ドラティといえば、私には同じくMercury盤の「1812年序曲」が最も印象的だが、このメンデルスゾーン 交響曲第3番イ短調 Op.56 『スコットランド』(ロンドン交響楽団;1956年録音)も男気ドラティの真骨頂!快速に進む主部の1楽章、たっぷりと情感を膨らませ、強弱や旋律線のニュアンスを細やかに謳いあげる3楽章。4楽章も、クライマックスの清々しさとスケール感を伴い堂々たるテンポで締め括ってくれる。ちなみに第2楽章のメロディが有名なスコットランド民謡的な「ヨナ抜き」の「ドレミソミレドレ」。「ヨナ抜き」好きな日本人にはたまらないかもしれない。
クラシック音楽ブログ 音の洪水
旧ブログ「アマデウスで朝食を!」と合体しました。クラシック音楽鑑賞の参考にしてくだされば幸いです。{カラヤン}はありませんよ!
2022年7月24日日曜日
2022年7月16日土曜日
ベートーヴェン チェロソナタ全集_ヤニグロ・デムス
ヴァンガードの名盤からヤニグロ、デムス 「ベートーヴェン チェロソナタ全集」を聴く。(1964年録音)。その品格ある演奏は、フルニエにもひけをとらない。しなやかで艶のある伸び、1音1音を大事に、決して気てらったりしない生真面目さ。若きデムス(当時35歳)のピアノも歌い過ぎず、終始品格の高い音楽に満ちている。カザルスに認められエコール・ノルマル音楽院の親友ディラン・アレクサニアンに推薦され師事した。アレクサニアンは、何を隠そうフルニエの師でもある。
2022年5月7日土曜日
モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲_セル
モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(K6. 320d)。セル、クリーブランド管弦楽団、(Vn):ラファエル・ドルイアン、(Va):エイブラハム・スカーニック<1963年録音>にて聴く。クリーブランド管のコンサートマスターと主席ヴァイオリニストだった2人を独奏に置き、息ぴったりの演奏。白眉の第2楽章、セルの出だしのテンポは極めてゆったり、独唱部分は、古めかしい録音もあってか、かえって幽玄的な雰囲気を醸し出す。2人の音のバランスの良さが際立つ。
2022年3月12日土曜日
モーツァルト ピアノ三重奏曲集_ズスケ
春の陽気に誘われて聴くは、モーツァルト ピアノ三重奏曲集(1-6)ズスケ(V)オルベルツ(P)プフェンダー(VC)【1988-89年:ドレスデン協会 録音】。ズスケが、旧東ドイツの面々、ズスケ四重奏団でチェロのパートを支えていたプフェンダー、無名ながらマニアにはハイドンのピアノソナタ全集で有名なモーツァルト・ヴァイオリンソナタ全集で共演しているオルベルツを従えての名盤。モーツアルトのピアノ三重奏曲6曲はすべて「長調」。どこまでも優しくそよ風のような軽やかで優雅な響き。
(ちなみに、モーツァルトには、もう1曲ピアノ三重奏協奏曲ニ短調KV.442がある。しかし未完でスタドラーが加筆している作品。こちらの名盤は、ボスコフスキー、リリークラウス、スコラス・ヒューブナー)2022年2月5日土曜日
ブラームス 交響曲第2番_ビーチャム
2022年1月29日土曜日
シューベルト ピアノソナタ20番・21番_ツィメルマン
今日の一枚。シューベルト ピアノソナタ D959,D960。クリスチャン・ツィメルマンの25年ぶりの2016年、日本公演を終えた後に、新潟の「柏崎市文化会館アルフォーレ」で録音したという。ピアノは、もちろん持ち込みのスタンウェイ。(高崎のスタウェイセンターにあるらしい)当該ホールは、永田音響設計によるもの。ツィメルマンは、故郷、ポーランドのカトビッツェ市の新ホール設計に携わっているが、ポーランドの40歳台の若手建築家コニール氏と永田音響設計の豊田泰久氏とのコンビにより完成させている。さて、中部沖大地震時にツィメルマンはすぐさま柏崎でのチャリティーコンサート開催を決めたが、体調不良のために中止を余儀なくされた。1年後、自腹で日本を訪れ、「中越沖地震1周年復興祈念コンサート」に出演し、柏崎市に100万円を寄付もしている。復興のシンボルとして建てられた柏崎市文化会館アルフォーレでリサイタルを行い、なお6日間滞在録音までおこなったのは、そういった意味深さがある。演奏は、デモーニッシュな部分はいささかもなく、柔らかく美しいシューベルト。時折見せる、憂鬱さや切迫感もツィメルマンならではの敬虔さと洗練さを感じる。
