2017年10月1日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第19番_ハイドシェック


今日の一枚。名だたるピアノコンチェルト群におかげで、あまり紹介されたり演奏されたりしない、モーツァルト ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459。
ハイドシェック+グラーフ:ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団(1993年録音)で。
ハイドシェックには、1960年代のヴァンデルノートとの20番台以降の溌剌とした演奏があるが、今日は、円熟50歳代の選集から19番をご紹介。
この19番は、26番「戴冠式」とともに、1790年のレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会で演奏されたことで「第二戴冠式」と呼ばれている。実は、トランペット、ティンパニーのパート譜が紛失しており、今では聴くことができないといわれている。しかしヘ長調作品にトラッペット・ティンパニーは使用していなので、それも怪しいとの説もある。
第1楽章、快活なリズムに乗って展開する。これはご存知16番以降すべて同じリズムである。19番は5度の跳躍により少しテンション高く駆け抜けていく感じ。ハイドシェックのピアノも飛び跳ねるように、転げまわるように展開してゆく。
第2楽章、モーツァルトには珍しい8分の6拍子の緩徐楽章である。これは、交響曲の31番「パリ」38番「プラハ」くらいしか思いつかない。ピアノと木管との掛け合いの美しいメロディ。
第3楽章、これがまた面白い構成なのである。ピアノで始まる第1主題が終わっ高と思うと、突然にフガートが開始する。しかも低音から開始し、高音が重なっていく二重フガートへ。単なる軽快な曲と思ったのが、いきなり荘重な曲に変化してゆくのである。ハイドシェックは、やはり一音一音がキラキラしていて切れ味があります。
19番と言えば、ハスキル:フリッチャイだろうという方(自分)もいるかと思われますが、今日は、ハイドシェックで楽しみました。

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