2021年7月11日日曜日

マーラー 交響曲第5番_ガッティ

 朝からガッツリ。マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調、ダニエレ・ガッティ;ロイヤルフィルハーモニー【1997年録音】を聴く。「クセがつよーい!」第1楽章、鋭いトラッペットのファンファーレの後、極めて重い足取りの葬送行進曲。一転トリオからは激しくテンポを揺らしながら流動的に。木管による主題に移るとゆったりと。第2トリオの弦楽群は引きずるような節回し。第2楽章、高速のテンポで入り、チェロのユニゾン(第2主題)は、弱音の効いた淡々とした歌いまわし。終わりの金管のコラールは、癖のあるアクセント。第3楽章、緩徐部分に繊細さを感じる。第4楽章、甘さほどほど、静謐の中に愛おしみを感じる演奏。フィナーレは、十分な躍動感あるが狂気じみてはいない。オーケストラの機能美を活かし展開する。そしてクライマックスは、パワーアップして迎える。繊細さの中に粘着性のないスタイリッシュさを持ち合わせた演奏であった。さあ、朝風呂はいろ!



2021年7月10日土曜日

ブラームス ドイツレクイエム 39

 久々のブラームス ドイツ・レクイエム シリーズ 39。

クリストフ・シュペリング (指揮):アンドレアス・グラウ (ピアノ)ゲッツ・シューマッヒャー (ピアノ)、ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)アンドレアス・シュミット(バリトン):コルス・ムジクス・ケルン<録音1996年>。【2台のピアノ版】。ちなみにピアノ版は、1869年に完成され1871年にロンドンにてヴィクトリア女王を前に初演されたため「ロンドン版」と呼ばれる。第1曲、ピアノ伴奏に続くコーラスは、淡々と明るい色調。sindを切り気味に歌うのが特徴か。コーラスに力みはなく、シュペリングは、あくまでも「慰め」の1曲として力こぶなしで終始させる。第2曲、「人はみな・・」のユニゾンは、重苦しくはないが、続くソプラノとの陰影を考えて暗くスタート。中間部の長調は、語り掛けるような温かさを含む。Aber des Herrnは、テンポを落とし、しっかりと、特にベースの声がいい。喜びのアレグロは、少しもたつき加減だが朗々さは失わず。第3曲、バリトンのシュミットは、同じ年。本業のオペラっぽい歌いまわし。しかし、さすがに声はいい。独白の迫力は前面に出ている。模倣のコーラスは少し明るすぎるか。フーガは、どうしてももたつき気味。(これはピアノ版の部分でもあるのだが)第4曲、心安らぐ舞曲。比較的ゆっくり目のテンポで、各声部を謳わせている。第5曲、イソコスキのソプラノは、高音が美しい。フィンランド人のようだ。第6曲、Hölle, wo ist dein Sieg?の聴き所、コーラスは美しい。大フーガの入り口のアルトは合格点(ピア版だと入りやすいのか?)テノールは少し声が疲れ気味なのはしょうがないのか。第7曲、出だしのソプラノは、もう少し穏やかに入ってほしいが・・・。中間部の解き放たれ、祝福される「救いと報い」の命題はコーラスが優しく謳ってくれたのは良し。






2021年7月4日日曜日

バッハ モテット集BWV.225-230_ヘレヴェッヘ

 日曜日の夕方に聴いているのは、バッハ モテット集BWV.225-230。フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)、シャペル・ロワイヤル、コレギウム・ヴォカーレ(1985年録音)。ヘレヴェッヘ1回目の録音(2回目は2010年)。バッハのモテットといえば BWV 225~230 の6曲しか存在していない。(その中でBWV.230は偽作ではと疑われているが)バッハのものとしては唯一、楽譜上では声楽のみによる作品だ。古いポリフォニーのスタイルで、二群の四部合唱に分かれた八声の「二重 合唱」といった技法を駆使し複雑な声部の展開がある通好みの作品だ。ソプラノの柔らかい歌声とヘレヴェッヘのゆったりとしたテンポが相まって変な力感がないのが特徴でバッハらしい繊細さをうまく表現している大変な名盤だと思う今日この頃である。



2021年7月1日木曜日

J.S.バッハ フルート・ソナタ全集_パユ

 エマニュエル・パユ「J.S.バッハ:フルート・ソナタ全集」【2008年録音】よりフルートと通奏低音のためのソナタ BWV1033-1035を聴く。チェンバロ奏者は、トレヴァー・ピノックという豪華な取り合わせ。この時代は、ブランネン社のフルートか。数年前から、今や中国企業に買収されたヘインズ社のフルートも併用らしいが。