2007年3月24日土曜日

赦しの音楽~モーツァルトを語る 第16弾

Mz5309 モーツァルトには、赦しの音楽があると思う。
一番有名なのは、フィガロの結婚 第4幕 フィナーレの伯爵が夫人に向かって歌う「Contessa perdona」。映画『アマデウス』のこの場面を観たサリエリの「劇場中を"赦し"の音楽が満たした」という言葉が印象的だ。
でも、オペラでなくても赦しの音楽が存在する。第16弾は「ヴァイオリン協奏曲 第5番 第二楽章 Adagio」。この曲は、日本でも数多く演奏されるヴァイオリン協奏曲だ。
第1楽章は力強いソナタ形式。モーツァルト独特のあのジェットコースターを堪能できる。そしてなんといっても終盤のカデンツァ。そのすばらしい技巧が必要で聴くものを魅了する。第三楽章は{トルコ風}と名づけられて有名。コル・レーニョ(弓の木の部分で叩く奏法)の指定があるのも特徴だ。

そして中間楽章の第二楽章はとてつもなく美しい。私にはここに「赦しの音楽」が聴こえる。ただ優しいだけじゃない。ただ美しいだけじゃない何か。終盤のカデンツァまで一瞬も途切れることなく続くのだ。

それでは、グリュミオーのヴァイオリンでお楽しみください。
mozart_5_k.219 - (2) (クリック)。

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