今でもこの曲のNo.1である。
ショルティの情緒に溺れない毅然とした構成とイスラエルフィルの弦楽セクションの完璧な美しさ。
以前シーケンサで打ち込みをして<midi>作りに熱中していた時に、購入した楽譜もありました。




2017年7月1日土曜日

ドヴォルザーク 交響曲第8番_セル:コンセルトヘボウ管

ドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調 Op.88。セル:コンセルトヘボウ管(1951年録音:モノラル)で聴こう。セルのお得意の8番は、クリーブランド管で2度の録音(1958年&1970年)がある。勿論どちらも名盤の誉れ高い録音である。しかし今宵は、コンセルトヘボウとの最初の録音というわけだ。
8番と言えばまず冒頭の序奏でしょう。ト長調ではなく何故かいきなりト短調で始まるメロディ。このマイナーナチュラルスケールとやらの序奏が非常に好きだ。少しくすみがかったヴィオラの動きをベースが支え、トロンボーンがト長調へと導く。そして、フルートの鳥のさえずりのような調べ。コンセルトヘボウ管の神と言っておきたいフルートの第一人者バルワーザーの可憐な響き。第1主題が始まるとコンセルトヘボウ管の煌くサウンドの到来である。これで、もうこの曲に没頭することができる。
また、ワルツ風の第3楽章もお気に入り。コンセルトヘボウ管の弦楽群の上手さがモノラルながら堪能できます。
フィナーレのトランペットのファンファーレ、チェロによる主題、変奏部でのフルートの音色、ホルンのトリル。コーダにおけるトロンボーン、トランペットの急速半階音下降。
いゃあ、この8番は、メロディもさることながら、各楽器の面白さを味わえる曲だとづくづく感じている今宵この頃である。。


2017年6月24日土曜日

ブルックナー 交響曲第7番_ブロムシュテット

昨夜のホールインワン達成祝賀会(一生の自慢)のお酒で帰宅後すぐにぐっすり眠ったため、こんな時間に音楽鑑賞です。夜中にもかかわらず「ブルックナー」
交響曲第7番(ハース版)、ブロムシュテット;ドレスデン・シュターツカペレ(1980年録音)にて。
ブル7の純粋な美しさを聴くにはブロムシュテットの音楽づくりはお手本のようであろう。また、ドレスデンの弦楽群の弱音の素晴らしさ、どこか木のぬくもりを感じさせる質感がすきです。
ブロムシュテットは、この秋にはゲヴァントハウス管とこの7番を来日して演奏します。3プログラムすべて聴きに行く小遣いもなく、残念ながら、Bプログラム(ブラームス:V協奏曲、シューベルト:ザ・グレイト)を選択したので聴けませんが、楽しみにされている方も多いかと思います。


2017年6月16日金曜日

ドイツ・レクイエム 24

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第24回目となりました。早2年というこですね。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー23.ハイティンク
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第24回は、アバド;ベルリンフィル+スウェーデン放送合唱団、エリック・エリクソン室内合唱団、 シェリル・ステューダー(ソプラノ)アンドレアス・シュミット(バリトン)です。
アバド+ベルリンフィルには、DVDとなっている1997年のブラームス没後100周年に行われたムジークフェラインでおこなったコンサートのライヴ映像録音もあるが、今日は、1992年録音のCD盤をとりあげる。
コーラスは、誰もがうなずける最高水準のうまさ、特に思わず聴き惚れる第2曲。これほど惹き付けられる第2曲は他にない。
アバドの{DR}は、どことなく明るさと優しさをもつ構成となっている気がする。シュミットの声はその意味でどことなく生真面目で、陰にこもらずアバドの構成に合っていたかもしれない。
個人的には、もう少し低弦部の押しの強さが欲しい気がするが、
暖かみを出すアバドの{DR}には、響きさえあれば不必要だったのかもしれない。ソプラノ:ステューダーは、透明感があり、その美しさは、雲の晴れ間から優しく語り掛けれているようで癒される。
第6曲、ここでもアバドは熱くならず、コーラスを中心に包み込むような構成。これだけコーラスが上手ければ、優美さを強調したくなるのもうなずけるというものだ。
濃いドイツレクイエムをお好みの方には、物足りなさを感じるかもしれないが、美しさと恍惚感に溢れる演奏を聴きたい方にはお勧めの一枚といえるであろう。



