2021年12月27日月曜日

ベートーヴェン 交響曲第9番_テントシュテット

 今週は、かみさんが実家に帰省しているので只今大音量にて「第九」を聴いています。テンシュテット;ロンドンフィルハーモニー管弦楽団&合唱団、S)マリアンネ・へガンダー、A)アルフレーダ・ホジソン、T)ロバート・ティアー、Bs)グウィン・ハウエル(1985年9月13日、ロイヤルアルバートホール ライヴ録音)。テンシュテットが喉頭がんの告知を受ける1か月前のライブ演奏と言うことになる。テンシュテットには,しばらくベートーヴェンの第9の正規レコーディングはなく,BBSレジェンドが,2001年にこのテンシュテットの第九を発表した。

テンシュテットらしい、緊張感のあるスリリングな演奏だ。第1楽章、特に速いわけではないのだが、重戦車のように進んでいき、まさにテンシュテットらしい高揚感溢れる堂々たる演奏。第2楽章は快速だ!テンシュテットの煽りにさすがのロンドンフィルもついていけない。しかし、逆に観客には異様な緊張感の11分間であったものと思われる。楽章終了後の鬼のような咳払い、どんだけ皆、息を飲んでいたのだ。第3楽章は、懐の深い静謐な演奏。白眉は、何と言っても終楽章か。冒頭から再び重戦車が風の如く進んでいく。歓喜の爆発!!への助走とはかくなるものか。そして初めて現れる歓喜のメロディは爽快な運び。バリトンのグウィン・ハウエルは、堂々たる声量。圧巻のコーダ。このエンディング1990年シカゴ響との「巨人」の思い出してしまった。




2021年12月25日土曜日

サン=サーンス クリスマス・オラトリオ

 「クリスマス・オラトリオ」はバッハだけじゃないよ。サン=サーンスの「クリスマス・オラトリオ」が超絶いいんだよ。オルガンに始まり弦楽群が引継ぐ序奏を聴いただけで、その美しさに心が奪われるだろう。{Oratorio De Noel Op.12}アンデシュ・エビ(指揮)ミカエリ室内合唱団、【録音:1981年 ストックホルム,聖ヨハネ教会】。白眉は、4曲目「 Air and chorus: “Domine, ego credidi,” 」。テナーの優しい歌声と女性コーラス。そして7曲目。ハープが登場するよ。ここでの3重奏の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあるよ。クリスマスの夜にこんな優しい曲に触れてみるのも乙なものです。



2021年12月15日水曜日

ブルックナー 「モテット集」_ガーディナー

 夕食までのひと時、ガーディナーと彼の手兵モンテヴェルディ合唱団によるブルックナー「モテット集」5曲を聴く。『アヴェ・マリア』『マリアよ、あなたはことごとく美しく』『この所を作り給うたのは神である』『正しい者の口は』『キリストはおのれを低くして』。いずれも美しい名曲ばかり。

ガーディナーは、そもそも合唱指揮者あがり。フレージングとアーティキュレーションが精密に統一され、見事なアンサンブルを形成しているなぁ。モンテヴェルディ合唱団は、ソプラノも美しいが、何度聴いてもベースがピカ一にいいなぁ。


2021年12月6日月曜日

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲_シェリング

贅沢な2枚組の中からベートーヴェン。シェリング(V)イッセルシュテット(C)ロンドン交響楽団<録音:1965年>によるヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61を聴こう。このシェリング2度目の録音は、名盤中の名盤。端正で気品ある正統派ベートヴェン。カデンツァは、めずらしく1楽章がクライスラーではなくヨアヒム、3楽章がフレッシュ。イッセルシュテットの伴奏は重厚でありディナーミクが大きく深みのある演奏。圧巻は第2楽章、渋みのある弦楽群の序奏、ホルンが優しく歌うと、シェリングが美音を飛ばしながら応える。凛とした美しさとはこのことか。