2021年12月27日月曜日
ベートーヴェン 交響曲第9番_テントシュテット
今週は、かみさんが実家に帰省しているので只今大音量にて「第九」を聴いています。テンシュテット;ロンドンフィルハーモニー管弦楽団&合唱団、S)マリアンネ・へガンダー、A)アルフレーダ・ホジソン、T)ロバート・ティアー、Bs)グウィン・ハウエル(1985年9月13日、ロイヤルアルバートホール ライヴ録音)。テンシュテットが喉頭がんの告知を受ける1か月前のライブ演奏と言うことになる。テンシュテットには,しばらくベートーヴェンの第9の正規レコーディングはなく,BBSレジェンドが,2001年にこのテンシュテットの第九を発表した。
2021年12月25日土曜日
サン=サーンス クリスマス・オラトリオ
「クリスマス・オラトリオ」はバッハだけじゃないよ。サン=サーンスの「クリスマス・オラトリオ」が超絶いいんだよ。オルガンに始まり弦楽群が引継ぐ序奏を聴いただけで、その美しさに心が奪われるだろう。{Oratorio De Noel Op.12}アンデシュ・エビ(指揮)ミカエリ室内合唱団、【録音:1981年 ストックホルム,聖ヨハネ教会】。白眉は、4曲目「 Air and chorus: “Domine, ego credidi,” 」。テナーの優しい歌声と女性コーラス。そして7曲目。ハープが登場するよ。ここでの3重奏の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあるよ。クリスマスの夜にこんな優しい曲に触れてみるのも乙なものです。
2021年12月15日水曜日
ブルックナー 「モテット集」_ガーディナー
夕食までのひと時、ガーディナーと彼の手兵モンテヴェルディ合唱団によるブルックナー「モテット集」5曲を聴く。『アヴェ・マリア』『マリアよ、あなたはことごとく美しく』『この所を作り給うたのは神である』『正しい者の口は』『キリストはおのれを低くして』。いずれも美しい名曲ばかり。
2021年12月6日月曜日
ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲_シェリング
2021年11月28日日曜日
BIS盤「バイロイトの第九」
予約しておいたBIS盤のフルトヴェングラー「バイロイトの第九」届きました。track1は、ウェルカム・アナウンスメント、track2が、プログラム・アナウンスメントで、track3から演奏が始まります。当日のほぼノーカットの実演の全貌が収録されているのは間違いない。ただし、センター盤(バイエルン放送局所蔵)も当日実演奏盤で同じであることが分かりました。
2021年11月6日土曜日
モーツァルト レクイエム_ムーティ
大学時代の旧友H氏のfacebookでのベルディ「レクイエム」ムティ、バイエルン放送響の投稿につられ、ムーティには、その実力が突き抜けてしまったモツレクの名演があるやん!ということで、モーツァルト「レクイエム ニ短調 K.626」【1987年録音】を聴く。 80年代は、サビーネ・マイヤー事件(1982)を機に険悪・修復不可能となったカラヤンへのベルリンフィルの腹いせで、アバドが1990年に後任となるまでの期間、候補と言われた指揮者たちとの演奏で実に超名演が多い。その中でもムーティ「モツレク」は、エリクソンが合唱指揮をとる「スウェーデン放送合唱団&「ストックホルム室内合唱団」という現代最高の合唱団をすえ、ソリスト陣は、ソプラノが「フィガロ」バルバリーナ役でムーティ、ウィンフィルと競演した透明感溢れるパトリシア・パーチェ、メゾ・ソプラノとバスは、ワグナー歌手としてのし上がるヴァルトラウト・マイヤー、ジェームス・モリス、テノールが高らかな歌声のオペラ歌手フランク・ロパードと一級品を揃え、重厚なベルリンフィルの弦楽群のもと厳粛でいて「美しい」響きの超名演を繰りひろげている。ムーティはこれ以降「モツレク」を録音しなかったのはうなずける。勿論、おまけの「アヴェ・ヴェルム・コルプス k.618」の世界最高演奏も忘れてはならない。
