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2026年8月23日日曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第9番_アマデウス弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑮

弦楽四重奏曲第9番 イ長調 K. 169 、アマデウス弦楽四重奏団(1976年録音)「ウィーン四重奏曲」の2曲目。

注目は、第2楽章Andanteですかね。モーツァルトのアンダンテは、ご承知の通り後年になると深い憂いの色彩を持つ音楽になっていきますが、17歳のこの頃は、優雅さや透明感に若々しい無垢さを持ち合わせた音楽になっています。またA majorからD major(属調)へ移ることで、明るさを維持しながら、音色を少し変える効果をもたらしています。若きモーツァルトの素直で爽快感のある四重奏になっています。

アマデウス四重奏団は、ブレイニンの美音を中心に「4人で一つの弦楽器を演奏している」ような統一感があります。さすが気品のモーツァルトです。



2026年8月13日木曜日

モーツァルト 交響曲第38番_シューリヒト

モーツァルト 交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」、いつものシューリヒト(C)パリ・オペラ座管弦楽団(1963年録音:DENON)で聴こうか。まもなく行くことだし!! 

ついでに懐かしの「のだめ・・」のロケ風景DVDなども見たりして。まず、この録音、1963年とは思えないかなり「近接・明瞭」な録音だ。「録音の解像度」と「演奏の解像度」が素晴らしく一致している。プラハの構造を聴かせるために非常に都合のよい録音だろう。「美しいモーツァルト」から「精密に設計されたモーツァルト」へ。だからヘッドホーンで聴くようにしている。シューリヒトは、弦の動き、管との受け渡し、アクセント、フレーズの切れ目を非常に機敏に処理する。ある意味「華麗」ではない、しかし「知的で、俊敏で、推進力に富んでいる」。大好きな一枚です。



2026年7月22日水曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第10番_アマデウス弦楽四重奏団

モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑭

弦楽四重奏曲第10番ハ長調 K. 170 、アマデウス弦楽四重奏団(1976年録音)「ウィーン四重奏曲」の3曲目。第1楽章をアンダンテの変奏曲にしたのは、ハイドンの作品17-3<変ホ長調 Hob. III:27>のオマージュか。また、全楽章がソナタ形式でなく、また主題と4つの変奏を持つ作品はこれしかないことから、モーツァルトの実験段階であることを示唆するものだろう。第1ヴァイオリンのノーバート・ブレイニンは、非常に表情豊かで美しい「歌心」を持と、adagioに気品と潤いを与えている。ちなみに、アマデウス四重奏団は、ロンドンで結成されているが、主要メンバーはウィーン出身の亡命音楽家たちである。終楽章「ロンドー」での、軽快で息の合った掛け合いも楽しい。


 

2026年7月4日土曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第11番_バリリ弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑬

弦楽四重奏曲第11番 変ホ長調 K. 171,バリリ弦楽四重奏団で聴く。6曲ある『ウィーン四重奏曲』のうちの4曲目。ハイドンの作品17・20「太陽四重奏曲」をダイレクトに吸収しようとした時代です。まず第1楽章に序奏(アダージョ)を置く試みは、そのハイドンにもない。モーツァルトにしても、のちの19番「不協和音」とこの曲だけである。白眉は、第3楽章、すべての楽器が弱音器(ミュート)をつけて演奏します。オペラのアリアを思わせる、美しくも切ない情感に満ちた楽章です。これぞモーツァルトという、ハ長調の明るくもどこか儚い憂鬱感。一番のお気に入りは、ハ短調(同主調)へ転調し、第1ヴァイオリンの先導に対して、第2ヴァイオリンやヴィオラが細かく動きながら応える、対位法的な「掛け合い」。バリリの第1ヴァイオリンは、決して音を張り上げず、第2ヴァイオリン(クロチャク)やヴィオラ(モラヴェッツ)が、ウィーン・フィル特有の柔らかくふくよかな音色で、まるでお互いを目で合図し合っているかのように自然な息遣いで絡み合う、この「歌の受け渡し」の滑らかさよ。Good Job!!


