2014年11月8日土曜日

モーツァルト ヴェスペレ_アーノンクール


久しぶりにゆっくりできる土曜日です。今日の一枚は、「アーノンクール/モーツァルト:戴冠式ミサ、ヴェスペレ(証聖者の盛儀晩課) K.339」。
K.339は、大のお気に入りです。
ヴェスペレとは、カトリック教会で信徒が集うミサの他に、聖職者が行なう1日8回の聖務日課の内、日没時に行われる祈り(晩課)のことで、宗教音楽の歴史上ミサに次ぐものです。
「ヴェスペレ」の歌詞はラテン語ですが,ミサ通常文ではなく,旧約聖書からのいくつかの詩篇(psalms)に加え,最後に新約「ルカ福音書」からの聖母マリアによる賛歌「マニフィカト」に作曲するという形式が決まっています。
以下がその6曲です。

第1曲 ディクシト。(主は言われる) ハ長調 
第2曲 コンフィテボル。(主をほめまつる) 変ホ長調
第3曲 ベアートゥス・ヴィル。(幸いなるかな ) ト長調
第4曲 ラウダーテ・プエリ。(ほめたたえよ) ニ短調
第5曲 ラウダーテ・ドミヌム。(主をほめたたえよ) ヘ長調
第6曲 マニフィカト。(吾が魂は主をあがめ) ハ長調 
全ての章は、次の歌詞で終わります。
Gloria Patri, et Filio, et Spiritui Sancto.
父と子と聖霊に栄光あれ。
Sicut erat in principio, et nunc, et semper,
始めにありしごとく,いまも いつも,
et saecula saeculorum. Amen.
世々限りなく。アーメン。
さて第4曲の減七度歩行の主題にもとづくフーガは、聴くものを虜にします。
そしてK387の第4楽章で見せたポリフォニーとホモフォニーの結合はここにも。
第5曲のソプラノソロは、上質のアリアのようです。
また合唱のメロディーはこの上なき優しさに包まれており、最後のAmenはまさに天上の音楽と感じるのは私だけでしょうか。
アルフレッド・アインシュタイン曰く「モーツァルトのこのような楽曲を知らない者は、モーツァルトを知る者とは言えない。」

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