2021年10月23日土曜日
ブルックナー 弦楽五重奏曲_ラルキブテッリ
ブルックナー 弦楽五重奏曲ヘ長調WAB.112を聴く。ラルキブデッリで(録音:1993年)。ガット弦が妙に透明感があり意外にブルックナーに合っていて驚き。究極の美しさを持つAdagioのしっとり感も2年前に亡くなったアンナー・ビルスマのチェロが効いていて深みのある演奏。
2021年10月10日日曜日
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番_リヒター=ハーザー
久々にベートーヴェン ピアノ協奏曲を聴く。ピアノ協奏曲第3番ハ短調OP.37、リヒター=ハーザー、ジュリーニ;フィルハーモニー管弦楽団(1963年録音)。4番ほどの革新性はみられない3番は、古典的なスタイル、第1楽章、ハ短調 アレグロ・コン・ブリオは、あの「運命」と同じで、先んじて使われている。自らの耳の疾患への逆境に強い意志で立ち向かうといった精神性あふれる曲性。第2楽章、ホ長調ラルゴは、ピアノ協奏曲中1番美しい祈りの音楽。低弦の支えの中を飛び回る様に戯れるピアノが印象的で大好きだ。第3楽章、ハ短調-ハ長調 モルト・アレグロは、型通りのロンド形式、オーケストラのトゥッティ、ピアノのプレスティッシモの華麗なパッセージ後に現れるコーダのスピード感は堪らない。リヒター=ハーザーは、堅牢にしてある時は、リリカル。骨太の音の中に華やかさをもつ稀有なピアニスト。第2楽章に見せる深い陰翳を宿した響きはハーザーの心の奥底に眠る色気を感じる。ジュリーニは重厚でいつも通り男気溢れる伴奏。しかし、時より見せる抒情性につい耳が行ってしまう。というわけで60年代の隠れた名盤としたい。
2021年9月26日日曜日
フォーレ レクイエム_アンセルメ
フォーレ「レクイエム OP.48」アンセルメ;スイス・ロマンド管弦楽団 トゥール・ド・ペイルス合唱団 ジェラール・スゼー(Br) シュザンヌ・ダンコ(S)<1955年1月録音>を聴く。何故、アンセルメはこのド素人合唱団で録音したのか謎の一枚。それにしてもテナーは酷すぎる。しかし、バリトンのジェラール・スゼー!!がとてつもなくいいのだ。彼の声を聴くだけで十分に聴く価値のある一枚。
2021年8月29日日曜日
メンデルスゾーン 交響曲第5番「宗教改革」_マゼール
今日の1曲は、メンデルスゾーン交響曲第5番ニ短調「宗教改革」、マゼール;BPO<1961年録音>。
2021年8月27日金曜日
ハイドン スターバト・マーテル_ピノック
ちょっと渋いですが、ハイドン「スターバト・マーテル ト短調 Hob XXbis」を視聴。ピノック(C) イングリッシュ・コンサート &コーラス<1989年録音:オール・セインツ教会>。編成は、オーボエ2(コーラングレ持ちかえ:2曲10曲)、弦楽、オルガン。どことなくペルコレージの風味を感じさせる短調、優美さと晴れやかさ兼ね備えた長調。6曲目(テノール独唱)、どことなくモツレクの基となる音階を感じる。8曲目、Sancta Materは、美しい曲。9曲目、Fac me vere のアルト独唱は、哀切の「白眉」。11曲目、Flammis orci ne succendarは、バス独唱は、疾風怒濤。13曲目、Quando corpusのアルトとソプラノの独唱は、やはりペルコレージを彷彿させる。終曲、Paradisi gloriaは、打って変わって華やかなアーメンコーラス、かなり異質な終わりを迎える。
2021年8月19日木曜日
モーツァルト ハイドン・セット_エマーソン弦楽四重奏団
モーツァルト 「ハイドンセット」弦楽四重奏曲14番-19番、エマーソン弦楽四重奏団(1988-1991年録音)を聴く。
