2025年11月29日土曜日

ベートーベン ピアノ協奏曲第5番 _ジーナ・バッカウアー

 ベートーベン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」、スクロヴァチェフスキー指揮 (P)ジーナ・バッカウアー  ロンドン交響楽団 (1962年7月録音:マーキュリー)にて聴こう。バッカウアー といえば、音の粒立ち、男勝りの鍵打・野太さが代名詞のようだが注目すべきは、第2楽章の緩徐楽章(Adagio un poco mosso)だ。深い内省と叙情性が求められるこの楽章において、慎重かつ豊かなニュアンス、優しさと気品を持ち合わせた叙情性が発揮されパルランドな旋律線を奏でる。

スクロヴァチェフスキーは、バッカウアーのピアニズムを支え、対話の確かさ・弱音器をつけたヴァイオリンの高貴な雰囲気づくりに徹している。お見事!!
ちなみに、この楽章、変ホ長調から離れたロ長調という、きわめて異例な選択をおこなっている所、末尾、低音で明確にロ音から変ロ音への「ずり下がり」が起こり、次楽章の主題(ロンド)をひそやかに探り出し予示し、そのまま切れ目なく第3楽章アタッカに移行してゆく所、この2点が大好きです。


2025年11月20日木曜日

R.シュトラウス「最後の4つの歌」_セル・シュヴァルツコップ

 R.シュトラウス「最後の4つの歌」、エリーザベト・シュヴァルツコップ  ジョージ・セル; ベルリン放送交響楽団(1965年録音)にて聴こう。言わずとしれた不滅の名盤。

「春」「九月」「眠りにつくとき」「夕映えの中で」。


2025年11月18日火曜日

マーラー 交響曲第3番_スワロフスキー

 マーラー交響曲第3番ニ短調、スワロフスキー(C)ベルリン放送交響楽団、(A)ソニャ・チェルヴェナー  RIAS女声合唱団・ ベルリン大聖堂少年合唱団<録音:1963年1月21日、ベルリン(ライヴ)>にて聴く。スワロフスキー先生は、ウィーン国立音楽大学指揮科教授として、アバド、メータ、ヤンソンスなど錚々たるメンバーを育成しているよ。ちなみに1967年のウィーン芸術週間でのマーラーフェスティバル 全曲演奏でもスワロフスキーは3番を担当しているよ。『第1番』(プレートル)、『第2番』(バーンスタイン)、『第3番』(スワロフスキー)、『第4番』(サヴァリッシュ)、『第5番』(ソモギー)、『第6番』(アバド)、『第7番』(マデルナ)、『第8番』(クーベリック)、『大地の歌』(クライバー)、『第9番』(マゼール)、『第10番』のアダージョ(トイリング)である。スワロフスキー先生は、3番が得意かつ好きだったのだろう。



2025年11月14日金曜日

ブラームス ドイツレクイエム 42

 ブラームス: ドイツ・レクイエムを聴く 42

先月、仏ハルモニア・ムンディから発売されたばかりの出来立てほやほや 自身もカウンタテナーのラファエル・ピション(指揮)ピグマリオン(合唱、管弦楽)ザビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)ステファヌ・ドゥグー(バリトン)<2024年12月録音>を聴く。

1.冒頭、古楽器らしく低重心ではなく少し明るめの中間底部の音作りか。コーラスは、ノンビブラートの純正コーラス(1人ソプラノに若干ビブラートのあやしさ有>。倍音重視の男性群は巧いです。テノールも変な押し出しがなく繊細さが光ります。
テンポは、中間速度コーラス中心の展開、ソノリテを意識した感情に頼らぬ仕上げだ。
2.ティンパニー控えめで、優しい立ち上がり。コーラスは特に重々しくならず淡々と進む。繰り返しでは逆にティーパニーは、激しさを増す強打。長調に転じてテンポを速め、前者とのメリハリをつける。悲痛な空気を吹き払う「Aber des Herrn・・」からの華々しきコーラス、劇的なオーケストラは聴きもの。
3.バリトンのステファヌ・ドゥグーは、悲哀と影に満ちた歌声。斉唱的なコーラスとの対比も面白い。「Der Gerechten Seelen sind in Gottes Hand」からのD線上のフーガは、意外もにオーケストラの音もしっかり出力させ、各声部のカオスさをちゃんと引き締めているのは、驚きだ。声楽家あがりの秀逸さなのか。。。
4.短い舞曲だが、各声部に上手にフォーカスし、優しさとメリハリ<mein Leib und Seele freuen sich in dem lebendigen Gott.の強いアクセント>に聴いたコーラス。
5.ソプラノのザビーヌ・ドゥヴィエル(ピジョンの奥さんだ)は、コーラスと違ってビブラートかけまくり。超美声ではあるが、個人的にはもう少し憂いが欲しいところか。(すいません)
6.テンポは速めだ。ドゥグーのモノローグは、ドイツ・リート的でこの6曲には合っている。決然としたコーラス群も巧い。中間部の七色のハーモニー(個人的にそう呼んでいる)は、若干不満。大見得後の大フーガのアルトの入りは合格点。ここではバス群の巧さが際立つ。ラストの絢爛さはさすがだ。
7.弦楽群を想像以上に前面に出して始まる。中間部のコーラスの洗練された歌声も気を引く。フルートとオーボエの音力が印象的だった。
素晴らしい1枚でした。





2025年11月10日月曜日

シューマン 交響曲第2番_カザルス

 シューマン 交響曲第2番ハ長調Op.61 カザルス、マルボロマルボロ祝祭管弦楽団(1970年ライブ録音)で聴く。この曲を愛してやまないカザルス94歳の時の演奏。



2025年11月1日土曜日

モーツァルト 交響曲第34番_ケンペ

 モーツァルト 交響曲第34番ハ長調 K.338 を聴く。ケンペ、フィルハーモニー管弦楽団(1995年録音)。何故、ケンペが数少ないモーツァルトの交響曲の演奏の中で、この34番を残したのかはわからない。オーボエ奏者のケンペらしくオーボエ・ファゴットは細部でよく奏で、全体的にはドイツ風味の強靭なアクセントと強弱がおもしろい。