2021年6月30日水曜日

J.S.バッハ イギリス組曲BWV.806-811_アンドレ・シフ

 J.S.バッハ イギリス組曲BWV.806-811 アンドレ・シフ 2003年ライブを楽しむ。80年代録音のベーゼンドルファーではなく、おそらく「スタインウェイ ファブリーニ」。目を閉じて聴くと、リリックで爽やかなそよ風のような演奏。



2021年6月29日火曜日

バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全曲)_グリュミオー

 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全曲)。 アルテュール・グリュミオーにて(録音1960-61年)この当時は、1957年にベルギーのルノア伯爵から貸与された1727年製ストラディヴァリウス「ジェネラル・デュポン」。自ら求めバッハの自筆譜により演奏されたことでも有名。比類なき音色の美しさ、意外なほどの力強さ。グリュミオー、特にパルティータ第3番 ホ長調が好きだ。凛とした品格の中に「心優しさ」が滲み出ている。よくネットで、グリュミオーのバッハにケチをつけてる奴らがいるが、いつも「じゃあお前が弾いてみろ!」とモニターに言ってやる。



2021年6月27日日曜日

シベリウス ヴァイオリン協奏曲_ギトリス

 「THE ART OF Ivry Gitlis」より、シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47 (ホーレンシュタイン;ウィーン交響楽団)を聴く。このBOX,チャイコ、ブルッフ、メンデを始め、名だたるヴァイオリンコンチェルトのオンパレード。昨年98歳で他界したギトリス爺さんの若かりし(30代)頃の至芸が聴ける。(モノラル)多様に使い分けられたヴィブラート、迸るように歌うダブル・ストッピング、甘いため息のようなポルタメント、痙攣するようなトレモロ、音符が飛び散るようなピチカート、フィンガリングとボウイングを組み合わせた魔術的な音色変化・・・「クセがつよ-い!」と言えば、八代亜紀の上を行く。

しかし、このシベリウス、第1楽章冒頭、コクのある美音、抑制された趣で次々とパッセージを奏でていく。ソナタ形式の展開部にあたる楽章の中央に位置するという独特のカデンツァ、ギトリスは精緻な指先で難なくこなす。しかもこれといった癖もなく。第2楽章、でました!!木管の導入句に続き、ギトリスの表情豊かな朗々とした音色。中間部以降の駆けあがるような旋律の甘さ、終結分ポルタメント。終楽章、低弦のリズムに乗って走り抜けるギトリスの真骨頂。確かな技術でロンドを奏で次第に燃え上がる音色。ホーレンシュタインも次第に燃えてきているのがわかる。そして最後は駆け抜けるように締めくくる。冷たい「北欧の空気感」かといえば違うでしょうが、満足感充分の一枚。


2021年6月20日日曜日

バッハ ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集BWV.1014-1019_コーガン&リヒター

 コーガンとリヒターという意外かつ豪華な組み合わせによるバッハ「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集BWV.1014-1019」を聴く(録音1972年)。1番ロ短調の悲しみと重荷を背負ったコーガンの重厚な音色に思わず引き込まれる。3番3楽章シャコンヌ、とてつもなく悲しきメロディ、掛け合いながら、時にはヴァイオリンが重音で伴奏を受けったりと魅せられる。4番、《マタイ受難曲》のアリア「憐れみたまえ」にも似た悲哀を込めたメロディ。しかしいつしか長調へ変わることで聴くものを安堵させる。3楽章アダージョがいい。リヒターのリュート的なチェンバロに乗せてコーガンのコクのある音色が哀愁感を増幅させる。続く5番もセンチメントだ。この作品集は、バッハの人間味が溢れた稀有な作品ではないだろうか。



2021年6月13日日曜日

バッハ チェンバロ協奏曲BWV.972-987_ワッチホーン

 静かな日曜日。意外にも白熱した宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメントを観た後は、<J.S.BACH>。

チェンバロ独奏のための協奏曲集 Bwv.972-Bwv.987 の全16曲。チェンバロのピーター・ワッチホーンにて。こちらは、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲の編曲やマルチェロのオーボエ協奏曲の編曲、トレッリやヘルマンのヴァイオリン協奏曲などの編曲を施したもの。ゆったり過ごすのにちょうどいい。



2021年6月4日金曜日

モーツァルト レクイエム_ケンペ

 このところモーツァルト作曲全曲のNAS(network attached storage)へのリッピング作業をしていたので鑑賞録がご無沙汰となってしまいましたが、昨日無事すべて(一部断片で録音がされていないものを除き)終了したので再開です。カノンやアリアなど小曲がやたらとあるのでやはり大変でした。最後はもちろん、「アレグロ ニ長調 K.626b16」、モーツァルト265回目の誕生日2021年1月27日、ザルツブルクのモーツァルテウムにおいて、新たに発見されたモーツァルトのピアノ曲〈アレグロ ニ長調 K.626b/16〉チョ・ソンジンの演奏です。まあこれは、1分41秒ですが。さて、久々に「モツレク」を聴く。演奏は、ルドルフ・ケンペ(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン聖ヘトヴィッヒ大聖堂聖歌隊、エリーザベト・グリュンマー(ソプラノ)マルガ・ヘフゲン(アルト)ヘルムート・クレプス(テナー)ゴットロープ・フリック(バス)~1955年MONO録音盤。

あのブラームス/ドイツレクイエムと同じオケ・合唱団。録音年も同年。ゆったりとしたテンポで少しほの暗い雰囲気の中進んでいく。愚直なまでのインテンポ。グリュンマーの気高い独唱。ワーグナー歌手として知られたフリック(BASS)の温かみのある声が素敵です。テノールのクレプスも棘のない柔らかさ、アルトのヘフゲンの深みのある声もさすがです。「レコルダーレ」の独唱陣のハーモニーは最高級品でしょう。