2021年8月8日日曜日
ブラームス ドイツレクイエム 40
ドイツ・レクイエムを聴く。40
2021年7月11日日曜日
マーラー 交響曲第5番_ガッティ
朝からガッツリ。マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調、ダニエレ・ガッティ;ロイヤルフィルハーモニー【1997年録音】を聴く。「クセがつよーい!」第1楽章、鋭いトラッペットのファンファーレの後、極めて重い足取りの葬送行進曲。一転トリオからは激しくテンポを揺らしながら流動的に。木管による主題に移るとゆったりと。第2トリオの弦楽群は引きずるような節回し。第2楽章、高速のテンポで入り、チェロのユニゾン(第2主題)は、弱音の効いた淡々とした歌いまわし。終わりの金管のコラールは、癖のあるアクセント。第3楽章、緩徐部分に繊細さを感じる。第4楽章、甘さほどほど、静謐の中に愛おしみを感じる演奏。フィナーレは、十分な躍動感あるが狂気じみてはいない。オーケストラの機能美を活かし展開する。そしてクライマックスは、パワーアップして迎える。繊細さの中に粘着性のないスタイリッシュさを持ち合わせた演奏であった。さあ、朝風呂はいろ!
2021年7月10日土曜日
ブラームス ドイツレクイエム 39
久々のブラームス ドイツ・レクイエム シリーズ 39。
2021年7月4日日曜日
バッハ モテット集BWV.225-230_ヘレヴェッヘ
日曜日の夕方に聴いているのは、バッハ モテット集BWV.225-230。フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)、シャペル・ロワイヤル、コレギウム・ヴォカーレ(1985年録音)。ヘレヴェッヘ1回目の録音(2回目は2010年)。バッハのモテットといえば BWV 225~230 の6曲しか存在していない。(その中でBWV.230は偽作ではと疑われているが)バッハのものとしては唯一、楽譜上では声楽のみによる作品だ。古いポリフォニーのスタイルで、二群の四部合唱に分かれた八声の「二重 合唱」といった技法を駆使し複雑な声部の展開がある通好みの作品だ。ソプラノの柔らかい歌声とヘレヴェッヘのゆったりとしたテンポが相まって変な力感がないのが特徴でバッハらしい繊細さをうまく表現している大変な名盤だと思う今日この頃である。
2021年7月1日木曜日
J.S.バッハ フルート・ソナタ全集_パユ
エマニュエル・パユ「J.S.バッハ:フルート・ソナタ全集」【2008年録音】よりフルートと通奏低音のためのソナタ BWV1033-1035を聴く。チェンバロ奏者は、トレヴァー・ピノックという豪華な取り合わせ。この時代は、ブランネン社のフルートか。数年前から、今や中国企業に買収されたヘインズ社のフルートも併用らしいが。
2021年6月30日水曜日
J.S.バッハ イギリス組曲BWV.806-811_アンドレ・シフ
J.S.バッハ イギリス組曲BWV.806-811 アンドレ・シフ 2003年ライブを楽しむ。80年代録音のベーゼンドルファーではなく、おそらく「スタインウェイ ファブリーニ」。目を閉じて聴くと、リリックで爽やかなそよ風のような演奏。
2021年6月29日火曜日
バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全曲)_グリュミオー
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全曲)。 アルテュール・グリュミオーにて(録音1960-61年)この当時は、1957年にベルギーのルノア伯爵から貸与された1727年製ストラディヴァリウス「ジェネラル・デュポン」。自ら求めバッハの自筆譜により演奏されたことでも有名。比類なき音色の美しさ、意外なほどの力強さ。グリュミオー、特にパルティータ第3番 ホ長調が好きだ。凛とした品格の中に「心優しさ」が滲み出ている。よくネットで、グリュミオーのバッハにケチをつけてる奴らがいるが、いつも「じゃあお前が弾いてみろ!」とモニターに言ってやる。