2017年6月10日土曜日

シューベルト 「ザ・グレート」_ブロムシュテット:SKD

シューベルト 交響曲第9番「ザ・グレート」を聴く。(*番号はCDの通りで)ブロムシュテット:シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)の名盤全集からです。(1981年:ドレスデン・ルカ教会)ペーターダムのホルン、ゾンダーマンのティンパニー、クルト・マーンのオーボエと名手たちの素晴らしい演奏、ルカ教会の残響の良さを聴ける喜び。ふくよかな弦楽の響き、濁りのない金管のトゥッティ、木管群の柔らかさと聴きどころ満載。

2017年5月26日金曜日

シューベルト スタバート・マーテル ヘ短調_ケーゲル

今夜は、かみさんと娘は、「ディズニー オン クラシック」に出かけており、夜留守番です。
シューベルト「スターバト・マーテル ヘ短調 D.385」を聴いています。ケーゲル:ライプツィヒ放送交響楽団&合唱団(1986年録音)です。
鬼才、奇人の異名をとるケーゲルであるが、こと宗教曲に関しては、極めて落ち着きと暖かみのある演奏をする。
ドイツ・レクイエムなどもそうだが、こちらのシューベルトも正攻法で素晴らしく、合唱指揮者出身というのを印象付けている。
さて、シューベルトのスタバート・マーテルは2曲あるが、このヘ短調は2番目の曲である。シューベルトは後年ドイツ・ミサ曲も書いているが、こちらもドイツ語訳で歌われる。
第1曲の出だしの弦楽の音から渋いライプツィヒの音色が響き渡る。その短調の深みがキリストの十字架への悲しみを伝える。
もともと深い悲しみをもつスタバート・マーテルであるが、シューベルトは、いくつかの長調を用いて、実に暖かく(3曲目)、美しさ(4曲目)と優しさ(8曲目)に満ちたメロディを加えている点が面白い。ここには、暗黒面のシューベルトは存在しない(当時19歳)といえよう。


2017年5月21日日曜日

フォーレ「レクイエム」_バレンボイム

金曜日の午後から少し寒気がして、あかんなぁと思っていたら案の定、熱が38度、得意の「土日風邪」。熱は薬ですぐに下がったが、ぼっーとして土曜日を過ごす、今朝は少し回復するも身体はまだ少し辛い。
でも音楽を聴けるくらいにはなっている。
今朝は、フォーレの「レクイエム」を聴こう。
バレンボイム:パリ管弦楽団+エディンバラ・フェスティバル合唱団、シーラ・アームストロング(Sp)フィッシャー・ディスカウ(Br)ピュイ・ロジェ(Org)<1974年録音>
フォーレの「レクイエム」といえば、クリュイタンス盤を誰もがあげるのではなかろうか。「フォーレ、レクイエム、名盤」でググっても決して登場しない当盤であるが、くしくも、同じパリ管(当時は音楽院管弦楽団)とフィッシャーディスカウのバリトン、ピュイ・ロジェのオルガン。若きバレンボイムの野心的・挑戦的な布陣なのだ。そして、バレンボイムの意図通りクリュイタンスを超える名盤ではないかと秘かに思っている。
コーラスの出来が良いというのもあるが、フィッシャーディスカウも12年の時を経て円熟味を増している、アームストロングの声も華やかで満足のいくものだ。
「 Introit et Kyrie」...出だしを極めて抑制したコーラス群、‟et lux perpetua luceat eis.”「絶えざる光が彼らを照らしますように」で
一気に解放!そのメリハリの自然さは素晴らしい。そして終始鳴り響くチェロの重低音。この曲においてこれは極めて重要なのだ。
「Offertoire」「Libera me」...フィッシャーディスカウの歌声はやはり特級品だ。
「Pie Jesu」...アームストロングの独唱は、少し艶っぽいが決して清楚さを失わずむしろ華やかさがあり良い。
フォーレの言葉「私にとって死は、苦しみというより、むしろ永遠の至福の喜びに満ちた開放感に他なりません。」
その「至福の喜びと開放感」をバレンボイムのひたむきな情熱の力で見事に表現できているのである。お勧めの一枚です