2026年6月25日木曜日

モーツァルト クラリネット協奏曲_ゴイザー

モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622、ハインリヒ・ゴイザー フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団にて聴く(1957年録音MONO)。カール・ライスターの師であるゴイザーは伝統的なエーラー式(ドイツ管)のクラリネットを使用している。ゴイサーの太く、温かみがあり、どこか素朴でありながらも深い響きが魅力的だ。緩徐楽章:adagioは白眉だ。ゴイザーの息の長いフレーズと、オーケストラの弦楽器の弱音が見事に溶け合い、モーツァルトの白鳥の歌にふさわしい「深い孤独」と「疲労感」を表現してくれている。


2026年6月8日月曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第12番_アマデウス弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑫

弦楽四重奏曲第12番変ロ長調K.172,アマデウス弦楽四重奏団で聴く。6曲ある『ウィーン四重奏曲』のうちの5曲目。ご存じハイドンの作品20「太陽四重奏曲」の衝撃をダイレクトに吸収しようとした時代です。この曲では、第3楽章のメヌエットが最も顕著です。冒頭、第1ヴァイオリンではなくヴィオラが主導権を握って語りかけ、それに第1ヴァイオリンが応えるという構造になっています。ヴィオラにこのような重要な役割を与えたのは、ハイドンの「全楽器の平等化」に強い刺激を受けた結果でしょう。また第1楽章や第4楽章では、ハイドン譲りのポリフォニックなテクスチュアが随所に顔を覗かせます。ホモフォニーに終始せず、各楽器が追いかけっこをするような緊密なアンサンブルに、その影響が見て取れます。ハイドンが持つ「構築性と知的なユーモア」に圧倒されたモーツァルトが、それまで得意としていたイタリア風の「あふれる歌心」をベースに残しながらも、必死にドイツ・ウィーン風の「緻密な骨組み」を組み込もうと格闘した、その絶妙なバランスこそが、この曲の独自の魅力になっているのでしょう。



2026年5月18日月曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第13番_バリリ弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑪

弦楽四重奏曲第13番ニ短調K.173,バリリ弦楽四重奏団<1955年録音>この第13番は初期の「ウィーン四重奏曲」とよばれ、そのラスト6曲目にあたる。冒頭のユニゾンから、決して現代のカルテットのような過度なエッジは立てないものの、内省的で深い響きを持って引き込まれます。ワルター・バリリの哀愁を帯びた、しかし凛とした歌い回しが絶品です。第2楽章、長調(変ロ長調)に転じますが、ここでのウィーン風の優美な身のこなし、そして各声部の自発的な対話こそ、バリリ四重奏団の真骨頂か。終楽章、彼らの演奏は、対位法的な構造をガチガチの厳格さで提示するのではなく、4つの楽器がまるで親密な会話を交わすかのように、有機的かつ流麗にフーガを編み上げていきます。技巧の誇示や誇大妄想的な表現とは無縁の、古き良きウィーンの宮廷的な品格と、青春期のモーツァルトの情熱が同居した演奏といえよう。バリリ弦楽四重奏団が、第14番をのぞくハイドンセットを録音しなかったことは惜しまれる。



2026年5月9日土曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲 第14番_エマーソン弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑩

弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387「春」。エマーソン弦楽四重奏団(1988-91録音)にて聴く。「ハイドンセット」1曲目。モーツァルトの弦楽四重奏曲で私の一番のお気に入りの曲だ。第1楽章(Allegro vivace assai):は、溌溂としてト長調の色彩が持つ、生命力にあふれた瑞々しさを感じさせてくれる。ただ、モーツァルト特有の憂いを半音階的な動きが演じ単に明るいだけでなく深みのある楽章に仕上がっている。第2楽章(Menuetto. Allegretto):は、文字通りメヌエットとトリオ置く、独創的な楽章だ。メヌエットの中心主題はpとfの急激な交替をふくみ、拍の変化も2拍目・3拍目にアクセントを置くなど面白い。そしてクロッマティックな動きがここでもみられる。ト短調のトリオ。その悲劇性をなにゆえ取り入れたのか私にはわからない。誰か教えてくれ!!第3楽章(Andante cantabile):は、息の長い、抒情的な旋律が美しい楽章だ。私は特にチェロの動きがたまらなく好きだ。第4楽章(Molto allegro):は、驚愕だ!「フガート」と「ソナタ形式」が見事に融合、第1主題、ジュピター音型を絡め、テーマがチェロから始まるのも面白い。第2主題は、フーガの厳格な動きの合間に、突如として軽快で優美な旋律、ここは第1ヴァイオリンが主旋律を歌い、他が伴奏する「主旋律+(ホモフォニー)」のスタイルだ。すなわち、厳格なフーガで始まりながら、気づけば軽やかなソナタ形式の旋律にすり替わっているという、鮮やかな「場面転換」。展開部は、真骨頂だ。第1主題のフーガがさらに複雑に絡み合い、転調を繰り返しながらドラマチックな緊張感を高めていく。そして圧巻のコーダ!激しいフーガの応酬が一段落した後、音楽は急に静まり返ります。第1楽章を彷彿とさせるような優雅で静かなフレーズが繰り返され、最後は「ささやくような弱音」で、消え入るように幕を閉じる。ブラボーブラボーだろう。エマーソンSQは、このスピード感の中でも、全声部が独立して聴こえてくる解像度の高さは目を見張るものがある。まさに、のちのK.551へつながる名曲中の名曲である。




