2017年5月6日土曜日

ドイツ・レクイエム 23

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第23回目となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト22.ガーディナー
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第23回は、ハイティンク:ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団、(Sp)ヤノヴィッツ(Br)クラウゼ 1980年;録音です。
この演奏は、誰もが期待する以上の素晴らしい演奏です。ウィーンフィルの弦楽群の美しさ、木管群の柔らかさを伸び伸びと引き出している。合唱団も一級品の美しさ。特にベースがいい声だ。
第1曲の演奏。重厚感を持たせているわけではないが、実に敬虔な響きが包み込む。テンポは中庸ですが、非常に落ち着いた流れを感じるのは、何故だろうか。
第2曲。重い足取りのユニゾン。ハイティンクは、この第2曲出だしにかなりの重厚感(テンポもかなり遅い)を与え、長調へ転じた後の柔らかさ対比を強く持たせている。その後の悲痛なまでの重厚感が、「しかし、主の言葉は残る、永遠に」の宣言に絶大な効果を与えているだろう。かなりドラマチックな演出であるが、オーケストラとコーラスの巧さが、それを支えきっているのは面白い。
第3曲。クラウゼは、中低音がフィッシャー・ディスカウの声によく似て、いい声だ。「正しいものの魂は神の手にあり」のフーガは、持続低音Dの威力がよくわかる巧みなオーケストレーションを堪能。
第4曲。この心和らぐ舞曲の弦楽群の美しさはウィーンフィルの真骨頂。ハイティンクのテンポは速めで軽快。
第5曲。さすがのヤノヴィッツ。この声を聴いただけで、このCDを聴いた甲斐がある。清楚な伸びのある声は、天上の入口まで届きそうだ。
第6曲。金管群もティンパニーも荒々しさはないが、非常に歯切れの良さを持つ。大フーガへ向けての緊張感は見事。
大フーガでの弦楽群も極めてメリハリのある響きが印象的である。
終曲。オーボエの巧さが印象的です。
非常にスケールの大きなお勧めの一枚です。

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