2017年5月6日土曜日

ドイツ・レクイエム 23

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第23回目となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー
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第23回は、ハイティンク:ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団、(Sp)ヤノヴィッツ(Br)クラウゼ 1980年;録音です。
この演奏は、誰もが期待する以上の素晴らしい演奏です。ウィーンフィルの弦楽群の美しさ、木管群の柔らかさを伸び伸びと引き出している。合唱団も一級品の美しさ。特にベースがいい声だ。
第1曲の演奏。重厚感を持たせているわけではないが、実に敬虔な響きが包み込む。テンポは中庸ですが、非常に落ち着いた流れを感じるのは、何故だろうか。
第2曲。重い足取りのユニゾン。ハイティンクは、この第2曲出だしにかなりの重厚感(テンポもかなり遅い)を与え、長調へ転じた後の柔らかさ対比を強く持たせている。その後の悲痛なまでの重厚感が、「しかし、主の言葉は残る、永遠に」の宣言に絶大な効果を与えているだろう。かなりドラマチックな演出であるが、オーケストラとコーラスの巧さが、それを支えきっているのは面白い。
第3曲。クラウゼは、中低音がフィッシャー・ディスカウの声によく似て、いい声だ。「正しいものの魂は神の手にあり」のフーガは、持続低音Dの威力がよくわかる巧みなオーケストレーションを堪能。
第4曲。この心和らぐ舞曲の弦楽群の美しさはウィーンフィルの真骨頂。ハイティンクのテンポは速めで軽快。
第5曲。さすがのヤノヴィッツ。この声を聴いただけで、このCDを聴いた甲斐がある。清楚な伸びのある声は、天上の入口まで届きそうだ。
第6曲。金管群もティンパニーも荒々しさはないが、非常に歯切れの良さを持つ。大フーガへ向けての緊張感は見事。
大フーガでの弦楽群も極めてメリハリのある響きが印象的である。
終曲。オーボエの巧さが印象的です。
非常にスケールの大きなお勧めの一枚です。

2017年4月30日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第21番_ギレリス/コンヴィチュニー


モーツァルト ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467 を聴く。
この曲は、第2楽章のAndanteが、ご存知、スウェーデン映画の「みじかくも美しく燃え」の劇中曲(ゲザ・アンダ;演奏)で使われ、その美しいメロディで一躍有名となった。
そのせいで、最近は副題に「エルヴィラ・マディガン」とつくこともあるとか。これは映画の主人公の女性綱渡り師の名前でこの映画の原題ある。
さて、今宵 紹介したいのは、ギレリス:コンヴィチュニー + ゲヴァントハウス管弦楽団の1960年のライブ(Mono)です。
この演奏は、通常考えうるモーツァルトの21番からすると異質かもしれない。

第1楽章 Allegro maestoso は、行進曲風の第一主題。コンヴィチュニーの弦楽のユニゾンは無骨に始まるが、木管群の柔らかさとの対比を強く意識している演奏であろう。
そして出だしのギレリスのピアノ。右手は極めて柔らかく転がるような音色、しかし左手に「あのギレリス」らしさが見えてくる。そして提示部。40番ト短調の調べが突然登場するが、すぐにト長調の第2主題へ。こちらは、ホルン協奏曲第3番K.447第3楽章の主題と同じメロディである。
カデンツァは、極めてベートーヴェンっぽさを感じさせる弾きぶりで、締めくくってくれる。ここは、思わずニヤけてしまう。
さて、第2楽章 Andante。コンヴィチュニーの淡々としてぶれない古典派音楽然とした気品を保つテンポ。加えて、ギレリスの明確な鍵打。極めてシンプルだ。このAndanteは、余計な甘さはなくても十二分に気高く優しく美しいのだということを2人の巨人は、証明して見せたのではないだろうか。
低音のピチカートと3連符に支えられながら、調性を幾たびも変化させ、淡々と流れていくだけで、余計なロマンティシズムは必要のないことを。
終楽章は、「モーツァルトのジェットコースター」を楽しむことができる。得意の短調変化もない、また展開部もなく一気呵成だ。ギレリスは、やはり右手でキラキラと音の粒を投げ飛ばしながら、時おり左手で硬質な低音を響かせる。