2026年4月26日日曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 _エマーソン弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑨

弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K.421。エマーソン弦楽四重奏団(1988-91録音)にて聴く。15番は、ハイド ンセットの中で唯一短調で書かれた作品。ニ短調は、モーツァルトにとっては、ト短調と同じくある意味特別な調性と言えよう。『ピアノ協奏曲第20番 K.466』、歌劇『ドンジョバンニ K.527』『レクイエムK.626』などと並べればご理解いただけるだろう。いずれも死と直面した独特の世界観・緊張感が、そこに は存在する。この15番も全楽章を通じて、抑制された哀しみと、時折現れる激しい情熱が交錯する。第1楽章では、第1主題の動機が執拗に繰り返され、カノン風に絡み合うことで、逃げ場のない焦燥感が強調される。第3楽章のメヌエットでは、鋭い(付点音符)のリズムが、宮廷舞曲としての優雅さをかき消し、むしろ峻厳さを強調する。終楽章では、シチリアーナ(6/8の舞曲)のリズムにより、悲哀や別離の印象がより 強く感じられる。15番が作曲されたのは、長男ライムント誕生し、わずか2か月後に死去した時期に相当す る。いずれにしても、モーツァルトの短調は、単に音楽的「美学」というよりもモーツァルトの内なる暗  黒を覗きみるような悲しさがまつろう。



2026年4月19日日曜日

モーツァルト オーボエ四重奏曲_ハウヴェ


モーツァルト:オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370(368b)、オーボエ五重奏曲ハ短調 K.406(516b)。。。ヨリス・ファン・デン・ハウヴェ(Ob)、ザルツブルク・ソロイスツ(2002年録音)を聴く。K.370は、1777年にモーツァルトが母と二人でマンハイムを訪れた際、意気投合した、オーボエ奏者フリード リヒ・ラムにかの有名なK.314の協奏曲をプレゼントしたが、3年後にミュンヘンで再会した際に同じくラム のために書かれたものである。k.406は、弦楽五重奏曲第2番のオーボエ五重奏曲版である。何故、弦楽五重 奏曲のオーボエ版があるのかというと、もともとK.406は、『セレナード第12番 ハ短調(『ナハトムジー      ク』)』(K. 388)を編曲したもので、K.388は、2本ずつのオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンで 編成されているのだから、オーボエ五重奏曲に編成しても全く違和感がない。弦楽五重奏の第1ヴァイオリン をオーボエに置き換えた編成(Ob, Vn, 2Va, Vc)となる。もっともこの曲は、フルート、クラリネット、サク ソフォーンなど様々な編曲が存在するが・・・                             k.370の白眉は、第3楽章Rondeau: Allegro。途中、弦楽器が 6/8 拍子を刻む中、オーボエだけが 4/4 拍子で  超絶技巧を披露するポリリズムの箇所!!か。                              


2026年4月16日木曜日

モーツァルト  ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第1番&2番_グリュミオー

 


モーツァルト  ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第1番 ト長調&第2番 変ロ長調 K.424、グリュミオー(Vn.)&ペリッチャ(Va.)(1968年録音)にて聴く。

まず、この2曲は、ザルツブルク大司教から6曲の二重奏曲を依頼されていたミヒャエル・ハイドン<ヨゼフ・ハイドンの弟>が、病気のために4曲しか完成できず困っていたので、モーツァルトが彼を助けるため、残りの2曲を代筆し、友人の功績として提出させたと言われています。ちなみに、M/ハイドンの4曲は、「ハ長調」「ニ長調」「ホ長調」「ヘ長調」らしい。なるほど・・・それでトと変ロにしたのか。

協奏的要素だけでなく、互いの掛け合いが絶妙で、曲の魅力度を増幅している。M・ハイドンの手法を取り入れたとあるが、モーツァルトらしいメロディも、そこかしこに散りばめられており、特にK424の 1. Adagio - Allegro 2. Andante Cantabile は、美しく昔から大好きだ。

