2007年2月12日月曜日

アリアのごとく~モーツァルトを語る 第10弾

Colmar11 記念すべき(自分だけだが)第10弾は、「ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216」である。

モーツァルトは、ヴァイオリン協奏曲をわずか5曲しか(7曲ということもあるが)書いていない。それも、19歳(1975年)にしか作曲されていないのだ。(不思議です:名曲K364はありますが)
とにかく3番の明朗にして優雅な美しい旋律には溜飲が下がります。
第一楽章は、ソナタ形式。まず重音で始まるリズミカルな第一主題(おしゃべりをやめない貴族らを音楽に惹きつけるがごとく)、ホルンが引き継ぎオーボエが応える流れるような素朴な第二主題、そして壮大な展開部へ。
そして第二楽章には、まいります。あの映画「アマデウス」でのサリエリのように楽譜を落としてしまいそうです。弱音器をつけた弦の合奏と柔らかいフルートの音色の中で、独奏のヴァイオリンがデリケートな情感をもって柔らかく進んでいきます。優しい心を歌うアリアのように。
第3楽章はアレグロのロンド形式で書かれていますが、主題の間に挿入された民謡調の軽快なアレグレットのメロディーがまたかわいらしいこと。しかし終わり方がちょっと淡白だけど。いずれにしてもどの章でも、時折覗かせる短調がまた抜群の味付けとなっている。

それでは、その中でやっぱり第二楽章をお聴きください。
演奏は、アーノンクル+クレーメルです。グリュミオーを期待した方々すいません。
k.216 - 2.Adagio (クリック)。

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