異質と書いたこの演奏は、この演奏のためにフォルテ・ピアノ・ペダルという装置を用意した古典派であり、かつ斬新なモーツァルトの本質に即した演奏とも言えるかもしれない。
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2017年4月22日土曜日

シューマン 交響曲第2番_シノーポリ

シューマン 交響曲第2番 ハ長調 Op.61を聴く。4番が一番好きなはずなのに、2番目に好きな2番を何故か一番聴いている気がする。
今日は、シノーポリ指揮ウィーンフィル(1983年録音)で。シノーポリは、この後、シュターツカペレ・ドレスデンと全集を録っており、勿論保有していますが、今日はVPOで。
精神障害に悩まされていた1845-46年の作品で、「頭の中でハ長調のトランペットが響いている」とシューマンが言った幻聴の<トランペットのモットー主題>からスタート。
何といっても第3楽章アダージョのやるせなさ、憂いに満ちたメロディは最美といってよいだろう。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが非常に高い音へ昇っていってトリルになるところなど、何度聞いても脳が鷲摑みされてしまう。この楽章は、単に美しいだけでなく、になやら「彼岸」への静かな到達のようなものを感じるのだ。シノーポリは、この演奏をするにあたり、「シューマンの正気と病魔について」というノートを書いている。彼は、パドヴァ大学で心理学と脳外科を学んでおり、楽曲と病気の回復過程を記載しているのも面白い。
この2番は、シノーポリにとってはずせない1曲かもしれない。

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2017年4月14日金曜日

ドイツ・レクイエム 22

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第22回目となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト
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第22回目は、ガーディナー指揮:オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク、モンテヴェルディ合唱団、シャルロッテ・マルギオーノ(Sp)ロドニー・ジルフリー(Br) <1990年録音>です。
ガーディナー最初の録音である。ガーディナー先生は、まず楽器からこだわってオーケストラを編成しているそうです。滑らかなウィナー・ホルン、短いウィナー・オーボエ、ティンパニーのための硬いバチなどなど。もちろん弦楽群は、ノン・ヴィブラートの奏法。
オリジナルによる最初の演奏です。
透明感と柔らかな響きに貫かれた演奏で、それはコーラスにも言える。クレンペラーに代表される重厚さや、ジュリーニに見られるロマンティシズムは、当盤には微塵もなく、バロック的な造形美で彩られている。こだわりのアクセントが音楽そのものを引き締めている。第6曲、大フーガの前のスフォルツァンドに至る場面の美しさは他の演奏ではなかなか見られない。大フーガの全く力みのなさが、ガーディーナー先生の特徴でもあるが、テンポは思い切り揺らしまくっている。しかし、典礼的な端正さをもつ演奏であると言えるのではないだろうか。これはこれで面白い。
とにかくどんな演奏でも私はこの曲が好きなのだ。


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2017年4月2日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第15番_ミケランジェリ



今日は、六義園のしだれ桜を始めとし王子駅付近の桜の散策に出かけました。
このような春の陽気に似合うモーツァルト ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450を聴こう!
ミケランジェリ_コード・ガーベン(C)北ドイツ放送交響楽団(1990年Live録音)です。
ミケランジェリも大好きな15番は、編成は、Ob(2), Fg(2), Hrn(2) 弦楽5部(終楽章のみフルート)と、いたってシンプルで小編成です。
第1楽章は、明るく弾むようなオーケストラで始まります。ワクワクするような春の陽気にピッタリ。
さて、指揮をするコード・カーベンは、全く無名。そりゃあそうだ!彼はグラモフォンのプロデューサーなのだ。
気難しいミケランジェリと長く付き合っていたが、ちょっとしたことで暫く縁を切っていました。このCDは、ミケランジェリが倒れ、奇跡的復活を果たした時にコンチェルトを一緒にする指揮者が見つからず、カーベンを指名して演奏されたものである。ちなみに前年の1989年に20.25番のライブもある。
15番に話を戻そう。特徴的なのは、ピアノの入り。通常主題をピアノが繰り返すのだが、15番では、極めて即興的で華やぐようなパッセージの序奏から始まる。そして主題を提示し、短調へ一瞬移行しグッと聴衆を引き込み、すぐにまた長調へ。モーツァルトの得意技炸裂!ミケランジェリのピアノの軽やかさは言うまでもないが、テンポも思い切り揺らし、緩急自在を慈しみ弾いているのがわかる。
第2楽章、アンダンテは最高の「赦し」の音楽。
弦楽とピアノによる交互の旋律は、心を静かに慰めてくれる最高のパッセージ。誰もが優しくなれるでしょう。
第3楽章、アレグロの出だしは、映画「アマデウス」でもお馴染み。
スキップしたくなるような主題。春を満喫できるロンド。
アインガングとカデンツァのミケランジェリの華やかにして慈しみのある音の粒が身も心も軽くしてくれます。
お薦めの15番です。