2026年3月27日金曜日

モーツァルト カンタータ「悔悟するダヴィデ」k.469_マリナー

モーツァルト:カンタータ「悔悟するダヴィデ」k.469

ネビル・マリナー(C)マーガレット・マーシャル(ソプラノ)イリス・フェルミリオン(ソプラノⅡ)ハンス・ペーター・ブロホヴィツ(テノール )シュトゥットガルト放送交響楽団、南ドイツ放送合唱団を聴く。ハ短調ミサ曲k.427に2曲の新たなアリア(第6、8曲)加え、イタリア語(ダ・ポンテのテクストとされている;マッテイ『聖書の詩篇集』)の歌詞にて演奏されたことで有名。すなわち知っている人は知っている。


2026年3月25日水曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲 第16番_ハーゲン弦楽四重奏団


モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑧

弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K.428 (421b)、ハーゲン弦楽四重奏団<199.5録音>にて聴こう。

冒頭からして如何にこの時代に異質な表現であったから伺える、4人のユニゾンによるオクターヴに上昇するテーマ、あれ確か変ホ長調だよねと首をかしげたくなる。ハーゲンSQは、ノン・ビブラートに近い澄んだ音色と、完璧にコントロールされた強弱の移ろいが素敵だ。また、アーティキュレーションを鋭敏に捉え、フレーズの語り口に独特の「間」や「溜め」を作ることで、古典派の音楽に現代的な緊張感を与えている。K.428は、ハイドン・セットの中でも半音階的な書法が多用されており、内声(第2ヴァイオリンとヴィオラ)の動きが非常に重要だ。ハーゲンSQは各パートの独立性が極めて高く、内声部が浮き彫りになる点でK.428にはぴったりだ。第2楽章、アンダンテ・コンモートは、単に美しさだけでなく翳りの和声の変化に対応できるかが勝負だ。チェロの上昇3和音の形が音程を変えながら延々と続くのが好きだ。これに上声部が半音で動くことで生じる「不協和音の解決」が連続し、これが、モーツァルト特有の「甘美な痛み」や「ため息」のような表情を生んでいる。第3楽章、メヌエット、アレグロは、Trioだ!変ロ長調に転じ、半音階を多用したテーマを各パートがカワリベンタンに歌う。ハイドンへのオマージュを感じる部分だ。ちなみに16番は、17番<狩り>よりも後に書かれたらしいっす。



2026年2月22日日曜日

モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K. 551『ジュピター』_フリッチャイ

本日よりカミさん実家に帰省につき暫くは一人暮らしとなる。
モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K. 551『ジュピター』、フェレンツ・フリッチャイ / ウィーン交響楽団(1961年録音)を聴こう。重厚になりすぎず、かといって軽薄でもない、絶妙なバランス。内声部の動きが手に取るようにわかり、ウィーン響特有の柔らかな響きがしなやかな歌心を見せる。第2楽章の深みのある Andante Cantabileは白眉。また、終楽章フーガ、弛緩することなくリズムをたたき出し最後まで突き進むさまは見事。すでに病魔に侵され、死を意識していたフリッチャイの余計なものを纏わず、ロマン的情緒を排した1曲と言えるだろう。


2026年2月20日金曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番_ブニアティシヴィリ

 カティア・ブニアティシヴィリ 弾き振り! 『モーツァルト: ピアノ協奏曲第20番&第23番、ピアノ・ソナタ K.545』(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)。またまたH氏より音源を頂いた。

アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズといえば、映画「アマデウス」の音楽も担当していたイギリスの名門室内弦楽団(その時はネビル・マリナー指揮)だ。
23番adagioは、私がモーツァルトを好きになった理由の楽章だが、このadagioは、時代とともにテンポが変化しているので面白い。1940年以降のものしか聴いていないが、ユーディナは極めて遅く、1950年台以降はホロビッツが最も速く、ハスキル、アニーフィッシャー・ハイドシェク・内田光子・グルダもそこそこ速い。1900年台後半で最も遅いのはミケランジェリか若き日のポリーニだろうか。2000年台以降再びadaigioらしい遅さに変化しているのか?知らんけど。ブニアティシヴィリは、きわめて遅い、グリモーの次くらいかもしれない。知らんけど。
カティア・ブニアティシヴィリのモーツァルトは、きわめて「ロマン派的」だ。スリリングでコントラストの強い演奏である。タッチも美しい。古典派のモーツァルトかと言えば・・・でも綺麗なので赦します。知らんけど。


2026年2月13日金曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458《狩》_グァルネリ弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑦

弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 K.458《狩》、グァルネリ弦楽四重奏団(1971-75年ハイドンセットより)を聴こう。<狩>の愛称は、楽譜にある冒頭のファースト・セカンドヴァイオリンの主題が狩猟の際に使われる角笛の響きを連想させることからそう呼ばれるようになった。ゆえに表題的な意味合いも何もない。第2楽章の優雅なメヌエットと対照的なトリオがお気に入り。モーツァルトらしい上品で洗練されたメロディが、4つの楽器の間で受け渡されていく。グァルネリは、その「間」や「呼吸」を大切にしている。トリオでは、第1だけでなく他も美しい旋律を担当しアンサンブルの密度は増してゆく。3楽章、アダージョは、ハイドン・セット全体の中でも特に美しい緩徐楽章だ。変ロ長調から変ホ長調へ移行し、第1は、時に切なく憂いをもち、他は優しく包み込むように和声を支える。第4楽章の軽快さは、ハイドンさながらか。グァルネリ弦楽四重奏団の温かみのあるアンサンブルとしなやかさは、この17番にお似合いだ。



2026年1月15日木曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第18番_ジュリアード弦楽四重奏団

 モーツァルト 遡って弦楽四重奏曲を聴いていこう。その⑥ 

弦楽四重奏曲第18番イ長調 K.464、ジュリアード弦楽四重奏団(1962年録音)。「ハイドンセット」5曲目。18番は、有名な「狩り」「不協和音」に挟まれた地味な印象を受ける曲だが、最も哲学的であり、如何にもベートーヴェンが好みそうな瞑想かつ内省身を帯びたとんでも曲である。実際、ベートヴェンが最も感銘と影響を受けた曲であった。
第2楽章、メヌエットは、単なる舞曲に留まらず、三拍子の中に短い不協和や対位が差し込まれたりします。またTrioではお得意の色彩的に暗転する部分や和声の微妙な移り変わりが施され、表情の変化を楽しめます。第3楽章アンダンテカンタービレは、変奏曲で低弦を中心にした陰影の深い変奏を、第一ヴァイオリンが叙情的に歌う変奏を、対位法的展開による変化をと各声部の性格を如実に表現します。この曲は情緒に流されすぎず、音楽の骨格をしっかりと味うには、ジュリアードは最適かも知れません。


2025年12月26日金曜日

モーツアルト ピアノ協奏曲第23番_ポリーニ

モーツアルト ピアノ協奏曲第23番イ短調 K.488、ポリーニ(P)ベーム:ウィフィルハーモニー(1976年録音)にて聴く。
ポリーニ 34歳の時のベームとの競演だ。
さて、K.488は、オーボエを外してクラリネットを加えた編成なのが特徴だ。K.488がイ長調なのはうなづけよう。第1楽章、清涼な朝の風のようなメロディ。主題を繰り返すピアノが登場してもその爽やかさは失われない。しかしいつしかモーツァルトお得意の短調に支配され再現部まで続く。カデンツァはモーツァルトのもの。緩徐楽章は、あまりにも悲しい。ピアノのモノローグを受けたクラリネットの高音の悲痛な叫び!ここにモーツアルトの神髄を垣間見ることができよう。終楽章は、うって変わって明るく快活だ。軽快に踊るピアノ、ファゴットとクラリネットがしっかりと味付け。ではあの緩徐楽章のメロディは一体何だったのだろう。と誰もが感じるだろう。ポリーニのピアノは円やかな響きで、躍動感をわざと抑え込んだ演奏。この曲のイメージにはよく合う。ピアノの硬質な響きの場面では、管弦楽がふんわりと包み込むのも良き。やはりこの演奏は23番でお気に入りの1つである。



2025年12月18日木曜日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第19番 _エマーソン弦楽四重奏団

 モーツァルト 弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K.465《不協和音》。ハイドンセット6曲目、エマーソン弦楽四重奏団(1988-1991年録音)で聴く。第19番は、画像にある冒頭アダージョ序奏(22小節)の独特な不協和音から《不協和音》と呼ばれる。 チェロが刻む「C」の音に対し、他の楽器が半音階的に重なることで不協和音が生まれる。しかし安心してください。アレグロの開始とともに明るく曇りないハ長調にしっかり着地するのだから。エマーソンは、精緻なアンサンブル、クリア・明晰な音により表現がとてもスリリングだ。



2025年11月1日土曜日

モーツァルト 交響曲第34番_ケンペ

 モーツァルト 交響曲第34番ハ長調 K.338 を聴く。ケンペ、フィルハーモニー管弦楽団(1995年録音)。何故、ケンペが数少ないモーツァルトの交響曲の演奏の中で、この34番を残したのかはわからない。オーボエ奏者のケンペらしくオーボエ・ファゴットは細部でよく奏で、全体的にはドイツ風味の強靭なアクセントと強弱がおもしろい。