2023年4月15日土曜日

フランク 交響曲ニ短調_パレー

 フランク 交響曲ニ短調 OP.48 ポール・パレー(C)、デトロイト交響楽団:1959年録音 で聴く。

この曲は、第1楽章をいかに耐え抜くかの勝負なのだ。画像3の主題(音階)の呪縛から逃れられない。これは、バッハの平均律クラヴィア曲第1巻 : Prelude & Fugue 第4番 嬰ハ短調 BWV.849で何度となく聴いた旋律だ。その時は、これほど暗鬱な音とは思わなかった。フランクはこの1楽章が敢然とニ長調の光の中に急転して終わらせているのもかかわらずだ。なんなんだよー!!小林秀雄は初めてこの曲を聴いたとき、気持ち悪くなって1楽章と2楽章の間で吐いたという。2楽章も気が抜けない。中間部でマズルカ風の明るい旋律がクラリネットに表れるとはいっても、全体の陰鬱さと虚ろさは変わらない。しかしそこに優美さが加わる。終楽章、おっ二長調だ。期待しよう。ところが、あの重苦しい音階とともに、すべての主題をふたたび聴かされる。しかし、どことなく壮麗。分厚い全合奏。ブルックナーを聴いているかのようなオルガンのような響き。どことなく華やぎがあるパレー、デトロイトの音がいい。コールアングレの音も新鮮だった。まあしかし、年に1回しかくらいしか聴かないかな。