月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。なんと第30回となりました。
1.クレンペラー 2.サバリッシュ 3.ヤルヴィ 4.ジュリーニ 5.セル 6.コルボ 7.アーノンクール 8.ケーゲル 9.ロバート・ショウ 10.アクサンチュス 11.コッホ 12.ヘレヴェッヘ 13.シノーポリ 14.クーベリック 15.バレンボイム 16.レヴァイン 17.ケンペ 18.マゼール 19.アンセルメ 20.クレツキ 21.シューリヒト 22.ガーディナー 23.ハイティンク 24.アバド 25.テンシュテット 26.メータ 27.ショルティ 28.ブロムシュテット 29.プレヴィン
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せっかくの第30回目なので、ドイツ語で歌うドイツレクイエムなのに、英語で歌っている、トスカニーニ盤をご紹介。
トスカニーニ:NBS交響楽団、ウエストミンスター合唱団、
ヴィヴィヴァン・デラ・キエザ(S)ヘルベルト・ジャンセン(Br)<1943年1月録音>。
何故、英語なのか?そうです、録音年を見ればわかります。
アメリカとドイツ 戦争中です。敵国語はご法度。日本もそうでした。録音は、お察しの通りギリギリ聴ける程度ものです。
テンポは、キビキビとしたハイペースと思われるでしょうが、全く予想外でした。第2曲が極めて特徴的で、かのジュリーニよりもさらに遅いテンポ。しかし、もったりした感じは一切しません。コーラスには、非常に優しく歌わせ語り掛けるようなドイツレクエイムです。
インテンポの神様とは思えない程、大きくテンポも揺らしながらも、ティンパニーの叩き込みなど、地底の奥底から徐々にクレッシェンドさせるがごとく、オペラ的な要素も加え、ドラマチックな構成にしています。そして、「しかし主の言葉は残る、永遠に。」の高らかさは、思わず興奮します。この第2曲の壮大さは、右に出るものはいないでしょう。
第3曲、バリトンのジャンセン(ドイツ人)の声は、朗々。コーラスを交えてのトスカニーニの緊迫感ある構築は凄いの一言。
終盤のフーガもゆっくりしたテンポで朗々と・・・。クライマックスへ向けて信仰心という重戦車が突き進んでいくようです。第4曲も舞曲は、打って変わって優雅に・・・。
第6曲、転調後のバスのソロからの緊張感、踏みしめるようなスフォルツァンドの明確さ、大フーガ手前の絢爛さは、尋常ではない。大フーガの弦楽のメリハリ、コーラス群の説得力。
第7曲、思い切りフォルテで登場するソプラノには驚き。トスカニーニの終曲は、淡々としています。
本当に録音が古いのが残念です。トスカニーニらしい、最大に熱いドイツレクイエムです。
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