2017年3月25日土曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第27番_カーゾン&ブリテン

今日の一枚は、モーツァルト「ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595」。クリフ・カーゾン(P)、ブリテン(C)イギリス室内管弦楽団<1970年録音>。
27番(最後のピアノコンチェルト)は、モーツァルトがなくなる1年前(1791年)の作品で、モーツァルトがコンサートピアニストとして最後に演奏した曲です。その純粋な美しさは、清濁すべてを包み込む暖かさと優しさに溢れている。しかしそればかりでなく、永遠の旅立ちに向けての「悲しさ」「虚ろさ」を内包し、だがそこにある安らぎと、新しい世界へ向かうモーツァルトのワクワク感をも織り交ぜ、まるで一片の雲もない青空のような曲であろう。
そしてこの曲は、何の気張りも飾りもなく、まるで聴かせるため作品ではなく、一つのモノローグの雰囲気をもつ。そのため編成は、フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦五部と極めて小編成となっており、ピアノのモノローグをオーケストラが支えるといった形式なのだ。
第1楽章、面白いことに交響曲第40番でも見られる1小節のみの低弦の伴奏から始まる。そして第一主題、ヴァイオリンの美しいメロディは、優しく天上へ舞い上がったかと思うと突如自分の胸元へと舞い降りてくる。管弦楽で繰り広げられるこの第一主題は、時折短調へと移ろい何気なく長調へ復帰するが、この二面性がモーツァルトがもつ心の襞を表現している。ピアノが始まると、同じメロディが少し「悲しみ」を中に含んで聴こえる。転がりゆく鍵盤に見る愛らしさと憂いの行き来。展開部でも、短・長を目まぐるしく行き来しながら、その底流にある「悲しみ」は一貫されている。
そしてピアノは、カデンツァにおいて、そのもどかしさを表現する。
第2楽章(変ホ長調)、天才モーツァルトの緩徐楽章の集大成とも言うべき至純の世界観。このピアノのメロディは、まさしく「向こうの世界」から我々の世界へ響いてくる音です。聴くものすべてを安らぎと暖かさに包み込んでくれる。ピアノと弦楽、管楽が一体となり創り出される至福のひと時。その中にあって少しデモーニッシュな74小節目の第1ヴァイオリンとそれを受け継ぐフルートの下降ラインなどは何度聴いても、ぞくぞくします。(下の楽譜の部分)
第3楽章、冒頭は作品番号としては1つ後ろですが「春の憧れ」K.596の一節を用いたといわれる第1主題です。この動機はカデンツァでも使われています。でもこのパッセージは、「コシ・ファン・トゥッテ」第2幕、ドラベッラが歌うアリア「恋はかわいい泥棒」にもよく似ています。姉の恋をそそのかす曲と清純に春を思う童心のような心の表現を同じモチーフとして用いている。そして、この至純のピアノコンチェルトにも加えている。このあたりがモーツァルトのお茶目なところかもしれません。
ここでは、変ロ長調へ戻っていますが、モーツァルト独特の「慰めなき長調」と私が勝手に呼んでいるロンドです。長調でありながらどこか憂いを含んだメロディです。
カーゾン、ブリテン盤は、27番の最高峰の一つあろうかと思います。珠玉とは、このカーゾンのピアノタッチのことを言う言葉であるかのような演奏。さすがのブリテン、カーゾンの微妙な心の動きをも見事に支え切っています。
是非、お勧めしたい一枚です。長くなりました。最後まで読んでいただきありがとうございます。